香川外科の愉快な仲間たち

こうやまみか

久米先生編 「夏事件」の後 151

 ――オレの個室は、母さんが時々掃除をしてくれる。社会人になって、時間が取れないということもあったけど、学生時代だって医学部生は研究とか早朝家を出てで夜遅く帰るコトも多々あった。まあ、呑み会とか滅多には出なかったけど合コンだって、たくさん誘いが来るのも事実だった。
 ただ、物凄く暇な時に一回だけ参加してみて、JDのケバさとか、露出度の多い服とそして「医学部生」だから狙っているんだろうな感がハンパなかった。オレという個人ではなくて「医学生の彼女」→医師夫人狙いというのがあからさまだった。
 あくまでも、オレという人間を好きになってくれるんだったら物凄く大歓迎なんだけど。
 まあ、オレも合コンではキョドっていたので話しかけてくる女性はそんなに居なかったのも事実だった。   露出度の高い服――いや、趣味のフィギアの場合も、戦闘モノの女性がこんな服を着て大丈夫か?的なものもあるけれど、それはあくまでファンサービスだろう。それにフィクションだし、何でもアリだと思っている。いや、問題はソコじゃなくって、オレの部屋はお母さんが見かねて掃除をするほど、滅茶苦茶だということだ。
 そして、フィギアの――オレの推しはフミオちゃんという学園のマドンナで本が好きな女の子なんで、ちゃんと制服は着ている。――棚には「絶対に触らないで欲しい!!」と言ってはいるものの、専門書とか必要な医学雑誌とかを勝手に動かされて探し回るハメになっている。まあ、部屋の片づけとかをしないオレが悪いんだけど……。
「あのう、部屋の掃除が出来ない人間は岡田さん的にアウトですか……?」
 恐る恐る聞いてみた。だって、こんなに美人さんでしかも性格も良さそうな女性が彼女♡から奥さん♡になってくれるなら――田中先生もベタ褒めしていたし、柏木先生の奥さんが手術室ナースなので、ナース繋がりのネットワークを活用して岡田看護師に「フリン」とかそういうことが席る女性ではないということまで調べて貰っていた――部屋の掃除香川教授の執務室レベルまでキッチリと整理整頓と清潔さを心掛けようと、固く心に誓いながら。
「え?それはないです。私室ってプライベートですよね?私の部屋も散らかってます。
 問題は教授執務室という、公的な場所であんなに散らかり放題な点ですから」
 恥ずかしそうに笑うアクアマリン姫も物凄く可愛い♡
 何だか第一関門は突破したような気がした。
 そして。
 

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