転生凡人は天才悪役令嬢を幸せにしたい

かごめ@

5

「お嬢様、ご夕食の準備が整いました。」
ドアの前からメイドの呼ぶ声がする。
「はーい。」
私は大きく返事をして急いで夕食に向かった。夕食の席に私が着いて直ぐにお母様とお父様もやって来た。
「具合はどうだい?」
お父様が、聞いてきた。
「もう平気です。ご心配をおかけしました。」
私がそう答えると直ぐにお母様が
「では明日からお勉強を始めましょう!」
と、間髪入れずに言ってきた。
するとお父様が、
「まぁ、この話は夕食を食べながらにしよう。」
と言いお母様を席へと促した。お母様は椅子へゆっくりと優雅なな動きで座った。お勉強ということは私もあの動きの練習をさせられるのだろうか。出来るかな?
「それでお母様、勉強とは一体何をすればよろしいのでしょうか?」
椅子に座ったお母様ぎがこちらを真剣に見ながら
「そうね、まず、歴史、紋章学、魔法学、算学、芸術、マナー、ダンスかしら?」
うげっ!そんな多いのか、嫌だ。
「まぁ、でも初めからこんな沢山するわけではないわ、先ずはマナーとダンスね。」
ん?なぜマナーとダンスなんだ?
普通一般教養っぽい歴史や算学からだろ?
「お母様、なぜマナーとダンスからなのですか?」
「そうね、貴族の子供は必ず紋章をもらった後、1年に2回王城で開かれる星夜祭に参加して神からもらった紋章を皆んなにお披露目するのよ、そうする事によって大々的にどの家の子供だということを示せますからね。」
ほー、成る程まぁ、分からなくもない。
「今は4月だからレイは8月の夏の星夜祭に参加する事になるわね。」
そうお母様が言った。
「しかし、レイは大変な星夜祭を迎える事になるかもな。」
お父様が考え込むように言った。
え?ドユコト?なんで?
「お父様、どういう事でしょうか?」
「そうね、あなた、どういう事?」
なんと、お母様も知らないのか。
「あぁ、いや、なんと大公のご令嬢が2種類の色の混ざった“混合紋”をもらったらしい。しかも、とある農村では、“特殊紋”を持った少女が見つかって正式に王家の保護下に入るらしい。」
ヒロインとルージュだっ!もうストーリーは始まっていたのか。てか、私と同じ星夜祭ってことは同い年なのかよっ!
「まぁ!なんとそれは素晴らしい!
この年は神に愛されていたのね!」
「あぁ、だがそのため、今年の星夜祭はいつもより警備が厳しくなったり、やり方が変わる可能性だってある。いつもと違うと我々だってレイにアドバイス出来ないぞ?」
あぁ、お父様は私を心配してくれていたのか。
「大丈夫ですよお父様、私はきちんとやり遂げてみせます。」
しかし、学院で会うと思ったら予想より早く会うことになったな。私はお母様とお父様が話している中でどう振る舞おうか真剣に考えていた。

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