乙ゲーから転生した悪役令嬢は何気に女子高生を満喫しています。
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「な、んっで…!」
「えーだって儚日ちゃん見たいからさ。猫耳萌え、だね。」
にこにこな悪意のない表情が余計に心に刺さる。悪い予感が的中してしまった。
ーー文化祭当日、あのまま楓とはなんの進展もなく時間だけが過ぎてしまった。みんなに任せっきりだったアニマルカフェの内装は思ったよりもファンシーでメニューも可愛かった。朝と夕方にシフトが入っているため灯と一緒に衣装を着る。灯にはまだ、この前のことは話せていない。
「動物さんによって洋服の色も違うみたいだね。」
基本メイド服とタキシードなのだが、動物によってタイやリボンなど細かいところが違っていた。灯はうさぎ、うさ耳にピンクのリボンをつけている。
「はーちゃんオレンジのリボン似合ってるよ。」
「ありがと。初めて着るとなんか恥ずかしいね。」
「ほらー!もう始まる時間だよ。外に出て出て!」
私の学校は文化祭二日間ともに地域公開日となっている。誰がくるかわからないが輝也や両親も教えていない。来る心配も…
「やっほー!儚日ちゃん。来ちゃった。」
そこにはにこにこ顔の亜麻色髪の男。うん、落ち着こう。ついさっき呼んでないって再確認したよね?
「なんで輝也さんがいるんです?」
怪しい人間は一人しかいない。
「そんな笑顔で怒らないでよ。」
「ふふ、ごめん。だってやっぱり輝也さんには見せるべきかなって。」
いや絶対必要ないでしょ。こいつは私の何だ。
「いやあありがとう灯ちゃん。儚日ちゃんの猫耳とか最高だよ。灯ちゃんも似合ってる!」
「ありがとうございます。儚日ちゃん可愛いですよね!じゃあ、しばらくごゆっくり。」
後で覚えてろよ、灯…。すでに周りがこのイケメンはなんだと騒ぎ始めている。今日の彼はお外スタイルだ。普段ただのTシャツ着てるだけでも注目度高いのに、今日は磨きがかかっている。
「もう、いいですからっ。どこでもいいので座ってください。ここに始まってすぐ来るの輝也さんくらいですよ。」
「はーい。だってそりゃあ儚日ちゃんを見に来たんだもの。直で来るよ。あ、メニューありがとね。」
「早く帰ってくださいね。恥ずかしいから。」
「うーん、まあそこそこいたら、ね。」
頬杖をついてメニューを悩んでいる姿すら様になるから悔しい。一体何で悩んでいるのだろうか。
「ん?ああ今ね、このパンダオムライスかくまさんカレーかで悩んでるの。」
うわぁ、少年のような笑顔。心が荒んでる私には眩しすぎる…!!
「儚日ちゃんはどっちがおすすめ?」
覗き込む瞳に吸い込まれそうになる。すっかり輝也のペースに持ち込まれているのは気づいているが、それが心地良いから困ったものだ。記憶を取り戻して彼らを認識してからろくなことがない気がする。色々なことに振り回されてばかりだ。
「どっちでもいいと思いますよ。その、輝也さんのオムライスのが、おいしいと思うし。」
「あら可愛いこと言ってくれる。嬉しいよ。じゃあここはくまさんカレーにしようかな。」
私の頭をくしゃぁっと撫でる。少し顔が熱くなった。注文をみんなに伝えるとすぐにカレーが出てきた。輝也の話を聞いて両方用意していたのだろう。
「わあ!ご飯がくまさんなんだね。可愛い。にんじんはお花なんだ!」
周りの女子が今にも倒れ込みそうだ。こんな母性をくすぐる青年は中々近場にはいないだろう。
「ほら!儚日ちゃんも座って。一緒に食べようよ。ほら、あーん。」
「や、やめてください!馬鹿じゃないですか!」
もうやっぱりこの男は嫌だ!
「なんかこのクラス騒がしいね。あれ、猫谷さんのクラスじゃない。」
「ここはアニマルカフェですね。入りますか?会長。」
廊下の窓から覗くと猫耳姿の可愛い猫谷さんとあの男。この前もそうだったけど、どんな関係なんだろう。
「いやいいよ。どうせまた後で来る。俺、勝てなさそうな戦はしないタイプだからさ。」
ーーまあ今はいい。最後に手に入れるのはこの俺なのだから。
「えーだって儚日ちゃん見たいからさ。猫耳萌え、だね。」
にこにこな悪意のない表情が余計に心に刺さる。悪い予感が的中してしまった。
ーー文化祭当日、あのまま楓とはなんの進展もなく時間だけが過ぎてしまった。みんなに任せっきりだったアニマルカフェの内装は思ったよりもファンシーでメニューも可愛かった。朝と夕方にシフトが入っているため灯と一緒に衣装を着る。灯にはまだ、この前のことは話せていない。
「動物さんによって洋服の色も違うみたいだね。」
基本メイド服とタキシードなのだが、動物によってタイやリボンなど細かいところが違っていた。灯はうさぎ、うさ耳にピンクのリボンをつけている。
「はーちゃんオレンジのリボン似合ってるよ。」
「ありがと。初めて着るとなんか恥ずかしいね。」
「ほらー!もう始まる時間だよ。外に出て出て!」
私の学校は文化祭二日間ともに地域公開日となっている。誰がくるかわからないが輝也や両親も教えていない。来る心配も…
「やっほー!儚日ちゃん。来ちゃった。」
そこにはにこにこ顔の亜麻色髪の男。うん、落ち着こう。ついさっき呼んでないって再確認したよね?
「なんで輝也さんがいるんです?」
怪しい人間は一人しかいない。
「そんな笑顔で怒らないでよ。」
「ふふ、ごめん。だってやっぱり輝也さんには見せるべきかなって。」
いや絶対必要ないでしょ。こいつは私の何だ。
「いやあありがとう灯ちゃん。儚日ちゃんの猫耳とか最高だよ。灯ちゃんも似合ってる!」
「ありがとうございます。儚日ちゃん可愛いですよね!じゃあ、しばらくごゆっくり。」
後で覚えてろよ、灯…。すでに周りがこのイケメンはなんだと騒ぎ始めている。今日の彼はお外スタイルだ。普段ただのTシャツ着てるだけでも注目度高いのに、今日は磨きがかかっている。
「もう、いいですからっ。どこでもいいので座ってください。ここに始まってすぐ来るの輝也さんくらいですよ。」
「はーい。だってそりゃあ儚日ちゃんを見に来たんだもの。直で来るよ。あ、メニューありがとね。」
「早く帰ってくださいね。恥ずかしいから。」
「うーん、まあそこそこいたら、ね。」
頬杖をついてメニューを悩んでいる姿すら様になるから悔しい。一体何で悩んでいるのだろうか。
「ん?ああ今ね、このパンダオムライスかくまさんカレーかで悩んでるの。」
うわぁ、少年のような笑顔。心が荒んでる私には眩しすぎる…!!
「儚日ちゃんはどっちがおすすめ?」
覗き込む瞳に吸い込まれそうになる。すっかり輝也のペースに持ち込まれているのは気づいているが、それが心地良いから困ったものだ。記憶を取り戻して彼らを認識してからろくなことがない気がする。色々なことに振り回されてばかりだ。
「どっちでもいいと思いますよ。その、輝也さんのオムライスのが、おいしいと思うし。」
「あら可愛いこと言ってくれる。嬉しいよ。じゃあここはくまさんカレーにしようかな。」
私の頭をくしゃぁっと撫でる。少し顔が熱くなった。注文をみんなに伝えるとすぐにカレーが出てきた。輝也の話を聞いて両方用意していたのだろう。
「わあ!ご飯がくまさんなんだね。可愛い。にんじんはお花なんだ!」
周りの女子が今にも倒れ込みそうだ。こんな母性をくすぐる青年は中々近場にはいないだろう。
「ほら!儚日ちゃんも座って。一緒に食べようよ。ほら、あーん。」
「や、やめてください!馬鹿じゃないですか!」
もうやっぱりこの男は嫌だ!
「なんかこのクラス騒がしいね。あれ、猫谷さんのクラスじゃない。」
「ここはアニマルカフェですね。入りますか?会長。」
廊下の窓から覗くと猫耳姿の可愛い猫谷さんとあの男。この前もそうだったけど、どんな関係なんだろう。
「いやいいよ。どうせまた後で来る。俺、勝てなさそうな戦はしないタイプだからさ。」
ーーまあ今はいい。最後に手に入れるのはこの俺なのだから。
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