ソシャゲの相棒(♂)は異世界転移したら美少女だった!?

雨夜☆ドリー

~第一章~ ソシャゲを始めませんか?【二】

 大輔がいる教室を抜けた僕は廊下を小走りで、ある場所に向かう。

 二人目の友達、井村 守いむら まもるが在籍する部活、アニメーション研究会、通称アニ研の部室だ。
 入学当初、守に一緒に入らないかと誘われた部活だ。
 僕もそうだけど、守はいわゆるアニオタだ。
 守のアニメに対する情熱を中等部の頃から知っている僕は、僕なんかまだまだにわかファンだなと、痛感して勧誘を断ってしまった経緯がある。
 それでも昔の様に変わらず僕と付き合ってくれる守には感謝していたりする。

 
 三階の一番奥の部室にたどり着くと、僕はノックして扉を開ける。
 「失礼します、一年の井村君いますか?」
 「よう、涼じゃないか、どうした?」
 奥にパソコンが並んでる一番奥から守が顔を出す。
 さすがに部室の中に入ってEIの話は出来るはずも無く、僕は守を手招きする。
 廊下に出て来た守は、
 「あ、そうか今日だっけ?ソシャゲの勧誘受ける話って」
 「お!覚えてくれてたのか、悪いな守」
 「だろ!って涼の顔を見て思い出したんだけどな」
 笑いながらそう答える守を僕は見て僕も笑う。
 「じゃあ、サクッと済ませちゃおうぜ」
 そう言うと守はスマホを取り出す。
 「エターナル アイズでいいんだよな?」
 「あぁ、頼む」
 「これってレベル幾つまで上げたら報酬貰えるんだ?」
 話が早くて助かる友人である。
 Lv30まで上げて貰えれば大丈夫だと伝える僕。
 「おし、インスト終了。キャラネームか…んー、カヴァルだな」
 「カヴァル?」
 「おぅ!マイナーの中でもマイナーなアニメのキャラネームだぜ」
 「知らんけど」
 「だろうな」
 またお互い顔を見て笑い出す。
 「職業ジョブか…涼、玄人向けの職業ジョブってなに?」
 「んー、そうだなー、アーチャーだな」
 「アーチャー?弓使いか?どんな感じ?」
 「簡単に説明すると、とにかく器用貧乏だな。火力特化にすることも出来るし、防御を上げれば回復魔法も少しは使えるようになるし。でもとりあえず攻撃と魔法攻撃のバランスが大切な職業だよ。これがバランス悪いと火力が出ないし…。玄人職業ジョブ投票したら、まず最上位確定の玄人職だよ。」
 「おー、マゾいな、それ」
 「だろ。好きだろそう言うの」
 笑いながら分かってるな、お前みたいな顔で僕を見る。
 「よし、登録完了、あとは招待コードだな」
 僕は守に自分の招待コードを教える。
 「じゃあ、帰ったら育てるわ、特典楽しみにしておきな」
 「部活中悪いな、守ありがと」

 僕は守に挨拶をして、足早に次の勧誘に向かう。

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