転生したら魔法に関してはチートだったので世界最強の魔導師を目指します

くろねこ

俺、転生しました

赤い日に照らされながらの帰路。
住宅街の曲がり角で人とぶつかった。

「あの……す……っ!?」

謝罪しようと口を開いたが、どうにも呂律が回らず、なによりも横腹に強い熱を感じる。

「な…そ……ん…」

俺の横腹に刃物が刺さっていた。
舌を動かそうにも頭が回らない。
意識が遠のいていくのがわかる。
この時、初めて実感した。
自分は死ぬのだと。
走馬灯が見えるのかと思えば、なにも浮かんでこない。
意識が薄れていく。最終的に俺の意識は途絶えた。


『死亡者──個体名、如月 龍翔きさらぎ りゅうとを第58世界から第235世界に転生させます。世界名、クロノクイル』

暗い空間の中、声が響く。

『スキル、ランダム。ステータスはレベルと連携します。その他、レベル、装備、保有アイテム、ランダム。世界基本知識完備』

ランダムを連呼する声に、若干の苛立ちを覚える。

『転生準備が完了しました。これより実行に切り替えます。───完了しました』

暗い空間が一瞬にして白い光に蹂躙される。

「ん、んん……」

自然と目を開く。
開いた先に広がっていたのは草原。
辺りを見渡しても同じ光景だ。
そよ風に靡く草原は、幻想的なものを作りだしていた。

「それにしても、俺って死んだはずじゃ…」

刃物で横腹を刺されていた体も傷一つないし、なにより服装も変わっている。
体に支障は感じられない。ふと、学校帰り、本屋に寄った時のある1冊を思い浮かべた。

【転生勇者がこの世に参ります】

だっただろうか。
本自体はどうでもいい。
問題は、この題名だ。
「転生」、頭に響いていた声も同じことを言っていた。
現状から判断しても、俺は転生…したことで間違いないだろう。

「オープン」

自然と声が漏れる。俺がオープンと唱えたと同時に、目の前に自分の#能力__ステータス__#らしきものが現れた。





キサラギ リュウト Lv5238

称号:〔魔導賢者〕〔魔導神〕

体力:582340
腕力:13500
防御:13100
俊敏:38456
抵抗:20000
魔攻:99999
魔防:99999
魔力:999999

スキル:【鑑定】【魔導の極】【無詠唱】





自分でも目を開いて驚く程に高い。
それもそうだ。レベルが異常なのだ。
歴代最強の勇者には劣るがそこら辺の者に遅れはとらないだろう。
なによりも驚いたのは称号であった。
魔導神とは、魔導士の中で頂点にたつ称号。
段階で表したらこうだ。

魔導師→魔導兵→魔導剣士→魔導人→魔導神

この順である。称号の魔導神をタップする。

─────────────────────
称号【魔導神】

全階級魔法を扱うことが可能。
全ての魔法の消費魔力を半分で使用可能。

《会得条件》
全階級魔法を使用。
魔法系統が最大値になること。
─────────────────────

なるほど。かなり有利な称号であるが、条件が厳しいために会得する者があまりいないって訳か。これはいいスタート切れそうだ。続いて、左にある魔導賢者をタップした。

─────────────────────
称号【魔導賢者】

対象の者に全階級魔法の2つまで譲渡可能。
なお、譲渡した魔法は以降使用可能。
使用魔法の強弱を自由に操れる。

《会得条件》
全階級魔法を全て完璧に理解。
─────────────────────

かなり強い称号だ。
信頼できる仲間できたときに使ってみるのもいいだろう。とりあえず、近くの森にでも行って力の確認でもしてこよう。

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