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香川外科の愉快な仲間たち

こうやまみか

久米先生編 「夏事件」の後 85

 お母さんの場合、離婚されれば実家に帰ってお祖父さんとお祖母さんの財産とか収入でしか暮らせない。確かにいろいろなお免状は持っているので、お茶やお花を教えることくらいは出来そうだけれど今のような暮らしは出来ないだろう。
 まあ、お父さんも別にお母さんに不満があるようには見えないし、クリニック経営者という立場のお父さんはお母さん以外の女性と二人きりで一緒に居るところを患者さんとかそのご家族に見られたら不倫のウワサを立てられるのでそんな誤解を招くようなこともしない。
 それでも週刊誌とかでは女優さんとかと医師との密会現場を激写とかいう見出しが躍っていることもある。ただ、お父さんはオレと性格が似ているのでそんな大それたこともしないだろう、多分。
「分かりました。柏木医局長夫妻が香川教授の名代みょうだいとして家にいらしてくださるという点を強調してきます。
 くれぐれも失礼のないような歓待をするように母には『教授の命令』として柏木看護師が同席すると念を押しておきます」
 田中先生はふと思いついたような感じで口を開いた。
「お母様は厚労省の官僚ーーいや、厚労省ではなくても良いのですがーーそういう職業を持っている方についてはどう思っていらっしゃるのですか?」
 官僚なんてそうそうお目にかかることはない。偏差値的にはそんなに変わらないT大は「官僚育成大学」と揶揄やゆの対象になるくらい、ウチの大学は国家公務員試験受験者がいないことでも有名だ。
「え?ドラマで観てカッコ良いとか言っています。知り合いとかにはいませんが、ほら外務省から皇室に嫁がれた方いらっしゃいますよね?ああいう女性も素敵とか言っていますが?」
 質問の意図がイマイチ分からなかったけれども、田中先生も優秀な外科医に相応しく余計なことは言わない人だ。救急救命室の凪の時間とかで暇を持て余している時ならともかく、医局でしかもプライベートな問題とはいえ、深刻な話をしている時には。
「ならば、柏木看護師の従妹がT大医学部を出て厚労省の現役官僚だということも忘れずに言ったほうが良いと思います」
 従妹とか関係有るのかな?と思ったけれども、そういえばお母さん推薦のお嬢様達の履歴書(?)にそういえば、お父様・お母様のご兄弟がどこそこの大企業の役職に就いているとか、姉妹がどんな家にお嫁に行ったとかまで書いていた人がいた。ざっとしか見ていないので確かなことは覚えていないけれど。
 だから。

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