アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜

Blackliszt

45 いざ・・・ダンジョンへ! Ⅲ

「注意事項は以上となります・・・何か質問はございますか?」 


「大丈夫です!」 


「では、ギルドカードに餞別のダンジョンポイント:100ptのチャージを・・・」 


 今僕は、受付で初めてダンジョンに入る際の諸注意を受け、それも終盤に差し掛かっていた。 


 因みに、カリナ姉さんとラナは先に受付ゲートの向こう側、階段を降りた地下の転移陣エリアへと向かったのだが・・・ 


「嘘だろ・・・、あの子、アンダーの証を付けてないってことはこっち側の子だよな・・・」 


「スレーブの証も付いてないし、一般の子でしょ?なんであんなちっちゃい子が・・・?」 


 先ほどから、冒険者や探索者といった雑踏の、周りにいるほとんどの人達からとても奇異な目で見られている。すると── 


「はっはっは、流石に君にダンジョンはまだ早すぎるだろう!なんなら、俺を護衛として雇わねぇか?」 


 僕が周りからの注目を誤魔化すため、内心で色々と右往左往していた頃、一人の赤髪の少年が話しかけてきた。 


『鼻に絆創膏を貼ると、とても似合いそうだ・・・』 


 僕はその話しかけてきた活発そうな男に、そんな第一印象を受ける。 


「ウォルターさん!・・・この子はスクールの魔法練習のためにダンジョンに入るだけですから、そのような心配はご無用ですよ!」 


 しかしウォルターと呼ばれた少年の売り込みも、今までダンジョンについて色々教えてくれた受付のシーナさんが早々に却下してくれる。 


「おっと、そうだったのか・・・その若さで・・・」 


 そしてシーナに売り込みを却下されたウォルターは、その説明を聞き、驚愕の表情に包まれる。今も── 


「この子は平民でありながらとても優秀で〜♪本日は初等部上級生たちとの魔法の練習に参加するそうなんですよ!・・・すごいですよね〜」 


 と、シーナがウォルターに一方的に語っており、個人情報がダダ漏れである。 


「なるほどな!てっきりそんなに小さいからどこかの金持ちのお坊ちゃんが見栄を張ってダンジョンに来たかと思ったぜ・・・すまねーな少年!・・・それにシーナちゃん!悪気はなかったんだ!」 


 それから、シーナから得た情報と現在の状況のすり合わせを行なったウォルターが謝罪を入れる。しかし── 


『それでも、最初の態度はダメなのでは・・・?』 


 謝るウォルターを他所に、僕は一顧客としての目線で、頭の中でウォルターの売り込みの仕方についての評価をつけていた。 


「もしダンジョンやスクールでわからないことがあったら俺に聞けや!・・・初心者の大抵のことや護身術なら教えてやるぞ!」 


 しかしそんな僕の内心を知ってか知らずか、ウォルターはとてもフレンドリーに接する。 


「俺はスクールの中等部生だからな!何かあったら中等部二年Sクラスに来な!」 


 ・ 
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「・・・中等部のSクラス?」 


 驚愕の新事実、発覚である。 


『まさかの先輩だった・・・それも中等部Sクラスの・・・マジか・・・・・・!』 


 それはもしかしたら、今日一番の驚きであったかもしれない。 


「おう!ということで、シーナちゃんも忙しそうだし、俺は自分で依頼を探しにいくから掲示板を見にいくな!」 


 しかしウォルターは、僕の驚きも他所に、次々と話を進めていく。そして── 


「それじゃあな!魔法の練習、頑張れよ!」 


 通り雨のように突然現れたかと思ったら、ウォルターはいつの間にか去っていた。 


『それにしてもあの人、誰かに似ていたな・・・』 


 別れの後、僕は去っていくウォルターの背中を見送りながら、何故かどこかに引っかかる誰かの面影を彼に感じていた。 


「ウォルターさんは普段はとても良い方で、今のも決して悪気があったわけではないと思うので、許してあげてくださいね」 


 するとウォルターの背中が人混みで見えなくなった頃、受付のシーナがウォルターのフォローを入れてくる。 


「それからリアムくんは、これから私が専属の担当として見させてもらうことになるので、どうかよろしくお願いします」 


 シーナはこれからのことを含め、いわゆる一種の担当オペレーターとして僕に挨拶をしてくれる。 


「はい、こちらこそよろしくお願いします。シーナさん!」 


 そして僕は当然、そのシーナの挨拶を受け入れて挨拶を交わした。 


 ・・・ 
 ・・・・・・ 
 ・・・・・・・・・ 


『しかし・・・、まさか受付で驚かされるとは・・・』 


 そんなシーナとの挨拶の裏では、ダンジョン入り口手前から突然の豆鉄砲をくらい、そのことがチラチラと脳裏にちらついて頭の隅っこから離れない。 


『これが初ダンジョンで1番の記憶になるのだけは嫌だな・・・』 


 そして僕は『これ以上の驚きが、どうかダンジョンの中でありますように・・・』と変な杞憂を抱える羽目となり、新たな一筋の希望をダンジョンへと抱くのであった。 

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