エラーコード 転生に失敗しました

みらいお

EC10:ペンダント

村へ戻ると
皆が待っていた
心配してくれていたが、無事に戻ってきた2人を見て安堵しているのがわかる
ピグが声を張った


「ゴブリンは倒した
もう大丈夫だー」


その言葉に歓喜と労い、感謝の声が上がる
そして篠崎もピグの言葉に反応した


「その言い方
お前が倒したみたいに聞こえるけど」


「村の戦士として逃げずに村を守ったんだ
それに嘘は言ってないだろ」


「あぁ勇敢だった
まぁ倒したのは俺だけどな」


「分かってるよ
しつこいやつだな」


その後
村人たちに経緯を説明すると
ピリムから改めて感謝の言葉をもらった
そしてゴブリンにやられ
村へ危険を知らせにきたピーターも
直ぐに手当てを受け
今は安静にしていることも聞いた


そして
ゴブリンの心配もなくなったので
明日、この村を出る事をピリムに伝えた


「ピリム、俺は明日この村を発つよ
今まで世話になった
本当にありがとう」


「そうですか
数日とは言え私どもも大変お世話になりました
こちらこそ本当にありがとうございました」


「こっちの世界に来て
右も左も分からなかった俺に
色々と教えてもらえたのはスゲー助かったよ
教えてもらった魔煌のコントロールで
この村の危機を救えたんだ
役に立ててよかったよ」


「そう言っていただけると恐縮ですな
寂しくなりますがこの村を救ったヒーローの門出です
今晩は皆で宴といきましょうな」


そういうとピリムは立ち上がり
村人たちへ篠崎が明日発つ事と今晩は門出祝いをする旨を伝えに行った


それはめでたい
急いで支度に取りかからないと
と皆が準備を始めてくれた


途中篠崎も手伝いを申し出るが
大事な客人の門出だ
俺たちに出来るのはこのくらいだ
宴まで休んでてくれ
と一蹴された








時は夕暮れ
空は明るいオレンジ色だが
林の中の村は木々の影でそれほど明るくはなかった
宴が始まった


ライトピクシーたちは
1人ずつ篠崎に言葉を送った
最初は怖かったと笑いを誘うもの
ただ感謝の意を伝えるもの
今後も元気にとげきをくれるもの
篠崎は少し寂しい気持ちになっていた


一通り言葉をもらい終えると
ピグとピーチ、そしてピリムがやってきた
ピグが口を開く


「やっとみんなが居なくなった
ずーっと待ってたんだ」


「ありがと
俺もピグにはもう一度礼がしたかったんだ
お前は俺がこの世界で1番初めに出会ったやつだ
それに魔煌のコントロールも教えてくれた
改めてありがとう」


「気にするな」


明らかに照れているのがわかる
続けてピグは


「あのゴブリンナイトを倒した技
あれなんていう技名なんだ?」


あの時あの場所で初めてやった技だ
当然技名など考えてもいなかったのだが
思い付きで適当にいう篠崎


「魔煌ブレードさ」


「かっこいいなそれ
今の僕じゃあ魔煌が足りなくてあんな立派なものは作れないけど
鍛錬を続けて僕もいつか魔煌ブレードを作れるようになるんだ
みんなを守れるより強い戦士になるんだ」


「頑張れよピグ
そういえばさずっと聞きたかったんだけど
ゴブリンナイトってのはなんなんだ?
他のゴブリンよりめちゃくちゃでかくてびびったよ」


軽く笑いが起きる
ピリムが説明する


「ゴブリンの中から稀に出てくる希少種
故に強く、集落を率たり導いたりする事が多いのです
しかしゴブリンナイトを一撃とは流石としか言いようがありませんな」


ピーチが何やらモゾモゾしている


「さっきから下向いてどうしたんだピーチ」


「………たの」


「え?」
篠崎が聞き直す


「これ、私が作ったの」


それは花びらを魔煌の結晶に閉じ込めたペンダントだった


「へぇー綺麗だなぁ
どうやって作るんだ?」


「それあなたにあげる
旅が良いものになるように
それからあなたを守るように
と祈りを込めて作ったの」


「まじ?
嬉しいなぁ
ありがとう!
俺、女の子からプレゼントなんて母ちゃん以外からもらったの初めてだ
大事にする!」


そう言って直ぐに首にかけた


ピーチはものすごく嬉しそうな顔で喜んでいた
それを見てピグが嫉妬していた


そうして宴は最後まで盛り上がり終わりを迎えた






次の朝
村人全員が篠崎を見送りにと集まってきた


「よっし
そんじゃみんな行くわ
本当に色々とありがとう
ピーチ、昼飯あとでいただくよありがとう」


ペンダントの先をつまみ上げながらピーチに礼を言った


「元気でなー」

「また機会があれば遊びにきてねー」

「ありがとー」

「またねー」


多くの見送りの言葉を背に受け
篠村は東の方角へ歩き出した
目指すは人間の街フランディーゼル

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