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香川外科の愉快な仲間たち

こうやまみか

久米先生編 「夏事件」の後 73

「お父上の反対の理由は、高確率で解消されるだろうな……。しかし、今の段階では正直なんとも言えない。
 まあ、息子の出世にこだわるのは父親としてはごもっともだが。
 で、お母様は『ナース風情ふぜい分際ぶんざいが由緒有る久米家の嫁になるのは嫌』とかそういう理由で反対していらっしゃるのだろうな……」
 柏木先生も一発目で理由を当てた。田中先生もーーと言ってもご本人の場合は両親も大歓迎しそうな商社レディがお相手だけにオレほど反対はされていなかっただろうがーーピタリと当ててきたので、病院内ではそういう差別意識が暗黙の了解みたいな感じであるらしい。オレが知らなかっただけで。
 分際だの、風情だのそういう言葉は時代劇の中でしか使われないと思っていたけれど、そして実際お母さんもそこまでは言っていなかったような気がする。けれど、態度とかさげすんだ眼差しとかでそう思っているような感じはアリアリだった。
「いやあ、久米家って、そんな由緒の有る家柄とかじゃないですよ。
 たまたま父がクリニックを継いだだけで……。
 昨夜じっくりと話したんですが、斎宮代さいぐうだいに選ばれた過去がある女性とか、趣味がハープの女性とかの写真を見せられました。
 そういう高尚な趣味を持っている女性と話しなんて出来ないです」
 田中先生がカラリとした感じの笑い声を響かせている。医局内なだけに声量は絞っていたが。
「艦コレとか『ガールフレンド(仮)』のフミオちゃんの話は流石に出来ないですよね。
 ハープって、皇室の女性がたしなむ楽器みたいな感じですので、お嬢様中のお嬢様といった感じですよねぇ……高尚なご趣味で良かったと言いたいところですし、フミオちゃんとやらも『名門・桜林女子学院』ご在籍ですよ。共通点が有って良かったじゃないですか?」
 いろいろ間違っているような気はしたけれど、問題はソコじゃない。
「ゲームの中の住人じゃないですかっ!フミオちゃんは。そういう人は眺めているだけで幸せなんですっ!実際に生活するとかそんなの無理ですっ!!」
 フミオちゃんの好感度、オレが頑張ってマックスの100まで上げたのをどんな裏技を使ったのか知らないけど、田中先生にマイナスにされた恨みはこの際忘れることにした。
「それで、アクアマリン姫と付き合っても医局の中では微塵も評価が変わらないことを医局長でもあり、教授の元同級生かつナースと実際に『幸せな結婚生活』を送ってもいる柏木先生が久米先生のお宅にお邪魔して説明して貰いたいと思いまして」
 田中先生がそう言ってくれた。
 すると。

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