リスタート!!〜人生やり直し計画〜
人生やり直し計画
『あの娘、いじめじゃないまでも、学校でうまく行ってなかったらしいわ』
そんな声を聞いたことを思い出した。
『何でも、事故の原因はそのことじゃないかっていう噂よ』
これは彼女の葬式の時だっただろうか。
『頼れる人が近くにいなかったのね…可哀想に』
やめろ…
『最近は、学校での人付き合いも大変らしいわね…』
やめろ!
『隣に誰かいてあげたら、違ったかもしれないわね〜』
やめてくれ!!
2016/3/3
拓哉はただアテもなくふらふらと雨の中、1人で歩いていた。
記憶の上では、有沙が亡くなったのはちょうど高校3年の頃、交差点上での事故だったそうだ。
警察は、その場の証言から疲れてふらふらと車の前に飛び出した有沙の不注意が招いた事故として処理した。
ずぶ濡れになりながら、拓哉は吸い込まれるようにあの場所を目指した。
過去に戻って、この未来を変える為に『願い石』を。
その通りに差し掛かり、拓哉は林の中へと消えていく。
その石は雨の中でも、力強く、不動で、そこにあった。しかし、いつものように美しい光はそこにはなかった。
拓哉はそれにすがりつくように手を伸ばす。
指先から石に触れても、前のようにみんなの祈りは聞こえてこない。
それでも、今の拓哉には願うことしかできなかった。
「たす…け…て…こんな…こんな未来を望んだんじゃないんだ……僕は…ただ…」
言い訳にしか聞こえない文句が、拓哉から吐き出される。
「戻してください…あの時に、もう1回!」
当然のことながら、その石はピクリとも動かない。
「助けて!助けて!!助けて!!!助けて!!!!」
悲痛な叫びのみが辺りに響く。
「どうして…こんな目に遭わなくちゃいけないんだ…僕はただ…」
その日、それ以上拓哉が動くことはなかった。
2016/3/4
次の朝、拓哉は目を覚ますと林の中にいた。
服は濡れたまま、身体は願い石に寄りかかっている状態だった。
おそらく、昨日あのままここで力尽きたのだろう。
身体を起こそうとすると酷く身体が重くて、中々起き上がれない。それでも、強引に身体を起こすと目の前の風景がグラついた。
身体中が寒く、小刻みに震えていた。
にも関わらず、拓哉の頭の中では1つのことしか考えていなかった。
(朝…てことは戻ってこれなかったのか…)
なんで?や、もう1回!という気もわかず、ふらつく身体をなんとか支えながら、林を抜ける。
何のアテもなく、もくもくと曇った天気の中、ただただその辺を歩き続けるだけだった。
気づけば、橋の上にいた。
上から、下に流れる川を見下ろしていた。
その水はドロドロと濃い緑のような濁りきった水だった。
拓哉にはそれが、自分の心のように見えて仕方なかった。人の垂れ流しによって汚染されきった川を眺めてるうちに拓哉にはある考えがうかんだ。
(ああ…やっぱりこれは夢なのかもしれない。こんなに僕1人が苦しいなんて、割に合わないよ。夢は夢でも悪夢だね……)
そして、
(夢って死んだら覚める…かな?)
次の瞬間、その身体が宙に浮いた。
汚い、汚い、汚染された水の中で、拓哉は走馬灯すら見れず、後悔ばかりが脳裏を支配していた。
深く、深く、深くへと意識が消えていく。
2016/3/6
拓哉は目を覚ますと、そこには知らない天井があった。
腕には点滴を刺され、枕の隣の机には多くの花が花瓶に飾ってあった。
「あら。目が覚めたのね。待ってて、今親御さんに連絡するから」
様子を見に来た看護師さんがその様子を見ると再び部屋を出ていくのが拓哉の目に映った。
「お…や……?」
しばらくすると看護師と共に母が病室に入ってきた。
「お母様が来てくれましたよ」
拓哉は言われるままに母に対して、視線を向ける。
が、今の拓哉にはその人は見知らぬ女性にしか映らなかった。
「拓哉。よかった…橋から落ちて、ずっと寝込んでて、本当に心配したんだから!」
母は涙ながらに拓哉を抱きしめた。
拓哉にとってはよくわからない状況であったが、それに対して、疑問に思ったり、慌てて取り乱したりもしなかった。
何か得体の知れない重いものが心の奥で重しになって、感情がうまく出てこない。何も感じない。
「夜には父さんも来れるって言ってたから」
(父さんって…誰の、こと…?)
「よかった、本当に。戻ってきてくれて。おかえり。拓哉」
(たく…や……?)
そう。拓哉は記憶を失っていた。
拓哉の中では、どんなときも同じことを問われていた。
『今見てるものは何か?
今聞いているものは何か?
今、目の前の世界は何なのか?』
それが永遠に問われ続けていた。
2016/3/9
未だ拓哉の記憶は戻らない。
加えて、びしょびしょのまま寝た上、さらに汚れた水の中へ落ちた為にひいた風邪も治らず、入院を余儀なくされていた。
周囲は様子が変だとは思いつつも記憶喪失までは気づいていなかった。
拓哉はこの日も1人、病室で寝たきりだった。
ベットの横にあるテレビをつけてはいたが、特に興味はなく、ただ何となく眺めていただけだった。
そんな時、コンコンっとドアをノックされた。
母は今日は午前中いたが、もう帰っていた。
「失礼します。拓哉、無事?目が覚めたって聞いたから、お見舞いに来たんだけど」
拓哉にとっては知らない女性、いや、今の拓哉にはこの世の全ての人を知らない訳なので、知らなくて当然なのだが。
「何よ?見事に覚えてないって顔ね…これでも、高校のクラスメイトに、随分な態度ね…」
と皮肉たっぷりに言ってみたものの、拓哉の無反応は予想外だったらしく、驚いて再び声を上げる。
「ちょっと⁉︎本当に覚えてないの?私よ私。瀬川 紘子よ。覚えてるでしょ?」
オレオレ詐欺ならぬワタシワタシ詐欺になる前にと必死に自己紹介するも、拓哉はまだ頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
「はあ…全く、何があったのか知らないけど…そんな顔しないでよ」
紘子は拓哉の方に笑いかけながら、そう言った。
拓哉の目からは一筋の涙が、こぼれていた。
それは拓哉が久しぶりに見せた感情であった。
そうとも知らない紘子は涙を流す拓哉の方に近づいていく。
訳もわからず流れる涙に驚く拓哉の頭をそっと撫でた。
「辛いことがあったのね。あんたは前から1人で悩みすぎるところがあったからね…たまには人を頼りなさい」
頭を撫でるその手からは久しく感じなかった温もりを感じた。
そのまま寝てしまったらしい拓哉は目を覚ますと机の上にりんごが切ってあった。
サランラップが皿の上からかけられていて、その上にはこんなカードが置かれていた。
『お見舞い   せっかく剥いてあげたのに寝ちゃうんだから…起きたら食べなさい      紘子』
拓哉にとっては見ず知らずの人であったにも関わらず、その優しさに癒され、拓哉に感情が戻ってきた。
暖かい気持ちで少し黄色くなったりんごを食べた。
そのりんごの味はなんだかちょっぴりしょっぱかった。
2016/3/14
その一週間後、拓哉は晴れて退院した。
記憶は未だに戻ってない。母に自分の家まで送ってもらい、何とか自宅に帰った。
「さてと…それじゃ母さん帰るからね。夕飯は作っておいたから、冷蔵庫の中のカレー温めて食べなさい」
と言い残し、母は去っていった。
その晩、寝苦しくて目を覚ました拓哉は気分転換にとマンションから出た。
行き先も決めず、ふらふらと何かに導かれるように歩く。
その時も拓哉の頭の中はあの問いでいっぱいだった。
『今見てるものは何か?
今聞いているものは何か?
今、目の前の世界は何なのか?』
そして、あの道へと差し掛かる。
今度は光ってる。あの日なくしていた光を取り戻して、林の中で。
拓哉もそれに気づく。
「ここの林、なんで光ってるんだろう?」
何気なく、でもそれはどこか確信的に、林をかき分けていくと、そこには光る石が、願い石がそこにはあった。
「不思議な石…」
なんとなしに石の表面に手を置く。
その瞬間、脳に電気が走ったような衝撃に襲われて、その場に尻餅をつく。
途端、急な頭痛が拓哉を襲う。
「ぐぅぅ……あぁぁぁ!!!」
これまでに無いような頭痛に思わずうずくまる。
そこで初めて走馬灯のように、過去の記憶がずらーっと一遍に流れ込んできた。
「あぁぁぁ!いっ…」
膨大な量の記憶が脳の中に駆け巡る。
実に合計50年近く、それも繰り返し続ける同じ時間をバラバラに3回繰り返した記憶。
そして、1番大切な時間と、それを失った記憶を。
「そう…か。全部、思い出した…」
誰にでもなくひとりでに言葉が溢れ出す。
自分に問い続けていたことの答えを見つけた。
「何も見えてなかったんだ…」
彼女の気持ちも、自分の願いも。
「何も聞こえていなかった…」
誰かの声も、自分が本当にしたいことも。
「今、目の前の世界は……現実だ…」
目が醒めた。
前も後ろも横だって見える。
ようやく、目の前に道が見えた。
夢なんて期待しない。この世界にまっすぐ向き合って前に進む。
「もう逃げない…こんな未来でも、光があった。だから、それを知らせたい人がいるから。だから…」
向き合う。
現実に、自分の気持ちに、目指す場所を。
「もう一度、僕にチャンスをください!!!」
今度こそ、途中で投げ出さない。
最後まで、やり遂げてみせる。
今度もう一度戻れたなら、人生丸ごと、やり直してみせる!!
隣にいて欲しい誰かを取り戻すために。
こんな僕でも支えてくれる人のために。
そして、何より最良の未来を望む自分のために。
「人生丸ごとやり直してみせるから!」
そんな声を聞いたことを思い出した。
『何でも、事故の原因はそのことじゃないかっていう噂よ』
これは彼女の葬式の時だっただろうか。
『頼れる人が近くにいなかったのね…可哀想に』
やめろ…
『最近は、学校での人付き合いも大変らしいわね…』
やめろ!
『隣に誰かいてあげたら、違ったかもしれないわね〜』
やめてくれ!!
2016/3/3
拓哉はただアテもなくふらふらと雨の中、1人で歩いていた。
記憶の上では、有沙が亡くなったのはちょうど高校3年の頃、交差点上での事故だったそうだ。
警察は、その場の証言から疲れてふらふらと車の前に飛び出した有沙の不注意が招いた事故として処理した。
ずぶ濡れになりながら、拓哉は吸い込まれるようにあの場所を目指した。
過去に戻って、この未来を変える為に『願い石』を。
その通りに差し掛かり、拓哉は林の中へと消えていく。
その石は雨の中でも、力強く、不動で、そこにあった。しかし、いつものように美しい光はそこにはなかった。
拓哉はそれにすがりつくように手を伸ばす。
指先から石に触れても、前のようにみんなの祈りは聞こえてこない。
それでも、今の拓哉には願うことしかできなかった。
「たす…け…て…こんな…こんな未来を望んだんじゃないんだ……僕は…ただ…」
言い訳にしか聞こえない文句が、拓哉から吐き出される。
「戻してください…あの時に、もう1回!」
当然のことながら、その石はピクリとも動かない。
「助けて!助けて!!助けて!!!助けて!!!!」
悲痛な叫びのみが辺りに響く。
「どうして…こんな目に遭わなくちゃいけないんだ…僕はただ…」
その日、それ以上拓哉が動くことはなかった。
2016/3/4
次の朝、拓哉は目を覚ますと林の中にいた。
服は濡れたまま、身体は願い石に寄りかかっている状態だった。
おそらく、昨日あのままここで力尽きたのだろう。
身体を起こそうとすると酷く身体が重くて、中々起き上がれない。それでも、強引に身体を起こすと目の前の風景がグラついた。
身体中が寒く、小刻みに震えていた。
にも関わらず、拓哉の頭の中では1つのことしか考えていなかった。
(朝…てことは戻ってこれなかったのか…)
なんで?や、もう1回!という気もわかず、ふらつく身体をなんとか支えながら、林を抜ける。
何のアテもなく、もくもくと曇った天気の中、ただただその辺を歩き続けるだけだった。
気づけば、橋の上にいた。
上から、下に流れる川を見下ろしていた。
その水はドロドロと濃い緑のような濁りきった水だった。
拓哉にはそれが、自分の心のように見えて仕方なかった。人の垂れ流しによって汚染されきった川を眺めてるうちに拓哉にはある考えがうかんだ。
(ああ…やっぱりこれは夢なのかもしれない。こんなに僕1人が苦しいなんて、割に合わないよ。夢は夢でも悪夢だね……)
そして、
(夢って死んだら覚める…かな?)
次の瞬間、その身体が宙に浮いた。
汚い、汚い、汚染された水の中で、拓哉は走馬灯すら見れず、後悔ばかりが脳裏を支配していた。
深く、深く、深くへと意識が消えていく。
2016/3/6
拓哉は目を覚ますと、そこには知らない天井があった。
腕には点滴を刺され、枕の隣の机には多くの花が花瓶に飾ってあった。
「あら。目が覚めたのね。待ってて、今親御さんに連絡するから」
様子を見に来た看護師さんがその様子を見ると再び部屋を出ていくのが拓哉の目に映った。
「お…や……?」
しばらくすると看護師と共に母が病室に入ってきた。
「お母様が来てくれましたよ」
拓哉は言われるままに母に対して、視線を向ける。
が、今の拓哉にはその人は見知らぬ女性にしか映らなかった。
「拓哉。よかった…橋から落ちて、ずっと寝込んでて、本当に心配したんだから!」
母は涙ながらに拓哉を抱きしめた。
拓哉にとってはよくわからない状況であったが、それに対して、疑問に思ったり、慌てて取り乱したりもしなかった。
何か得体の知れない重いものが心の奥で重しになって、感情がうまく出てこない。何も感じない。
「夜には父さんも来れるって言ってたから」
(父さんって…誰の、こと…?)
「よかった、本当に。戻ってきてくれて。おかえり。拓哉」
(たく…や……?)
そう。拓哉は記憶を失っていた。
拓哉の中では、どんなときも同じことを問われていた。
『今見てるものは何か?
今聞いているものは何か?
今、目の前の世界は何なのか?』
それが永遠に問われ続けていた。
2016/3/9
未だ拓哉の記憶は戻らない。
加えて、びしょびしょのまま寝た上、さらに汚れた水の中へ落ちた為にひいた風邪も治らず、入院を余儀なくされていた。
周囲は様子が変だとは思いつつも記憶喪失までは気づいていなかった。
拓哉はこの日も1人、病室で寝たきりだった。
ベットの横にあるテレビをつけてはいたが、特に興味はなく、ただ何となく眺めていただけだった。
そんな時、コンコンっとドアをノックされた。
母は今日は午前中いたが、もう帰っていた。
「失礼します。拓哉、無事?目が覚めたって聞いたから、お見舞いに来たんだけど」
拓哉にとっては知らない女性、いや、今の拓哉にはこの世の全ての人を知らない訳なので、知らなくて当然なのだが。
「何よ?見事に覚えてないって顔ね…これでも、高校のクラスメイトに、随分な態度ね…」
と皮肉たっぷりに言ってみたものの、拓哉の無反応は予想外だったらしく、驚いて再び声を上げる。
「ちょっと⁉︎本当に覚えてないの?私よ私。瀬川 紘子よ。覚えてるでしょ?」
オレオレ詐欺ならぬワタシワタシ詐欺になる前にと必死に自己紹介するも、拓哉はまだ頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
「はあ…全く、何があったのか知らないけど…そんな顔しないでよ」
紘子は拓哉の方に笑いかけながら、そう言った。
拓哉の目からは一筋の涙が、こぼれていた。
それは拓哉が久しぶりに見せた感情であった。
そうとも知らない紘子は涙を流す拓哉の方に近づいていく。
訳もわからず流れる涙に驚く拓哉の頭をそっと撫でた。
「辛いことがあったのね。あんたは前から1人で悩みすぎるところがあったからね…たまには人を頼りなさい」
頭を撫でるその手からは久しく感じなかった温もりを感じた。
そのまま寝てしまったらしい拓哉は目を覚ますと机の上にりんごが切ってあった。
サランラップが皿の上からかけられていて、その上にはこんなカードが置かれていた。
『お見舞い   せっかく剥いてあげたのに寝ちゃうんだから…起きたら食べなさい      紘子』
拓哉にとっては見ず知らずの人であったにも関わらず、その優しさに癒され、拓哉に感情が戻ってきた。
暖かい気持ちで少し黄色くなったりんごを食べた。
そのりんごの味はなんだかちょっぴりしょっぱかった。
2016/3/14
その一週間後、拓哉は晴れて退院した。
記憶は未だに戻ってない。母に自分の家まで送ってもらい、何とか自宅に帰った。
「さてと…それじゃ母さん帰るからね。夕飯は作っておいたから、冷蔵庫の中のカレー温めて食べなさい」
と言い残し、母は去っていった。
その晩、寝苦しくて目を覚ました拓哉は気分転換にとマンションから出た。
行き先も決めず、ふらふらと何かに導かれるように歩く。
その時も拓哉の頭の中はあの問いでいっぱいだった。
『今見てるものは何か?
今聞いているものは何か?
今、目の前の世界は何なのか?』
そして、あの道へと差し掛かる。
今度は光ってる。あの日なくしていた光を取り戻して、林の中で。
拓哉もそれに気づく。
「ここの林、なんで光ってるんだろう?」
何気なく、でもそれはどこか確信的に、林をかき分けていくと、そこには光る石が、願い石がそこにはあった。
「不思議な石…」
なんとなしに石の表面に手を置く。
その瞬間、脳に電気が走ったような衝撃に襲われて、その場に尻餅をつく。
途端、急な頭痛が拓哉を襲う。
「ぐぅぅ……あぁぁぁ!!!」
これまでに無いような頭痛に思わずうずくまる。
そこで初めて走馬灯のように、過去の記憶がずらーっと一遍に流れ込んできた。
「あぁぁぁ!いっ…」
膨大な量の記憶が脳の中に駆け巡る。
実に合計50年近く、それも繰り返し続ける同じ時間をバラバラに3回繰り返した記憶。
そして、1番大切な時間と、それを失った記憶を。
「そう…か。全部、思い出した…」
誰にでもなくひとりでに言葉が溢れ出す。
自分に問い続けていたことの答えを見つけた。
「何も見えてなかったんだ…」
彼女の気持ちも、自分の願いも。
「何も聞こえていなかった…」
誰かの声も、自分が本当にしたいことも。
「今、目の前の世界は……現実だ…」
目が醒めた。
前も後ろも横だって見える。
ようやく、目の前に道が見えた。
夢なんて期待しない。この世界にまっすぐ向き合って前に進む。
「もう逃げない…こんな未来でも、光があった。だから、それを知らせたい人がいるから。だから…」
向き合う。
現実に、自分の気持ちに、目指す場所を。
「もう一度、僕にチャンスをください!!!」
今度こそ、途中で投げ出さない。
最後まで、やり遂げてみせる。
今度もう一度戻れたなら、人生丸ごと、やり直してみせる!!
隣にいて欲しい誰かを取り戻すために。
こんな僕でも支えてくれる人のために。
そして、何より最良の未来を望む自分のために。
「人生丸ごとやり直してみせるから!」
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