異世界冒険と時間旅行を並行するのは無理ゲー

猫目

第3話 ありがちな展開

 俺は気が着くと魔法陣の上にいた。
「え?」
「な…なんだったんだ…」
「おい、ここどこだよ。俺たち教室にいたはずなのに…」
「確か教室が急に光り始めて…」
「どうなってんだよこれ。」
「みんな、一旦落ち着いて!!」
そこには、俺と教室にいた奴らがいた。しかもここは見たことがない場所だ。あれ?さっきまで神界とやらにいたはずでは?どうなってんだこれ。
「ようこそおいで下さいました。」
えらい美人がそこにいた。
「誰だ!」
「ここどこだよ!」
「失礼しました。私はヴィクトリア王国の王妃リリスでございます。ここはあなた達がいた世界とは違う世界。いわゆる異世界です。」
「ここ、笑うとこ?」
まぁ俺は状況を理解してるからそんな事を今更思うことはないんだが、一応慌ててるように見せておこう…とは建前で、本当はただ言ってみたかっただけなんだな。
「な、なんだって!?」
「そんな話、信じられるか!!」
「落ち着いて聞いてください。この世界は魔王によって支配されようとしています。しかし、この世界には魔王に太刀打ちできる人間がいません。遠い昔、異世界から勇者を召喚し、世界を救ったと言われています。同じように、異世界から人間を召喚すればきっと世界が救われると信じ、あなた達を召喚させて頂きました。無礼であることは承知しています。ですが、どうか…力を貸してくださいませ…!」

「あの〜すいません。質問をしてもよろしいでしょうか。」
と、言ったのは一ノ瀬だ。
「はい。答えられる範囲でしたら。」
「元の世界には帰れないんでしょうか?」
「……」
「……」
沈黙が流れる。そして、
「異世界から召喚することはできますが、逆に転送することはできないのです…」
「なんだって!?」
「嘘だろ…」
すると、王妃リリスの背後から男がやってきた。
「私はこの国の国王、ルドルフだ。この世界の都合で勝手に巻き込んでしまったことは本当に申し訳ない。しかし、このままではこの世界が滅びてしまう。虫が良すぎると思うがどうか協力してはくれないか。」
と、言って頭を下げる。
「わかりました。引き受けましょう。」
と、名乗り出たのは…言うまでもなく一ノ瀬だ。
「みんなでこの世界を救おうぜ!!」
「翔がそういうのなら!!」
と、脳筋。
「お、俺もついてくぜ!!」
「私も!!」
みんな一ノ瀬についていくようだ。これもテンプレだな。
「泰知、お前はどうする?」
俺にこの状況で断る勇気なんてないし、取り敢えずついてくか。
「俺も一ノ瀬についてくよ。」
「こんな奴使えんのかよw」
「佐藤、やめろよ」
さっすがイケメン。俺アンタに一生ついてきます。
「そ、そうか!やってくれるか。感謝する…!」
と、王。
「それでは心の中でステータスオープンと唱えてくれ。」
そんな事だろうとは思ってたよ。
心の中でステータスオープンと唱える。
すると、目の前にステータスが表示された。





タイチ・スズキ

Lv 1
種族 人間
HP 320/320
MP 180/180
攻撃力 260
防御力 210
魔法攻撃力 230
魔法防御力 200
素早さ 160

<スキル>
・言語翻訳・剣術Lv1・火魔法Lv1

<固有スキル>
時間跳躍タイムリープLv1 ・成長促進

<称号>
・異世界人 ・時をかける少◯ ・陰キャ ・神のお気に入り 




これは…強いのか…ん?なんだこの陰キャって称号は。ただの悪口だろ。まぁいいや、スキルの説明でも見るか。



時間跳躍タイムリープ
好きな時間、場所に移動する事ができる。また、特定の物体を移動させることもできる。ただし、MPの消費が激しいので注意。



・成長促進
レベルが上がると通常よりステータスが上がる。 



・神のお気に入り
会おうと思ったらいつでも神様に会える。ただし、神様に会えるのは一日一回まで。別に一人ぼっちで寂しいとかそういう訳じゃないからね。



 なんかこれバグってね?まぁこれが神様の力ってやつか。
と、その時
「一ノ瀬君と言ったか。素晴らしいステータスだ!レベル1でこのステータス…!流石勇者殿だ…」
ん?騒がしいな。なんだなんだ。どうやら王様が一ノ瀬のステータスを見てるらしい。俺もアイツのステータスでも見てみるか…なんとなく想像はつくが…



ショウ・イチノセ

Lv 1
種族 人間
HP 1830/1830
MP 960/960
攻撃力 1280
防御力 1070
魔法攻撃力 1120
魔法防御力 1010
素早さ 870

<スキル>
・言語翻訳・鑑定Lv5・気配察知Lv5・絶気配Lv4・身体強化Lv4・神剣術Lv3・火魔法Lv5・光魔法Lv3・体術Lv3

<称号>
・勇者・イケメン・剣士



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