ソシャゲの相棒(♂)は異世界転移したら美少女だった!?

雨夜☆ドリー

〜第一章〜 師弟システムを使いましょう!【二】

 今日の授業が終わり、僕は鞄に教科書は入れる。
 家に帰ったら、すずめと桜とEIを一緒にやる約束なのだ。

 僕は教室を出ると、すずめを迎えにいく。
 すずめはやる事がいちいち遅いので、急かさないといけない。
 部活をしてないのだから、直ぐに帰ればいいのに、すずめときたら、教室でぼーっとしてたりする。

 すずめのクラスに着くと、案の定、教科書もしまわず机に出しっぱなしの状態で、窓の外の景色を見ていた。
 「すずめっ!帰るぞ」
 「あっ!涼ちゃん」
 「はいはい、教科書、鞄にしまって。急いで、急いで」
 僕は口では、そう言いながらも教科書を鞄にしまい、すずめを立たせる。
 「よし!準備完了、帰るぞ、すずめ」
 「はぁ~い」
 すずめは返事をしながらだぶだぶカーディガンの袖から、ちょこんと出た右手で敬礼をした。
 
 僕はもうすずめとは長いこと一緒にいるから、もう何とも思わないけれど、たぶんそれなりに可愛いし、胸も大きいし、男子ウケも良いはずだ。
 まぁこの性格が全てを台無しにしてるとは思うけど…。
 

 帰り道…
 駅前を通る時に僕は桜との約束を思い出した。

 「すずめ、ちょっとごめん。ケーキ屋さんに寄ってもいい?」
 「うん、あれ?でも誰か誕生日だったけー?」
 付き合いが長いとお互いの家族の情報などほぼ筒抜けだ。
隣近所の幼馴染怖し!

 「そうじゃないんだよ…実はさ~」
 僕は自転車を止め、すずめに桜との出来事を話ながら店内に入った。
 

 「なるほど、なるほど!では、涼ちゃん、すずめもご馳走になります」
 「え!!」
 「うーん、だよな、なるよなー!なるよねー」
僕は慌ててお財布の中身を確認する。

 「へへっ わたしフランボワーズケーキがいいであります!」
 こういう所は抜け目ないんだから…。
 
 チーズケーキ二つとフランボワーズケーキ二つを買い家路に急ぐ。
 
 家に着くと、
 「じゃあ、涼ちゃんまた後でね」
 「おう!寝るなよ」
 「がんばるっ!」
 「寝ないし!とかじゃないのね…」
 そんなやり取りをしながら玄関のドアを開ける。

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