乙ゲーから転生した悪役令嬢は何気に女子高生を満喫しています。
17
「はい!五個目の数字はOの74だよー!みんな少しずつ空いてきたかなー?」
「ビンゴになったぞ。」
気に食わない声が聞こえる。やたらと目立つ長身の桃髪は俺の天敵の中でも二番目にやっかいなやつだ。
「おやおやビンゴだって?すっごい早いね!こっちのメインステージに上がってきてもらおうかな。」
そいつを知らないフリしてメインステージへ迎え入れる。それを見ていた〝儚日ちゃん〟の顔が漫画に出てくるみたいにあわわってなってる。相変わらず可愛いなあ。隣にあの男がいるのは気に食わないが、まあいつものことだ。
「ほら見ろ。しっかりとビンゴだぞ。」
強運という名にふさわしい見事な一列の穴。こいつも昔から運だけはいい。普段は並ばない生徒会と公安のトップの俺らに女子の歓声が上がる。もう、うざったいなあ。
「うん確かに。ここで一人目ビンゴ出ました!見事一等、豪華スキー場グループ二泊三日チケットゲットです!おめでとう!じゃあみんなに自己紹介してもらおっかな。」
パパっと委員から俺の別荘の優待チケットが渡され、みんなへと拍手を煽る。マイクがキーンとハウり、桜井の手へ渡った。
「…二年五組、桜井宣明だ。」
女子たちからの目線は桜井へと注がれる。普段俺たちの努力によってこいつには雑務ばかりやらせていたため、間近で見るのも珍しいのだろう。
「桜井くんどうも。おめでとう、このチケットどうやって使うつもりなんだい?」
「私は一応公安委員会の者だ。普段面倒事を頼んでいる委員の皆の慰労会でも開くつもりだ。これを当てるためにこのビンゴをした。」
「ええ!それはすごいなー!有言実行なんてかっこいいね。ぜひ委員会の皆さんで慰労会楽しんでね!それではありがとうございましたー。」
わざとらしい声に張り付けの笑顔で歓声が湧くのだから世の中よくわからない。猫谷さんは笑ってはいなかったが。
「はい!それではお疲れ様でしたー!これでビンゴ大会は終わりです。景品貰えなかった人たちも出口でお菓子貰って帰ってね!」
桜井が一等だったこと以外、ビンゴ大会は順調に進んで終了した。猫谷さんは努力賞のうまみ棒を貰っていて、それを隣人の男に見せて笑っている。
「…俺だったらよかったのにな。」
彼女を見つめボーっとしていたのか、桜井が近づいてきていたのに気が付かなかった。
「茗荷谷、お前もまあ珍しい顔をする。…あの女がそんなにいいのか。」
「やだなあ。俺にだって好きな子いてもいいじゃないの。君には関係ないでしょ。」
猫谷さんのことをあの女というのには納得いかないが、それを一々拾っていては話にならない。
「鬼丈には関係がある。可愛い後輩の恋を邪魔されちゃ堪らないからね。」
「俺から彼女を遠ざけたのはお前たちだろ。このくらいしても許されると思うけどね。」
そう、本来猫谷さんがいるはずだったのは公安ではなく生徒会だ。それを邪魔したあの男は俺にこき使われるのは当然だろう。
「…私にはわからない。そういう恋心というものは。だから私はとりあえず最初の鬼丈の願いは聞き入れたんだ。だが二度目を聞く気は毛頭ない。なあ茗荷谷、一つ賭けをしないか。もちろん、お前がかてばあの女を好きにすればいいさ。」
口角を上げて柄にもなく悪い笑みを浮かべる桜井。猫谷さん、君はこんなやつさえも虜にしてしまうのだろうね。
「へえ、君も面白いこと言うんだね。中身を聞かせてくれよ。」
残念だが負ける気はしない。なぜなら
ーーここは俺のフィールドなのだから。
「ビンゴになったぞ。」
気に食わない声が聞こえる。やたらと目立つ長身の桃髪は俺の天敵の中でも二番目にやっかいなやつだ。
「おやおやビンゴだって?すっごい早いね!こっちのメインステージに上がってきてもらおうかな。」
そいつを知らないフリしてメインステージへ迎え入れる。それを見ていた〝儚日ちゃん〟の顔が漫画に出てくるみたいにあわわってなってる。相変わらず可愛いなあ。隣にあの男がいるのは気に食わないが、まあいつものことだ。
「ほら見ろ。しっかりとビンゴだぞ。」
強運という名にふさわしい見事な一列の穴。こいつも昔から運だけはいい。普段は並ばない生徒会と公安のトップの俺らに女子の歓声が上がる。もう、うざったいなあ。
「うん確かに。ここで一人目ビンゴ出ました!見事一等、豪華スキー場グループ二泊三日チケットゲットです!おめでとう!じゃあみんなに自己紹介してもらおっかな。」
パパっと委員から俺の別荘の優待チケットが渡され、みんなへと拍手を煽る。マイクがキーンとハウり、桜井の手へ渡った。
「…二年五組、桜井宣明だ。」
女子たちからの目線は桜井へと注がれる。普段俺たちの努力によってこいつには雑務ばかりやらせていたため、間近で見るのも珍しいのだろう。
「桜井くんどうも。おめでとう、このチケットどうやって使うつもりなんだい?」
「私は一応公安委員会の者だ。普段面倒事を頼んでいる委員の皆の慰労会でも開くつもりだ。これを当てるためにこのビンゴをした。」
「ええ!それはすごいなー!有言実行なんてかっこいいね。ぜひ委員会の皆さんで慰労会楽しんでね!それではありがとうございましたー。」
わざとらしい声に張り付けの笑顔で歓声が湧くのだから世の中よくわからない。猫谷さんは笑ってはいなかったが。
「はい!それではお疲れ様でしたー!これでビンゴ大会は終わりです。景品貰えなかった人たちも出口でお菓子貰って帰ってね!」
桜井が一等だったこと以外、ビンゴ大会は順調に進んで終了した。猫谷さんは努力賞のうまみ棒を貰っていて、それを隣人の男に見せて笑っている。
「…俺だったらよかったのにな。」
彼女を見つめボーっとしていたのか、桜井が近づいてきていたのに気が付かなかった。
「茗荷谷、お前もまあ珍しい顔をする。…あの女がそんなにいいのか。」
「やだなあ。俺にだって好きな子いてもいいじゃないの。君には関係ないでしょ。」
猫谷さんのことをあの女というのには納得いかないが、それを一々拾っていては話にならない。
「鬼丈には関係がある。可愛い後輩の恋を邪魔されちゃ堪らないからね。」
「俺から彼女を遠ざけたのはお前たちだろ。このくらいしても許されると思うけどね。」
そう、本来猫谷さんがいるはずだったのは公安ではなく生徒会だ。それを邪魔したあの男は俺にこき使われるのは当然だろう。
「…私にはわからない。そういう恋心というものは。だから私はとりあえず最初の鬼丈の願いは聞き入れたんだ。だが二度目を聞く気は毛頭ない。なあ茗荷谷、一つ賭けをしないか。もちろん、お前がかてばあの女を好きにすればいいさ。」
口角を上げて柄にもなく悪い笑みを浮かべる桜井。猫谷さん、君はこんなやつさえも虜にしてしまうのだろうね。
「へえ、君も面白いこと言うんだね。中身を聞かせてくれよ。」
残念だが負ける気はしない。なぜなら
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