陰キャの俺に美少女が話しかけてきた件

kzk_nekomimi

1話 プロローグ

(今日こそ神崎くんに話しかけるのよ私!いままで神崎くんを見てきたけど彼は完全にアニメオタクだわ。隠れオタクとしてぜひお近づきになりたいし、勇気を出して話すのよ私!)

 (はぁ、今年のアニメは不作が多いなあぁ。作画が崩壊していたし……。はぁ、冬コミどうしよう。あ、ラノベの原稿も来週までだ。はぁ)

 (あ、神崎くんいま今年のアニメの「コミック少女」みてる!あれ私も大好きなんだよね~)

 (なんかやけに隣の席から視線を感じるな。陰キャは視線には弱いんだよなぁ)

 「あの、神崎くん」

 「え?は、はい!」

 (うぉ、しゃべりかけられた!しかも相手は学校一の美少女の東雲さんではないか!なんで東雲さんが陰キャの俺に話しかけるんだ?ああ、分かったこれは―――――、
 『どんなけ陰キャでも私はしゃべりかけますよ』
 っていうことだな?)

 「神崎くんはいまスマホで何を見ているの?」

 「は?」

 「え?」

 (よし!神崎くんにしゃべりかけることが出来たわ!っていま『は?』って言わなかった!?最初の言葉が『は?』ってどういうことなの!?)

 (まずい。つい声が裏返ってしまって『は?』って言ってしまった。まずクラスで人としゃべるのは何か月ぶりなんだ!てか学校一の美少女に『は?』って言っちゃったよ!)

 ((気まずい。))

 (い、今のは学校一の美少女である私に声をかけられたから焦っているのよね?)

 (俺はのアニメのタイトルを言わなければいけないのか?)

 「……」

 「……コ」

 (わかっている「コミック少女」っていう作品なのはわかっているから!さぁバッチ来い!)

 「攻殻機動部隊こうかくきどうぶたい……だよ」

 「『コミック少女』じゃないんかい!!」

 「え?」

 (まずい!つい調子に乗ってツッコんでしまったわ。てか何なのよ『攻殻機動部隊』って!?そんなコアなアニメ私知らないんですけど!?)

 (え?東雲さん「コミック少女」知っているの?てかわざわざ知っているのになんで俺に聞いてきたんだ?)

 「あのー東雲さん?」

 「な、何かしら?」

 「『コミック少女』知っているの?」

 「あ、いや。別に知らない……わけじゃないんだけど!えーとその……なんていうのかしら……」

 「なんかごめん」

 (あああああ、神崎くんに話終了させられたあああ。どうしよう『学校一の美少女』がまさかのアニメオタクだったことに残念がっているのかしら!?いや、でも神崎くんはアニメ大好きのはずだから私のことに興味を持ってくれているはず!)

 (ああ、東雲さんってアニメ知っているんだな。さっきのツッコミも自然と出てしまったんだな。多分ほんとは趣味を知られたくないだろうからこれ以上話を広げるのはやめておこう)


 キーンコーンカーンコーン

 ((お、終わった……))

 (明日こそ神崎くんと沢山お話するわよ!)

 (明日からなるべく東雲さんとの話は避けておこう)

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