アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜
17 その後の夜
「さあ、今日はもう疲れたでしょ。おやすみなさい、リアム」
「はーい」
結局《精霊王の寵愛》と精霊契約との関係は謎のままに終わった。母さんにそう促された僕はリビングのドアの前に立ち、みんなに「おやすみなさい」と寝の挨拶をして廊下に出る。
しかし僕はリビングのドアを閉めてから直ぐには部屋に戻らなかった。
直ぐに頭の中で『ステータス』と念じる。すると先ほど閉まったステータスが再び現れる。
僕は急いで《転生者》の項目を押した。
《転生者》
前世の記憶を持つもの または数千年に一度現れるかどうかわからない他の次元から迷い込んだ珍しい魂を持つもの この称号は称号所持者以外からは任意でしか可視することができない また迷い込んだ魂は次元を超えた影響で運命力を司る幸運値の算出ができなくなる ※オブジェクトダンジョンの交換所において特典あり《転生前の記憶を反映して交換所に新たな交換品が追加されます》
『よかった・・・見えてなかったのか・・・』
転生者の説明にある可視不可を見て僕は座り込みそうになりつつもホッとする。すると、背を向ける扉の向こうから声が聞こえてきた。
▽       ▽       ▽       ▽
「ウィル、カリナ・・・さっきはあんな風に誤魔化したけど、あのステータスと魔力は・・・異常よ ──。それに精霊王の寵愛だなんて見たことも聞いたこともないわ。オリジナルスキルだってそう・・・」
淡々とした声で母さんが語る。
「ああ、わかっている。だからこそ、俺たちがいざってときに支えてやらないといけない」
「ええ、そうね・・・・・・カリナ、あなたもリアムのステータスのことは誰にも言っちゃダメよ」
「・・・うん」
真剣に見据えて話す母さんに控えめな声で答えるカリナ。
「あの子のステータスを公にしていいのはあの子だけ。あの子の人生ですもの・・・それを選択するのも責任を持てるのもリアムだけよ」
母さんは真剣な声で話を続ける。
「・・・だからカリナ・・・あなたも自分の人生は自分で決めなさい」
「ッ!」
突然の対象変更に驚くカリナ。
「あなたも私たちの家族よ。リアムだけじゃない・・・。私たちはあなたの自由を一番に尊重するわ。でもその上で・・・リアムのことをお姉さんとして支えてくれると嬉しいわ」
「・・・・うん!」
「ありがとう・・・カリナ・・・。さぁ、あなたも明日があるわ。もうお休みなさい」
優しい声で感謝を述べて微笑みかけてくる母さん。母さんの言葉にカリナはゆっくり席を立つ。
「お休みなさい」
カリナはテーブルについている父さんと母さんに寝の挨拶をして、自分の部屋へと戻っていった。
▽      ▽      ▽      ▽
ウィルとアイナはカリナと3人で話をした後、まだ二人リビングのテーブルに残っていた。
「ウィル、もしあの子のことがあなたの実家に知れたら・・・」
「大丈夫さ。実家と俺は縁を切った。あっちからもお払い箱同然だったんだから・・・」
ウィルはどこか自虐するように答える。
「ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。ただもしものことを考えると・・・」
「ああ、わかってるさ」
玲瓏の夜半、その日の夜更けは時が過ぎるのを忘れさせるほどの静寂に包まれていた。
「はーい」
結局《精霊王の寵愛》と精霊契約との関係は謎のままに終わった。母さんにそう促された僕はリビングのドアの前に立ち、みんなに「おやすみなさい」と寝の挨拶をして廊下に出る。
しかし僕はリビングのドアを閉めてから直ぐには部屋に戻らなかった。
直ぐに頭の中で『ステータス』と念じる。すると先ほど閉まったステータスが再び現れる。
僕は急いで《転生者》の項目を押した。
《転生者》
前世の記憶を持つもの または数千年に一度現れるかどうかわからない他の次元から迷い込んだ珍しい魂を持つもの この称号は称号所持者以外からは任意でしか可視することができない また迷い込んだ魂は次元を超えた影響で運命力を司る幸運値の算出ができなくなる ※オブジェクトダンジョンの交換所において特典あり《転生前の記憶を反映して交換所に新たな交換品が追加されます》
『よかった・・・見えてなかったのか・・・』
転生者の説明にある可視不可を見て僕は座り込みそうになりつつもホッとする。すると、背を向ける扉の向こうから声が聞こえてきた。
▽       ▽       ▽       ▽
「ウィル、カリナ・・・さっきはあんな風に誤魔化したけど、あのステータスと魔力は・・・異常よ ──。それに精霊王の寵愛だなんて見たことも聞いたこともないわ。オリジナルスキルだってそう・・・」
淡々とした声で母さんが語る。
「ああ、わかっている。だからこそ、俺たちがいざってときに支えてやらないといけない」
「ええ、そうね・・・・・・カリナ、あなたもリアムのステータスのことは誰にも言っちゃダメよ」
「・・・うん」
真剣に見据えて話す母さんに控えめな声で答えるカリナ。
「あの子のステータスを公にしていいのはあの子だけ。あの子の人生ですもの・・・それを選択するのも責任を持てるのもリアムだけよ」
母さんは真剣な声で話を続ける。
「・・・だからカリナ・・・あなたも自分の人生は自分で決めなさい」
「ッ!」
突然の対象変更に驚くカリナ。
「あなたも私たちの家族よ。リアムだけじゃない・・・。私たちはあなたの自由を一番に尊重するわ。でもその上で・・・リアムのことをお姉さんとして支えてくれると嬉しいわ」
「・・・・うん!」
「ありがとう・・・カリナ・・・。さぁ、あなたも明日があるわ。もうお休みなさい」
優しい声で感謝を述べて微笑みかけてくる母さん。母さんの言葉にカリナはゆっくり席を立つ。
「お休みなさい」
カリナはテーブルについている父さんと母さんに寝の挨拶をして、自分の部屋へと戻っていった。
▽      ▽      ▽      ▽
ウィルとアイナはカリナと3人で話をした後、まだ二人リビングのテーブルに残っていた。
「ウィル、もしあの子のことがあなたの実家に知れたら・・・」
「大丈夫さ。実家と俺は縁を切った。あっちからもお払い箱同然だったんだから・・・」
ウィルはどこか自虐するように答える。
「ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。ただもしものことを考えると・・・」
「ああ、わかってるさ」
玲瓏の夜半、その日の夜更けは時が過ぎるのを忘れさせるほどの静寂に包まれていた。
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