アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜

Blackliszt

39 体験授業 Ⅰ

「ひゃ〜!助けてッ!! リアム〜・・・」 


「さっきの僕の感心は何処へやら」 


 授業科目の選択も提出し終えた僕たちは今、選択した複数ある科目の一つである薬物学の授業の見学に来ていた。 


 ところでなぜ、僕たちが今薬物学の授業を見学できているのかというと、担任のケイト曰く 


「本日の授業はとりあえず以上です。ですが、本日は選択科目お試しの日でもあります。スクール内で、皆さんが選択した科目の内、数科目の授業において、他学年の授業への自由参加や、生徒達の発表があります。スケジュールは廊下の掲示板、また本日中であれば選択科目の変更も聞きますので是非、皆さんも選択した教科、気になる教科があれば足を運んでくださいね」 


である。 


 現在、僕は選択科目提出が終わった後直ぐ、選択する科目の情報共有をしていたエリシアに引っ張られて、そんな薬物学の授業を体験見学中だ。 


「お願い!お願いだから助けて〜」 


「ピギャーーー!」 


 そしてエリシアは今、ある植物に追いかけられながら温室の中を走り周っていた。事の発端は「あら、これは何の植物かしら?」と、植木鉢に植えられていたある植物の葉に彼女が触れたことが始まりである。すると、エリシアがその葉に触れた途端、その植物は「ブルッ」と震え、それを面白がったエリシアがその後何度も、その植物の葉を突いたのだ。


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「ノソリ」 


 そして遂に、何回もエリシアに突かれたその植物が、なんと土の中のから根っこごと這い出してきたのだ。 


「ピギャーーー!」 


 それから後、謎の奇声を上げエリシアを追いかけ回し始めた・・・というわけだ。 


 最早聞こえてくる叫び声がエリシアか謎の植物、どちらの叫び声なのかわからない。 


「全く、騒がしいな」 


 そんな状況のエリシアを持て余し、遠目で傍観することしかできなかった僕に、ふと横から話しかけてくる声が聞こえてきた。 


「あれ?アルフレッドとフラジール?・・・こんなところでどうしたの?」 


「何ってお前・・・授業見学に決まっているだろう。一緒に回ろうと思っていたがお前はあそこで叫び周っているバカに、早々に連れて行かれただろ?」 


 今も謎の植物と追いかけっこ真っ最中のエリシアの方を見ながら、アルフレッドは呆れるようにそう告げる。ちなみに、アルフレッドと一緒に来たフラジールはというと、エリシアの方を見ながら「ふぇぇ〜」と狼狽えていた。 


「おやおや、賑やかですね」 


 すると今度は、さらに背後からそんな呼びかけをされる。そして── 


「すみません・・・ビッド先生。エリシアが温室にあった何かの葉っぱに触れたらその植物がいきなり土から出てきて動き出して・・・」 


 彼の名前はビッド。見学授業の場所が変わったらしく、温室で待機するように言われたのだ。 


「ああ、マンドラコラですね・・・」 


 僕から説明を受けたビッドは、その状況を理解するように、件のエリシア達の方をみてそう呟く。 


『マンドラコラって・・・あの・・・』 


 その名前は前世でも、どこか聞き覚えがあるものだった。 


「マンドラコラは引き抜くときに魔力を纏い、与えながら引き抜きます。それにより、土の中や大気中からで魔力を吸い取っていた状態を再現し、擬似的に保つことで大人しくなるのです」 


「魔力を纏わずに葉っぱに触れた・・・だからエリシアはマンドラコラに追いかけられているんですか?」 


「ええ、おそらくそうでしょう」 


 ビッドは僕の疑問に肯定で答える。 


「では、叫び始めたマンドラコラを鎮めるために効果的な手はなんでしょう?」 


 そして今度は続けて、「マンドラコラを鎮める方法はなんでしょう」と僕に問いを返してきた。そして── 


「・・・魔力を与える?」 


 ビッドの先ほどの説明から、僕は定石通りに推測した答えを呟く。すると── 


「正解です」 


 その僕の呟きに、ビッドは満足そうに頷きながら肯定する。 


「ここのマンドラコラは薬草としての用途以外に、自然界に存在するマンドレイクの捕獲練習のためにも用いられます」 


 説明を続けるビッド・・・ 


「ではリアムさん。いい機会ですから、魔力を手にまとってあのマンドラコラを捕獲してみましょう」 


「えっ・・・」 


 そしてそんなことを言って退けるビッドに、僕は口を呆けて愕然とするのであった。 

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