アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜
52 初めての魔法
「リアムさん・・・あなたは先日、魔石を通して魔力の繋がりを感じたはずです・・・覚えていますか?」 
「・・・はい」 
魔法を使うための最終確認へと入ったケイトに、僕は項垂れながら返事をする。 
「あなたは魔力操作もレベルⅢまで上がっていますし、よって魔法行使のための基礎は実はもうとっくにクリアしています。後はそれを、魔石を介さずに自然界に存在する魔力に波紋のように共鳴させて放つのです!」 
その最終確認は抽象的というか、いまいち現実味のない説明だった。 
『よくそんな抽象的な論理で成り立つものを初っ端から素人に成功させようとしているよな・・・全く』 
僕はもうここまでくると内心呆れていた。 
「それでは・・・精霊の加護があらんことを」 
そしてついに、ケイトは魔法を発現させる過程中のイメージアドバイスを終えると僕の健闘を祈る文言を残して、他の教師陣や生徒たちがいる方へと戻っていく。 
「リアムー!あなたならできるわ!大丈夫よ!」 
「いっちょ派手にどかーんとやっちゃえ!」 
そんなケイトの背中を追っていると、演習場に残り集められた生徒たちの中から僕の用が済むまで魔法の練習をして待っていたカリナ姉さんとラナの声が聞こえてくる。 
『えーとっ、まずはこの前感じた自分の中の魔力を感じて・・・』 
僕はその声にちょっとした安心を覚えながらも、続けて目を瞑り、前にかざした両手に意識を集中して魔法を発現するための工程へと移る。 
『魔石を通して繋がった炎・・・ようはあの時と少し違って、今回は自分を魔力タンクと変換器の一人二役を演じてイメージが乗った自分の魔力を波のように広げていけばいいわけか・・・』 
ケイトに教えてもらった通り、僕は先日魔石を通じて魔力を暴走させた時のことを思い出して自身の中からその時のイメージが乗った魔力を、前方の空間へと伝播させていく。 
『あっ・・・でも、この前みたいに火柱が立ち上ったりしたら派手だからなんとか綺麗に纏まらないかな?・・・球・・・ボール・・・スイカ・・・メロン?・・・それとも泥団子かな?とりあえず炎を球状に外から内に収束させて留められれば・・・』 
魔力を広げていくことに集中していると、ふとそんな考えが頭をよぎった僕は子供の頃に握った泥団子を思い出し、魔力を外から内に収束するようイメージを変えていく。 
『それにしてもこの魔力、どこまで広げればいいんだろ?・・・まだ熱を感じないし体内の魔力が全く減っている感じがしないけれど、ドバドバ勢いよく流れてフーセンガムみたいに魔力の球が大きくなっているのだけは分かる・・・もしかして上手く変換できてない?』 
どんどんと流れ出ていく魔力が一つの球状に、外から内に向かって一定の動きを伴ない収束していっていることは感じるものの、注ぎ込まれる魔力によって体積を増やし膨れ上がっている魔力の球も知覚できる。 
『流石にこれは大きすぎるだろ・・・・・下手したら直径10mはいってるんじゃないの?』 
僕は知覚した魔力の塊の大きさを手探りで推定するも、どうも熱を感じないために作業を続ける。すると── 
「ストップですリアムさん!目を開けてください!」 
突如後ろの方で、僕の魔法の発現を見守っていたはずのフランの声が耳から頭へと響く。 
そしてその切迫した声に、僕は反射するように目を開けると ── 
「・・・何これ?」 
僕の目の前に現れたのは眼前に広がる森の手前に鎮座する、大きな炎の塊だった。 
「・・・はい」 
魔法を使うための最終確認へと入ったケイトに、僕は項垂れながら返事をする。 
「あなたは魔力操作もレベルⅢまで上がっていますし、よって魔法行使のための基礎は実はもうとっくにクリアしています。後はそれを、魔石を介さずに自然界に存在する魔力に波紋のように共鳴させて放つのです!」 
その最終確認は抽象的というか、いまいち現実味のない説明だった。 
『よくそんな抽象的な論理で成り立つものを初っ端から素人に成功させようとしているよな・・・全く』 
僕はもうここまでくると内心呆れていた。 
「それでは・・・精霊の加護があらんことを」 
そしてついに、ケイトは魔法を発現させる過程中のイメージアドバイスを終えると僕の健闘を祈る文言を残して、他の教師陣や生徒たちがいる方へと戻っていく。 
「リアムー!あなたならできるわ!大丈夫よ!」 
「いっちょ派手にどかーんとやっちゃえ!」 
そんなケイトの背中を追っていると、演習場に残り集められた生徒たちの中から僕の用が済むまで魔法の練習をして待っていたカリナ姉さんとラナの声が聞こえてくる。 
『えーとっ、まずはこの前感じた自分の中の魔力を感じて・・・』 
僕はその声にちょっとした安心を覚えながらも、続けて目を瞑り、前にかざした両手に意識を集中して魔法を発現するための工程へと移る。 
『魔石を通して繋がった炎・・・ようはあの時と少し違って、今回は自分を魔力タンクと変換器の一人二役を演じてイメージが乗った自分の魔力を波のように広げていけばいいわけか・・・』 
ケイトに教えてもらった通り、僕は先日魔石を通じて魔力を暴走させた時のことを思い出して自身の中からその時のイメージが乗った魔力を、前方の空間へと伝播させていく。 
『あっ・・・でも、この前みたいに火柱が立ち上ったりしたら派手だからなんとか綺麗に纏まらないかな?・・・球・・・ボール・・・スイカ・・・メロン?・・・それとも泥団子かな?とりあえず炎を球状に外から内に収束させて留められれば・・・』 
魔力を広げていくことに集中していると、ふとそんな考えが頭をよぎった僕は子供の頃に握った泥団子を思い出し、魔力を外から内に収束するようイメージを変えていく。 
『それにしてもこの魔力、どこまで広げればいいんだろ?・・・まだ熱を感じないし体内の魔力が全く減っている感じがしないけれど、ドバドバ勢いよく流れてフーセンガムみたいに魔力の球が大きくなっているのだけは分かる・・・もしかして上手く変換できてない?』 
どんどんと流れ出ていく魔力が一つの球状に、外から内に向かって一定の動きを伴ない収束していっていることは感じるものの、注ぎ込まれる魔力によって体積を増やし膨れ上がっている魔力の球も知覚できる。 
『流石にこれは大きすぎるだろ・・・・・下手したら直径10mはいってるんじゃないの?』 
僕は知覚した魔力の塊の大きさを手探りで推定するも、どうも熱を感じないために作業を続ける。すると── 
「ストップですリアムさん!目を開けてください!」 
突如後ろの方で、僕の魔法の発現を見守っていたはずのフランの声が耳から頭へと響く。 
そしてその切迫した声に、僕は反射するように目を開けると ── 
「・・・何これ?」 
僕の目の前に現れたのは眼前に広がる森の手前に鎮座する、大きな炎の塊だった。 
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