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香川外科の愉快な仲間たち

こうやまみか

久米先生編 「夏事件」の後 1

「少し休憩をしましょう。いやぁ、初デートの具体的な行動までをこんなに綿密に練習を重ねるのは初めての経験ですね。
 大学生や若い男性向けの情報誌とかそういう雑誌は読まないのですか?」
 救急救命室の凪の時間に、病院一のモテ度を誇る田中先生が呆れたように言った。
 それというのも、彼女いない歴=年齢だったオレに、ひょんなことから物凄い美人が憎からず思っているという情報をキャッチした田中先生が「あの」井藤事件のほとぼりが冷めたのを見計らって脳外科の新人ナースを紹介してくれるのだから「マジ、ネ申!」だ
 ただ、オレが提出したデートプラン――お店だけを提出したのだが、いつの間にかタイムスケジュールまで――田中・柏木両先生に何回もダメ出しを食らっている。
 岡田さんという脳外科の花との呼び名も高い――江戸時代とかだったら「なんとか小町」とか呼ばれそうな綺麗で清楚な感じなのが堪らない。オレがこんなことを望むのは贅沢だと思ってはいるものの、もう少し胸が大きい方が良いかな……と思ってしまう。女の人はブラのサイズはEが普通でF以上が望ましい――美人さんとのデートが上手くいきますようにと田中先生に泣き付いた結果の深夜レッスンだ。
「少しお腹が空きましたね。セブイレのおでんを希望します。私は大根と卵、そして糸こんにゃく、ああ、こんにゃくです。授業料として久米先生のお支払いということで。柏木先生は?」
 バシリに行かされることは慣れていたし、もしかしたら手術の時でもこんなダメ出しの嵐は受けないかもしらない。その気分転換にちょうど良い。
 柏木先生の注文も――何でも酒のサカナになりそうな物は控えているとのことだ。それらを食べるとビールが飲みたくなるらしくて――田中先生と似たり寄ったりだったので素早くメモして足早に控室を出ることにした。普段は他のスタッフの注文も聞くところなのだけれども、今は散々繰り返した初デートのリハーサルで疲れていたし、この二人の先生は、貴重な凪の時間を――田中先生はタバコ休憩とか言ってどこかに消えていくことが多かった。ちなみにオレもどこを隠れ喫煙の場所にしているのか気になったのでこっそり後を付けたのだけれど見事に撒かれてしまって特定には至っていない――奪っているのも事実なので、控室からさっさとお使いを済ませてまた練習に付き合って貰おうと思った。
 そうしたら。

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