魔王の願望

「ああ……退屈だ」

薄暗い部屋に紫色の炎がいくつも灯っていた。
静寂な空間に高く綺麗であって冷たい声が響く。

「私より強い者はいないのか……」

ありふれた言葉。
ただ、この女性が言うことは本当であった。
幾多の戦いに無傷で生還したこの女性。
隣に控えていた髭を生やした男が口を開く。

「それは叶わぬ願いかと。貴女様を超える者など現れないでしょう。魔王様」

「……そんなものなのか…」

そんな言葉を受けた魔王であったが、嬉々とした声、ではなく、心底残念そうに声を放った。

「私より強い者の子供を宿してみたいものだな…」

叶わぬ夢だとはわかっていた。
しかし、知性を持つものは誰しも夢を持つものだ。
魔王もそうであった。
自分より強い存在が欲しい。
その間に産まれた子供は必ず強くなるだろう。
人間でないにしろ、妻と言う存在には憧れを持っていた。

「はあ……私に攻撃できる者はいないのか…」

シーフォニア・シャルロット Lv８５００

称号：〔魔王〕〔殺戮〕

体力：５０８６３５
腕力：４５８００
防御：５６９００
俊敏：６５２３８
抵抗：４００００
魔攻：８５２３７
魔防：７５３９６
魔力：７５０８６４

スキル：【毒耐性】【死者操作】【十八階級魔法】
【自己再生】【終期の獄炎】【鑑定】【聖耐性】

夢とは儚いものだ。

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