バトン‼︎

菊 椿

入学式の朝

 今、高校へ向かっている。道端では桜が満開で新入生がぞろぞろと歩いてる。
 僕も、その新入生の一人。今日から僕は高校生、心の中ではワクワクよりも、緊張の方が大きい。
「おはよう、鈴也」
 幼馴染の皐月が僕に声をかけてきた。
「おはよう、」
「そういえばさ、鈴也は高校で部活する?」
「どうかな?」
 僕は皐月の質問に疑問系で答えた。すると、皐月はニコリと笑いこう言った。
「だったらさ、一緒に陸上部の体験行かない?」
 皐月が予想外の事を言ってきた。
「何で?、中学ではテニス部だったのに。」
「去年のオリンピック見て、陸上やってみたいな、と思ったんだ」
 たしかに去年のオリンピックの陸上は他のスポーツより盛り上がっていた。
 でも、僕は陸上なんて興味無かったし、足もそこそこ速いぐらいだ。そんな僕に陸上は長続きするのか?。
「ま、考えてみてよ、体験だけなら良いよね」
「体験だけならな」
 皐月と話していると、あっと言う間に学校に付いていた。

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