異世界冒険と時間旅行を並行するのは無理ゲー

猫目

第6話 不幸の連続

 さて、今更だが少し疑問に思う事がある。それは白鳥についてだ。
まず、俺たちが転移したあの日、なぜあの教室にいた?あの時白鳥は教室の隅っこの席で本を読んでいた。ちなみに白鳥は部活には入っておらず、一ノ瀬たちとも接点はほとんどない。しかも、俺らが転移した時間は午後5時だったんだぞ?誰が好きで一ノ瀬達がギャーギャー喚いてる教室でいつまでも残って本を読んでいたいんだ?

 もう一つ。剣の訓練中に俺を誘ってきた事だ。誰が好きで俺みたいな陰キャボッチと組みたいんだ?……
なんか自分で言って悲しくなってきたな。
はっ…!?もしかして俺に気があるとか?いやそれこそありえねぇわ…
 ちなみに白鳥は学年でそこそこ• • • •男子から人気がある。なぜ「そこそこ」かって?まぁ見た目は良いが、無口だからなぁ。んで、学校中で人気がある女子はと言うと、それは西園寺さいおんじ結衣ゆいという女子だ。見た目良くて性格良くて頭良くて運動神経もいい。つまり完璧美少女ってわけだ。こういう女子がヒロイン的なポジションになるんじゃねぇぇのぉぉ?なのになんでずっと一ノ瀬とくっついてんだよ!

 愚痴はこんくらいにしとくか。白鳥については…今度本人に聞くか。


「はぁ…」
もう訓練疲れたわ…俺はあれからずっと白鳥と組んでる。クラスの中ではステータスは低い方だが、俺のステータスはそれよりも低いんだぞ!?俺のステータスって白鳥のステータスのだいたい二分の一だぞ?そろそろ死ぬわ!
「じゃあ今日の訓練は実際に魔物• •と戦ってもらう!取り敢えずいつも通り二人組になれー。」
後ろから袖を引っ張られた。後ろを振り返ると…お察しの通り白鳥だった。白鳥と組んだのはこれで何回目だろう。その時、誰かの舌打ちが聞こえた。
「チッ…またかよあいつ。爆裂魔法を少し打てるからって調子乗りやがって…」
舌打ちをした張本人に凄く心当たりがあるんですけど…まぁ無視しとくか。
「今日は実際に二人一組でダンジョンに入ってもらい、魔物と戦ってもらう。今から行ってもらうダンジョンには主に、スライムやゴブリンなどの比較的弱い魔物しかいない。今まで訓練してきて君達は十分に強くなった。そして君達のステータスがあれば苦戦する事はないだろう。頑張りたまえ!」

そして、ドラガンに連れてダンジョンに来た。

「今から君達には二人で10体の魔物を討伐してもらう。魔物を倒したら倒した証拠になるような物を持って帰ってきてくれ。このダンジョンは10階層まであるが、全ての階層が整備されていて迷うことはないだろう。それじゃあ気をつけて行ってきてくれ。」



 それから俺たちはダンジョンに入り、俺と白鳥は今5層まで来ている。今まで出会ってきた魔物はたったの一体。クラスメイトの10人が同じタイミングで入ったからな。魔物はみんな他のグループに狩り尽くされていた。しかもその一体は白鳥が倒した。魔法の杖で叩いて• • •な。こんな狭い空間で爆裂魔法なんかで打てる訳がない。だったら火魔法を使えば良かったじゃないかと聞いてみると…
「…目の前で…魔物が断末魔の叫び声を上げながら…燃えて死んでいくのを見たい…?」
と、言われた。もちろん俺はそんなもん見たくない。まぁ普通と比べて白鳥のステータスもおかしいからな。杖で一発ぶん殴れば十分倒せる。ちなみに俺らには本物• •の武器が支給されてる。白鳥には杖。俺には剣だ。国王が用意してくれた良い武器らしい。にしても本物の剣って重たいな…少なくとも今のステータスでこんなのを振り回すのは無理そうだ。俺も早くレベル上がりたいしこれからは俺も積極的に戦闘に参加するかな。

 
 と、決心してからかなり時間が経った。今俺たちがいる場所は10層だ。ちなみに今まで何体倒してきたかって?今まででまだ6体しか倒してない。他の奴らどんだけ倒したんだよ…その中で俺が倒したのは二体だけ。レベルは上がってない。マジで不幸だ。とにかくダンジョンを歩き回ってる。
「なぁ白鳥。」
「…なに?」
「なんでお前は毎回俺とペアを組むんだ?俺以外にもいるだろ?」
「…教えれない」
「?」
うーむ。白鳥は考えてる事がよくわからないなぁ。
と言ってる内に今度は行き止まりに出た。ホントに不幸だな。
「白鳥、引き返そうぜ」
「…」
「白鳥?」
「…この壁の模様…一体なに?」
よく見ると、そこの壁だけ模様があった。しかし今はそんな事をしてる場合ではない。
「さぁな。それより早く行かないか?」
「…ちょっとだけ…待って…」
白鳥は壁をしきりに触っていた。やっぱり白鳥の考えてる事はわからない。とその時、
ゴゴゴゴゴ
すると、壁の一部が動き出した。
「はい?」
「…隠し通路…泰知…行く?」
もうこの際、行くしかないよな。ノルマはクリアしてないんだし。
「よし!行くか。」
にしても俺のことを下の名前で呼ぶとは思わなかった。俺らってそんな仲良かったか?まぁいい今は前に進むしかなさそうだ。

 しばらく歩くと、だだっ広い部屋に出た。なんだここ。まるでラスボス戦の部屋みたいな…
「ほう…ここに人間が来るのは久しぶりだな…」
俺ってホント運ねぇわ。

なぜなら、そこにはまるでラスボスで出てくるようなドラゴンがいたからだ…

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