転生凡人は天才悪役令嬢を幸せにしたい

かごめ@

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はいっ!本番当日の朝になりました!もう行きたくないとか言えねぇ、腹をくくるしか無い状況です!ストレスでテンションがおかしくなっております!というか、今日の星夜祭は6時スタートなのに朝の9時からみんな張り切ってますね。
「お嬢様、お風呂に入りましょう」
「お嬢様、この靴を履いてみて下さい」
「お嬢様、リボンはこちらでよろしいでしょうか?」
朝からこんな調子だ。正直、私に何を言われても分からない。私がそう考えながら何となく頷いているとお母様が部屋へ入ってきた。
「レイ、きちんとデザインを考えて選んでいますか?」
お母様にそう言われたが考えていなかったので素直に頷けず戸惑ってしまった。
「はぁ、レイ。飾りはドレスに合ったものでなくてはいけませんよ?」
そう言われてドレスをちらりと見てみる。薄い黄色がベースでレースよりもリボンがメインといった感じのドレスだった。正直、ドレスにもリボン、頭にもリボンってどうかと思う。が、お母様にそんな事言えない。
「ごめんなさい、お母様、私頑張って支度します!」
そう答えるしかなかった。
「ええ、そうして下さいね。ああ、そうそう、マリー先生をお呼びしているからマリー先生にも聞いてみると良いわ。」
そう言ってお母様は部屋から出て行った。
マリー先生が来てくれるのなら心強い!
その後、マリー先生と共に色々選んで何とか4時半までに支度を終える事が出来た。
にしても、黄色いドレスにオレンジのリボンって子供っぽさがすごい。やばい、恥ずかしい。
でも今更変えられないので羞恥心は見て見ないふりをする事にした。
「レイ、急ぎなさい!」
お母様に急かされて慌てて馬車へ乗り込んだ。


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馬車の中では私がお父様とお母様の正面に座っていた。
馬車の中で一番に口を開いたのはお父様だった。
「レイ、緊張しているかい?私達についていれば大丈夫だからな!」
お母様がそれに続いて星夜祭での立ち振る舞いを教えてくれた。お母様の言っていた事を要約するとこうだ
1、お母様達と共に王様にご挨拶。
2、王様に紋章を見せてお祝いの言葉をもらう。
3、同じ派閥の子供達と交流を持つ。
この3つをこなせればとりあえずいいらしい。
気が重い、特に3つ目がとても嫌だ。前世でもそんなに話せる方でもなかったのにそれに加えて今世は話し方のマナーにも気をつけなければならない。難易度が高くなりすぎだ。
そんな事を考えているうちについにお城へ着いてしまった。
「さあ、降りるぞ」
そう言ってお父様に馬車から降ろしてもらった。
お父様に手を引かれながら私は憂鬱な気持ちを抑えて会場へと向かった。

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