signal of dead

浪村

第1章 5話 湊音の装備と新たな仲間

湊音「さて、最後は俺の装備だが…」

と言って、俺が初めに取り出したのはショットガン、『レミントンM870』
レミントンM870は、1960年代中期に開発され1980年代からは民間での狩猟用としてだけではなく警察用としても採用されているショットガン。安定した性能と信頼性の高さが評価されている。現在はモスバーグM500やイサカM37・ウィンチェスターM1300などと並び、ポンプアクション式ショットガンの定番として幅広い用途で使われ続けている物だ

次に取り出したのはハンドガン、『グロック18C』
グロック18Cは形はハンドガンなのだが、「世界最小のマシンガン」の異名を持つ代物。理由は実に簡潔。世界で初の毎分1200発のフルオートを実現。グロック18C専用に開発されたブローバックエンジンを搭載し、ハイスピードのフルストロークを兼ね備えた物だ

湊音「この2人が俺の相棒だ」

俺が言い終えたところで、ピーポーン!という音が店内に鳴り響いた。店の出入口を誰かがくぐったのだ

湊音「!!」

斗哉「誰だ?」

魁人「生存者?それとも…」

無意識の内に斗哉と魁人は商品棚を背にして隠れ、俺がレミントンを構えて様子を見に行く

湊音「手を上げろ!………え?」

そこに居たのは自分と同い年くらいの女子2人。驚いた様子で、俺が言った通りに手を上げている

斗哉「ん?」

魁人「誰だ?」

俺の拍子抜けした声に気付いてか、斗哉と魁人が出てきた

少女A「ゾンビ…じゃないよね?」

少女B「3人もいる?」
 
斗哉「びっくりした…生存者か…」

斗哉が胸を撫で下ろす

湊音「君達、名前と年齢は?」

2人の声色を聞いてだいたいの年齢を感じ取り、俺がフランクに聞く

少女A「えーと…松浦乃亜まつうら のあです。17よ」

少女B「佐見田果萌さみた かほです。年齢は乃亜と同じ17ー!」

なんと、店に入ってきた2人は俺達と同い年の生存者だった

湊音「じゃあ…乃亜、果萌。お前ら、装備はないの?」

乃亜「装備…あ、そう言えば何も持ってないや」

果萌「装備…?」

湊音「よし、じゃあ俺が勝手に選んで…」

乃亜「待って、私が選ぶ。こう見えて、エアガンの事は少しわかるの」

湊音「そっか…じゃあ、果萌の分も任せる」

乃亜が銃を選び始めた

10分後…

乃亜「これでいっか」

乃亜が自分用にまず取り出したのはミニガン、『M134』
M134はアメリカ陸軍の形式名称で、アメリカ空軍ではGAU-2B/A、アメリカ海軍ではGAU-17/Aと呼ばれている。M61 バルカンシリーズと同様に6本の銃身を持つ電動式ガトリングガンであり、毎分2,000 - 4,000発という単銃身機関銃をはるかに超える発射速度を持つ。初期は毎分6,000発だったが、あまりにも速すぎて弾薬の消費が激しいうえに作動不良が多発するため、発射速度が下げられた(当初はディロン社で生産されているM134Dが対応し、GE製がこれに倣った)。ベルトリンクに見える部分は給弾ベルトで、この中を通って弾丸が送弾される物

次に取り出したのはハンドガン、『ワルサーP38』
実銃のワルサーP38はドイツ、ワルサー社が開発した9mm×19パラベラム弾を使用する軍用のオートマチックピストルだ。当時としては先進的なダブルアクション機構(ハンマーが落ちた状態でもトリガーを引くとハンマーコックされ撃発できるメカニズム)を採用している
ワルサーP38は、あのモンキー・パンチ原作の「ルパン三世」でルパンが使っていた物と全くの同モデル。1938年にそれまでのルガーP08に代わりドイツ軍に制式採用された。1938年というとドイツがオーストリアを併合し、今まさに第二次世界大戦が始まろうとしている時代
マルゼンはこのP38のモデルバリエーションの中でもAC41と呼ばれる1941年に製造されたものをモデルアップした。1941年はナチスドイツが独ソ不可侵条約を破りバルバロッサ作戦を発動、ソ連に侵攻した年でもある。また同年12月には太平洋戦争が勃発、日本も戦争の渦中にある激動の時代
ワルサーP38は第二次世界大戦終戦の1945年までに120万丁以上が製造され、東西分裂した戦後も西ドイツ軍にP1として1950年に制式採用された。その後、1995年にH&K P8(USP)が制式採用となるまでの長きに渡り使用され続けた代物だ

乃亜「この2つが私の装備っと!それから…」

果萌の分も乃亜が選んだ

乃亜「よし!果萌はこれがいいかな」

そう言ってまず取り出したのはサブマシンガン、『TEC-9』。TEC-9は、イントラテック社がアメリカで発売した自動拳銃で、同社の前身であるスウェーデンの銃器メーカー・インターダイナミック社(InterdynamicAB)が設計した軍用短機関銃「MP-9」を祖とする。本体には射出整形ポリマーの部品が多く使われており、銃口には軍用としての名残であるサイレンサーなどを装着できるネジが切られている
MP-9自体は不採用に終わって生産されることもなかったが、本銃の設計を棄てきれなかったインターダイナミック社は、アメリカ向けの民間ピストルとしての活路に賭けた。アメリカに子会社を設け、銃器デザイナーのジョージ・チェルグレンに再設計を依頼し、セミオートマチックオンリーの「KG-9」として生まれ変わらせたのである
当初発売されたKG-9は、元となった短機関銃そのままのオープンボルト方式で精度は悪かったが、それゆえに安価で、フルオートへの改造が容易だった。そのため、ギャング団のドライブバイシューティングや麻薬組織の武器など、凶悪犯罪で頻繁に使用されることとなってしまい、インターダイナミック社はアメリカ政府からの勧告を受けることとなる
そこでインターダイナミック社はイントラテック社へと社名を変え、フルオート改造が不可能なようにクローズドボルトで再設計した「KG-99」を開発。これを「TEC-9」として発売したが、1989年のカリフォルニア攻撃武器規制でTEC-9の販売と名前の使用が禁じられた為、「TEC-DC9」と改名してこれを回避する
しかし、同銃はその安価さから犯罪者の使用が後をたたず、1994年に成立したAWB(連邦攻撃武器規制法)によってTEC-DC9という銃自体の製造販売が禁止されてしまう。AWBの制定も、1993年に起きたサンフランシスコ弁護士事務所乱射事件でTEC-DC9が使用されたことが契機となったのだから、いわば自らの首を絞めた格好になってしまったのである
その後、イントラテック社は銃身の短縮などの改造を行なうことでより拳銃らしくしたAB-10(写真)を発売するが、業績は振るわず倒産に追い込まれることとなった
なお、1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件で犯人の少年二名のうち一人はAB-10を使用していた。とうとう最後まで『犯罪がらみ』の汚名を払拭しきれなかった、不運な銃である

次に出したのはショットガン、『ベネリM3』。イナーシャーシステムと呼ばれる反動を利用した特殊なセミオートマチック機構(通常のセミオートライフルでいうディレードブローバック機構)を持ち、これまでのオートマチックショットガンの弱点とされた連射速度の遅さを克服している。その上、フランキ社のスパス12と同じく状況に応じてポンプアクション射撃もできるため、スパス12を上回る速射性に加え、スパス12と比べて1キロ近く軽量で、また、従来のショットガンとなんら変わらないフォルムによる取り回しの良さを持っている。しかし、この作動方式は構造こそシンプルだが、威力の異なる様々な弾薬に対応しづらく、銃本体を余りにもしっかり保持して銃を固定する様な形にしてしまうと反動を吸収せず、作動不良を起こしかねないショートリコイル方式の弱点も抱えている
ただし、セミオートマチック専用であった前世代の機種に比べると、セミ・ポンプ切り替え機構による重量増が先端部に集中しており、若干重量バランスは悪くなったとも言われている
ストック付きのピストルグリップモデルやクロムステンレスモデルなどのバリエーションモデルも存在する
その完成度の高さから米国の警察機関を始め、世界中のSWATチームが採用しており、日本国内でも、若年層の所持者を中心に狩猟用、スラッグ弾による静的射撃用として相当数が流通している。軍用銃がそのまま手に入るのは希な事である。また、海上自衛隊もピストルグリップ・折り畳み銃床型のM3Tを採用しており、各護衛艦に搭載している

果萌「この2つがウチの装備…らしい!」

湊音「よし!じゃあ装備も揃えたし、外に出てみるか」

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