乙ゲーから転生した悪役令嬢は何気に女子高生を満喫しています。
10
私の話を聞いた灯はしばらく黙って考え込んでいた。
「…つまり、友達からおすすめされた乙女ゲーム恋王国のキャラがはーちゃんの前世、ってことで合ってる?」
灯もオタクの道には理解がある(彼女は少年誌好きのオタクだが)。普通の人よりかは理解してくれそうだった。
「そこで輝也さんも茗荷谷先輩も鬼丈くんも生徒会長もみんな攻略キャラなわけだ。」
「うん、で私は生徒会長ルートで殺されたのね?それでこの前は気分が悪くなって。」
納得!とそんな顔をした灯は続けて話す。
「自分を前世で殺した相手に会うって…それ考えると輝也さんはさすが騎士って感じがするね。感心感心、それにしてもみんな近場で揃ってるんだね。このカセットってsspのやつ?」
「うんそうだよ。私たちが中学生くらいの時のやつ。」
「友達もやってた気がするな。あいつが落ちないだのどーたらこーたら。…ねえ、はーちゃんこれ少しの間私に貸してくれない?」
少し考えたように灯は言う。
灯に無理させていないだろうか。話を無理やり合わせてくれてるのではないか。その焦りが伝わってしまったのか灯はなんとも伝えがたい笑顔で笑った。
「私は別に儚日ちゃんがおかしくなったとか思ってないよ。ただ、力になりたいだけ。私も出来るだけ早くみんな攻略する!そうすれば何かのヒントになるかもじゃない?さすがにつまずかないためにガイドはほしいけど…。」
よしよしと頭を撫でられる。思わず涙が零れてきた。私はいつの間にか我慢をしていたのかもしれない。
「…よく一人で、頑張ったね。もう大丈夫だよ。」
昔誰かにもこんなふうに頭を撫でられたことがあった気がした。
昨日と違って楓は学校に来た。だが休み時間はずっと生徒会の仕事で引っ張りだこのようだ。女子たちの取り巻きも以前と違って出来ていた。だが、もうさすがにクヨクヨしてられない。昨日から灯は恋王国をプレイしてくれている。私も少しは前に進まなきゃいけない、が。
「やあ猫谷さん。私のことを覚えているかな?公安に入ったからには少しだけ仕事を頼みたいと思ってね。ハハハハッ。」
うん、正直忘れてたよね。
ゲームで見るのと現実で見るのだと印象が違うキャラにはもう慣れたが、こんな二次元じみた人間が現実にもいるんだなと関心してしまう。
「桜井先輩、ですよね。これからよろしくお願いします。」
「よろしく頼む。うんうん公安に君のような女性が入ってくれて嬉しい限りだよ。」
前世での桜井、ノアは私とはあまり関わっていなかった。明るく陽気な人物だと噂ではあったが、存在を知った頃には王子の本性も薄々気付き王族に興醒めしていたので話したことすらない。
「実際の公安の仕事なんだがね、生徒会の取り締まり以外にはあまりボランティアと変わらないんだ。学校のゴミ拾いをしたり、先生の手伝いをしたり…」
咄嗟に桜井が窓枠を飛び越える。ここは二階だ。えええ?
「ちょ、ちょちょ!!」
窓から下を覗くと猫を抱えた桜井がいた。見事な受け身だ。こんなこと三次元でする人間もいるのか。この桜色頭には驚かされる。
「こーんなふうに!猫助けたりするよー!」
中庭から大きく声を出す桜井。小っ恥ずかしいからやめてくれー。学校の先日からのドタバタにある意味このキャラ投入は有難いといえば有難いが、これはこれで私が目立ってしまう。
「もうっ!今からそっち行きますから!」
急いで階段を降りていく私は向かい廊下にいた楓の視線に気付かなかった。
「…つまり、友達からおすすめされた乙女ゲーム恋王国のキャラがはーちゃんの前世、ってことで合ってる?」
灯もオタクの道には理解がある(彼女は少年誌好きのオタクだが)。普通の人よりかは理解してくれそうだった。
「そこで輝也さんも茗荷谷先輩も鬼丈くんも生徒会長もみんな攻略キャラなわけだ。」
「うん、で私は生徒会長ルートで殺されたのね?それでこの前は気分が悪くなって。」
納得!とそんな顔をした灯は続けて話す。
「自分を前世で殺した相手に会うって…それ考えると輝也さんはさすが騎士って感じがするね。感心感心、それにしてもみんな近場で揃ってるんだね。このカセットってsspのやつ?」
「うんそうだよ。私たちが中学生くらいの時のやつ。」
「友達もやってた気がするな。あいつが落ちないだのどーたらこーたら。…ねえ、はーちゃんこれ少しの間私に貸してくれない?」
少し考えたように灯は言う。
灯に無理させていないだろうか。話を無理やり合わせてくれてるのではないか。その焦りが伝わってしまったのか灯はなんとも伝えがたい笑顔で笑った。
「私は別に儚日ちゃんがおかしくなったとか思ってないよ。ただ、力になりたいだけ。私も出来るだけ早くみんな攻略する!そうすれば何かのヒントになるかもじゃない?さすがにつまずかないためにガイドはほしいけど…。」
よしよしと頭を撫でられる。思わず涙が零れてきた。私はいつの間にか我慢をしていたのかもしれない。
「…よく一人で、頑張ったね。もう大丈夫だよ。」
昔誰かにもこんなふうに頭を撫でられたことがあった気がした。
昨日と違って楓は学校に来た。だが休み時間はずっと生徒会の仕事で引っ張りだこのようだ。女子たちの取り巻きも以前と違って出来ていた。だが、もうさすがにクヨクヨしてられない。昨日から灯は恋王国をプレイしてくれている。私も少しは前に進まなきゃいけない、が。
「やあ猫谷さん。私のことを覚えているかな?公安に入ったからには少しだけ仕事を頼みたいと思ってね。ハハハハッ。」
うん、正直忘れてたよね。
ゲームで見るのと現実で見るのだと印象が違うキャラにはもう慣れたが、こんな二次元じみた人間が現実にもいるんだなと関心してしまう。
「桜井先輩、ですよね。これからよろしくお願いします。」
「よろしく頼む。うんうん公安に君のような女性が入ってくれて嬉しい限りだよ。」
前世での桜井、ノアは私とはあまり関わっていなかった。明るく陽気な人物だと噂ではあったが、存在を知った頃には王子の本性も薄々気付き王族に興醒めしていたので話したことすらない。
「実際の公安の仕事なんだがね、生徒会の取り締まり以外にはあまりボランティアと変わらないんだ。学校のゴミ拾いをしたり、先生の手伝いをしたり…」
咄嗟に桜井が窓枠を飛び越える。ここは二階だ。えええ?
「ちょ、ちょちょ!!」
窓から下を覗くと猫を抱えた桜井がいた。見事な受け身だ。こんなこと三次元でする人間もいるのか。この桜色頭には驚かされる。
「こーんなふうに!猫助けたりするよー!」
中庭から大きく声を出す桜井。小っ恥ずかしいからやめてくれー。学校の先日からのドタバタにある意味このキャラ投入は有難いといえば有難いが、これはこれで私が目立ってしまう。
「もうっ!今からそっち行きますから!」
急いで階段を降りていく私は向かい廊下にいた楓の視線に気付かなかった。
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