エラーコード 転生に失敗しました

みらいお

EC7:疑念そして目的

いつの間にかライトピクシー達に囲まれ、みんな真剣にしかし心配したような顔で俺の話を聞いてくれていたのがんかった
倒れていたピグもいたので、話を聞いてくれていたようだ


説明を終えピリムが口を開く


「どうも私たちは田舎物いなかものゆえ
世間の事情には疎いようですな
あなた様が言っておられたアナザーという言葉ですが
私は初めて聞きました
ヒューマンの方々はここをそう呼ばれているのかもしれませんが
普段あまりヒューマンの方と関わりがないのです
私たちのいるここはドランダルド王国と呼ばれております」


認識の違いなのかスッキリしない回答を得ることになった
ピリムの話をまとめるとこうだ


(アナザーが世界そのものの名前なのか、国の名前なのかは不明だか)
アナザーとは俺たち人間が勝手に呼んでいただけの可能性があり、ここの正式な地名はドランダルド王国だという事


そしてドランダルド王国は現国王で8代目で200年以上の歴史をもつ事


転移に関してはよく分からないらしく
もしや召喚魔法の類ではないかとのことだ


ここで一つの疑念が生まれた

アナザーというものが元の世界で認知されてきたのが、せいぜいここ5年以内
どんなに昔からアナザーを作ってきたのかは分からないが、200年以上も前から作り始めているとは到底思えない
というものだ


んー考えても分からないなぁ
よし、とりあえずこの世界でやる事は見つかったかな


俺は心の中で思った


この世界で人間(アナザーについて知る者)に会ってみよう


「色々と教えてくれて助かるよ
まぁ自己解決してない事の方が多いけど
それでも分かった事もあるし助かったよ
ありがとう」


「そんな恐れ多い
あなた様がいなければ今頃はピーチだけではなく、この村がゴブリンによって崩壊させられていたかもしれないのです
私どもにお礼なぞやめていただきたい」


「そういえばあのゴブリン
仲間を連れてくるとか捨て台詞を吐いていたな…
ピリムさんしばらくこの村に滞在してもいいですか?」


ピリムがもちろんでございます
と言い切る前にピグが遮った


「みんなは口に出さないけど怖く感じるって事を忘れるな
まずは魔煌をコントロールする練習をする」


そう言われて、ピグも出会った時怯えていたのを思い出した
他のライトピクシー達にとって怖い対象はゴブリンであり、篠崎は怖いけど村を救ってくれたヒーローかの様に写っているのだろう


「わかった
よろしく頼むよ、ピグ」


そういうとピグは少し歩き出した
そして俺の方へ一度振り返り
村の外、ピグと出会った方向を指差し
俺と一瞬目が合うのを確認すると
再び歩き出した
ついてこいっていう意味だとすぐにわかったので、ピグの元へ急いだ


「なぁピグ
魔物っていうのはお前たちみたいに
魔煌を感じ取れるものなのか?」


「魔物によって様々だ
僕たちライトピクシーやその上位種族のピクシー、ハイピクシーはもちろん感じる事ができる
逆にさっきのゴブリンみたいなのは魔煌を感じられない
まぁ感じられない種族でも稀にいる突然変異種ミュータントなら感じられるっていうのはあると思うけど」


「なるぼどなぁ
極力戦闘を避けるためにも魔煌のコントロールは出来た方がいいってわけだな」


「そういう事だな」


そうこうしているうちに練習場所にたどり着いたようだ
ピグと出会った場所より少し村から離れている場所
林の中の木々を一部伐採し、ちょっとだけ広場のようになっているところだった
着くと早速ピグが言った


「よし、まずは魔煌とはどんな物なのか見てもらおう
僕を見ててくれ」


ピグは一旦目を閉じた
そして目を開いた


「どうだ?
俺の周りに何か見えないか?」


そう言われても何も見えなかった


「ん?何も見えないけど…」


「集中して
周りは見ないで僕だけを見るようにしてみて」


「わかった」


「返事はしなくていい
その分集中するんだ

そうその調子
そのまま色んな音を聞いて
風の音、葉の揺れる音、遠くの川の音
とにかく集中するんだよ」


集中を始めて数分が経過した頃だろうか
ピグの周りがモヤモヤしているように見えた
心の中でこれが魔煌か?
と思った時ピグが声をかけた

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