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転生凡人は天才悪役令嬢を幸せにしたい

かごめ@

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教会の中はシンプルながらも、決して質素とは感じられない内装になっていた。こんな建物今まで見た事が無くてキョロキョロしながら歩いていると、突然お母様に声を掛けられた。
「レイ、こちら神官長よ、ここからは彼に付いて行って祈りの間まで行きなさい。」
お母様にそう言われて正面を見ると40代くらいのおじさんが、立っていた。全く気づかなかった。
「初めましてお嬢さん、私はモーガンと申します。この中央神殿で神官長をしております。この先は私が案内しますので付いて来て下さい。」
……この人、真顔で自己紹介しやがった。少なくとも子供相手なんだ、笑ってくれても良かっただろうに。
そう思っているうちにさっさと歩き出してしまった私は慌ててその後を追った。

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とてもとても長い廊下を5分くらい歩かされたあたりで大きな扉の前にでた。すると今まで何一つとして喋らなかった神官長が立ち止まってこちらを振り返った。
「ここの扉の中に祈りの間があります。この中の女神像の前に跪き感謝の言葉を述べて下さい。ただし、ここから先は貴方一人でやって下さい。私たちは入れませんので。」
そう答えると神官長は私がやっと通れるかぐらいの大きさに扉を開けた。だがしかし、私は直ぐに進まなかった。私には聞きたい事があったのだ
「感謝の言葉とは一体どのような事を言えばいいのですか?」
そう、さっきサラッと感謝の言葉を述べろと言っていたが具体的にどのような事か言っていなかったのだ、
すると神官長は
「思いつくままに言いなさい。」
と言った。だが、正直、直ぐに感謝の言葉が出てくると思えなかった。でも、さっきから扉を開けてこっちをじっと見られていたので、これ以上何も言えなかった。私がおとなしく扉の中に入ろうとすると神官長が、
「終わったらノックしなさい。」
と言ったので素直に頷いておいた。
中に入ると直ぐに後ろから扉の閉まる音がした。真っ直ぐ前を見ると羽根の生えた綺麗な女の人の彫刻があり、その直ぐ正面の方に円形のよステージがあった。多分、あそこに行って跪くのだろうな、と思った。なので円形ステージに行き跪いてみたがこれといって感謝の言葉が出でこなかったのでとりあえず、
「私を今まで見守ってくださりありがとうございました。」
と言った。お母様が神さまはいつでも私を見守っていると仰っていたからだ。するとその瞬間体が不思議な感覚に包まれて手の甲が上の方に吸い寄せられた。そして手が光ったかと思うと、手の甲に水色の花の紋章が浮かんだ。そして、大人達が隠していた事全てが分かった。
この紋章は5歳になって教会で祈ってもらえるという事。この紋章には属性があり私の紋章は水属性だという事。そしてこの紋章を使う事によって魔法が使えるという事。そして、魔法を神の物である5歳以下の子供に見せるとこの紋章は取り消されるという事だ。私はこの真実を知っても驚く事が無かった。何と無くそれが当たり前という気がしてたまらないのだった。私はそのことについて疑問を抱いたが、どうしようも無いので、扉の前に立ちノックした。するとまた先程と同じくらいの大きさで扉が開き、神官長が待っていた。神官長は私を、ちらりと見ると、
「では戻りますよ。」
とだけ言って歩き出してしまった。
私が慌てて付いて行くと後ろでドアの閉まる音がした。



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