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香川外科の愉快な仲間たち

こうやまみか

久米先生編 「夏事件」の後 21

「恋人として交際するのは……基本というか土台には相手を思いやるコミュニュケーションが必要です。
 久米先生は多分、独り善がりなのだと思いますよ。
 ほら、ミスドをデートコースに選んでいたでしょう?私は甘いモノをそれほど好みませんが『今の』恋人は甘いモノが好きなので『東京散策』デートの時とかに、ミスドの店舗前に立ち止まった場合のみ『入ってみる』的な声掛けはします。
 その後は恋人の選択に委ねますが。そういった臨機応変さも必要となってくるのですが、そういう視点に欠けているのではないかと思っています」
 何だか物凄く貴重なアドバイスを貰った気がした。確かにオレは――恋愛シュミレーションゲームとか、ここだけの話『大人のDVDとかマンガ』を愛好している。そこでは女性の意思なんて二の次三の次だし、常識的に考えてオレにすら、これはフィクションだろ?と思うような強引な展開もあるのも事実だった」
 柏木先生も完全同意と言った感じで思いっきり頷いていたし。
「それに、相手の気持ちとか立場になって考えるという、視点が完全に欠落していましたよね。
 先ほどの件でハイヒールがどれだけハンディになるかもご存知なかったでしょう?
 まあ、久米先生のお好きなゲームの数々でもあんなヒールを履いて足場が悪いところで全力疾走とか普通にあるようなので、誤解する気持ちも分かりますが。
 しかし、リアルの女性とお付き合いをするとなると、その点がネックになるのも良く分かったでしょう?先ほどの実地体験で。
 新米ナースとはいえ、アクアマリン姫のことを――服装事情から、その日の気分まで――考えたデートをしなくてはならないのです。『他人の考えていることは分からない』と色々な雑誌とかにも書いてありますが、人間として尊重している人の場合、良く観察していたら分かると思います」
 香川教授と共著の原稿の校正作業を手伝った――というより手伝わされたという方がより正確だったが――その時に田中先生がふと漏らした言葉が脳裏に甦った。
 何でも、新聞記事のような事実は教授が書いていて、時間の関係上、それほど教授も暇ではないので香川教授の心情部分は田中先生の受け持ちだったらしい。
 二人が親しいのは病院の掃除の小母さんだって知っているほどだったが、それでも田中先生が教授の心情を見てきたように書いていた。
 それも想像力の賜物なのだろうな……と思ってしまう。
 田中先生と香川教授は上司と部下でしかないのに、あそこまで教授の気持ちを理解出来ているんだと感心しながら原稿を読んだ。
 アクアマリン姫とはそこまで親しくないが、田中先生の優れた観察力とか洞察力で彼女のことは分かっている部分が絶対に多い。
 だとしたら。

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