異世界冒険と時間旅行を並行するのは無理ゲー

猫目

プロローグ

——三年前

???「あいつさえ…!あいつさえいなければ…!」
謎の男高層ビルの屋上から下を見下ろしながらそう言った。その視線の先には一人の少年がいた。

???「ぐひひっ。殺してやる…殺してやる!!!俺が味わった苦しみを今度はお前に味あわせてやるよ!!」
そう言ってビルの屋上から飛び降りた。普通• •の人間ならばただの自殺行為である。

しかし、その一瞬後、目を疑うような光景が広がっていた。その男の背中には真っ黒な翼が生えていたのだ。謎の男は、翼をはためかせ、先程まで見つめていた少年目掛けて飛翔していった。

「わっ!なんだ!?人が…空を飛んでる!?」

???「テメェの顔を見てるとよぉ…テメェに付けられたキズが痛んでイラつくんだよ!!へへっ、せいぜい未来• •の自分を恨みやがれ!!」

そう言って謎の男は飛翔しながら少年に殴りかきろうとしていた。
「えっ!?ちょっ…なになになに!?」
しかし、謎の男は全く動じず殴りかかってくる。少年はわけがわからぬまま、目を瞑る。

しかし、殴られるかと思い身構えたが何も起きず、目を開けると悲惨な光景が広がっていた。謎の男の右腕が無くなっていて、しかもそれが地面に転がっているのだ。
「うっ…うわぁ!!な…なんだこれ…」
そして、気がつくと周りにはさっきまで誰もいなかったはずなのに、目の前には男が剣を持って立っていた。
???「うぎゃぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!何故…何故お前がここにいるんだぁぉぁぁぁぁぁ!?」

少年は混乱していたが、剣を持っている人間と腕が無くなって断末魔の叫びをあげている人間がいたら大体状況は理解できるだろう。
「なんだこれ!もしかして夢か!!」
「まぁそっちの方が都合はいいな。」
と、その時目の前の男がこちらに振り向いた。 
「なっ…ど、どういうこと!?」
驚くのも無理はない。タダでさえ意味のわからない事態に巻き込まれているというのにその男の声、顔がとても少年のそれらに似ていたからだ。
「まぁ今は取り敢えず寝てな。」

少年の意識はそこで途切れていた。
ーー目が覚めると自分の部屋のベッドにいた。
「なんだ夢か…にしても酷い悪夢だったなぁ。」


 ——しかしこの時すでに物語が動き出していたということは、少年には知るよしも無かった…

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