アナザー・ワールド 〜オリジナルスキルで異世界とダンジョンを満喫します〜
05 レイア
教会は、前世のカトリック式のような教会だった。
父さんと母さんは、門の前の受付で僕の洗礼式の出席確認をしている。一方で僕とカリナ姉さんはというと、これから行われる洗礼式について会話に花を咲かせていた。
「精霊契約の時の感覚ってどんななの?」
「フフフッ、だからそれは内緒だって。精霊と魔力が繋がる感覚はその人にとって大切な思い出となるものよ。だからリアムも自分で体験して知らないとね」
「チェー」
緊張している僕は緊張を解そうと洗礼式についてもう一度質問をするが、望んだ答えが返ってこず、思わず不貞腐れる。すると「不貞腐れるリアムも可愛いわ!」なんて言ってくるカリナ姉さん。このカリナ姉さんの対応にも実は最近慣れつつある・・・・・・慣れていいのだろうか?
そんな疑問を浮かべていると、出席確認の終わった父さんと母さんが僕たちの方へと歩み寄ってくる。
「出席確認は終わったぞ。それにもうすぐ集合のようだから、この首飾りをかけてリアムは門のところに行こうな」
「私たちは洗礼式の間門から教会の中へは入れないから、みんなと仲良く、良い子で頑張るのよ」
「うん!」
洗礼式に出席する証の首飾りを受け取り首にかけると、父さんと母さんがまるで一世一代の大勝負に向かう息子を応援するように送り出してくれる。僕は子供らしい返事をして門の方に向かっていった。
▽      ▽      ▽      ▽
門に集合し緊張して待っている僕に一人の女の子が話しかけてくる。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
突如挨拶されて僕は、狼狽ながらもなんとか挨拶を返した。
「あなた、リアム?」
「え?うん、そうだけど・・・・・・」
「そう、私はレイア。よろしく」
話しかけてきたのは可愛い女の子だった。ふわっとした白く長い髪にくりっとした緑色の碧眼をした女の子。
そして僕は同時に疑問に思う。
『こんな女の子にあったことあったかな?それに僕の名前を知ってるのはどうしてだ?』
僕は、突然話しかけてきた上に僕の名前を知っている彼女に困惑していた。すると、その女の子は僕の心情を察するように一つの方向を指差して、そちらを見るように促す。
そしてその方向にいたのは僕の家族だった。
「今はリアムの家族に隠れてチラッとしか見えないけど、うちの両親とおばあちゃんがあなたの両親と知り合いなの」
確かに父さんたちの影に隠れてその容姿はしっかり確認できないが、どうやら誰かと話をしているようだった。
「それにうちは薬屋さんをしててね。あなたのお父さんがよくうちにポーションを買いに来るの。その時にね、あなたのお父さんからリアムのことを何度か聞いて知っていたの」
なるほど。確かに父さんはダンジョンに行ったりすることもあるからポーションは必要だよな。ポーションをダンジョンの中で買うと高いらしいし。そんなことを考えながらジッと父さんを見る僕に、レイアもそちらの方に視線を固定する。
すると、僕の視線に気づいた父さんがこちらを見て「うまくやれよ!」とでも言うようにサムズアップをする。僕とレイアはそんな父さんを見て思わず苦笑いをする。
しかし、次の瞬間!
父さんたちの影に隠れていた赤い髪の女の人とカリナ姉さんに、父さんは路地裏に連行されていった。そして数秒後、その2人と共に一緒に帰ってきた父さんは、ボロ雑巾のようにそれはもうボロボロになっていた。
そんな様子を遠目から一緒に見ていた僕とレイアは互いに父さんたちから顔ををそらすと目と目がを合う。時間にして数秒、お互いに目を合わせた状態で固まってしまう。
「ッフフ・・・」
「ッフフフ・・・」
すると、突然レイアが少し息を漏らしすように笑いを我慢する。僕もつられて笑いをこらえる。
そして ──
「「あははははッ ──」」
ついに我慢していた二人の笑い声が決壊する。お腹を抱えるように笑う僕とレイアは、その後、教会の係員に静かにするように言われ笑いを抑える。何とか笑いを抑えた僕は、こちらも何とか笑いを抑えたレイアと再び目が合い、「フフッ」と軽く笑いあった。
父さんと母さんは、門の前の受付で僕の洗礼式の出席確認をしている。一方で僕とカリナ姉さんはというと、これから行われる洗礼式について会話に花を咲かせていた。
「精霊契約の時の感覚ってどんななの?」
「フフフッ、だからそれは内緒だって。精霊と魔力が繋がる感覚はその人にとって大切な思い出となるものよ。だからリアムも自分で体験して知らないとね」
「チェー」
緊張している僕は緊張を解そうと洗礼式についてもう一度質問をするが、望んだ答えが返ってこず、思わず不貞腐れる。すると「不貞腐れるリアムも可愛いわ!」なんて言ってくるカリナ姉さん。このカリナ姉さんの対応にも実は最近慣れつつある・・・・・・慣れていいのだろうか?
そんな疑問を浮かべていると、出席確認の終わった父さんと母さんが僕たちの方へと歩み寄ってくる。
「出席確認は終わったぞ。それにもうすぐ集合のようだから、この首飾りをかけてリアムは門のところに行こうな」
「私たちは洗礼式の間門から教会の中へは入れないから、みんなと仲良く、良い子で頑張るのよ」
「うん!」
洗礼式に出席する証の首飾りを受け取り首にかけると、父さんと母さんがまるで一世一代の大勝負に向かう息子を応援するように送り出してくれる。僕は子供らしい返事をして門の方に向かっていった。
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門に集合し緊張して待っている僕に一人の女の子が話しかけてくる。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
突如挨拶されて僕は、狼狽ながらもなんとか挨拶を返した。
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「え?うん、そうだけど・・・・・・」
「そう、私はレイア。よろしく」
話しかけてきたのは可愛い女の子だった。ふわっとした白く長い髪にくりっとした緑色の碧眼をした女の子。
そして僕は同時に疑問に思う。
『こんな女の子にあったことあったかな?それに僕の名前を知ってるのはどうしてだ?』
僕は、突然話しかけてきた上に僕の名前を知っている彼女に困惑していた。すると、その女の子は僕の心情を察するように一つの方向を指差して、そちらを見るように促す。
そしてその方向にいたのは僕の家族だった。
「今はリアムの家族に隠れてチラッとしか見えないけど、うちの両親とおばあちゃんがあなたの両親と知り合いなの」
確かに父さんたちの影に隠れてその容姿はしっかり確認できないが、どうやら誰かと話をしているようだった。
「それにうちは薬屋さんをしててね。あなたのお父さんがよくうちにポーションを買いに来るの。その時にね、あなたのお父さんからリアムのことを何度か聞いて知っていたの」
なるほど。確かに父さんはダンジョンに行ったりすることもあるからポーションは必要だよな。ポーションをダンジョンの中で買うと高いらしいし。そんなことを考えながらジッと父さんを見る僕に、レイアもそちらの方に視線を固定する。
すると、僕の視線に気づいた父さんがこちらを見て「うまくやれよ!」とでも言うようにサムズアップをする。僕とレイアはそんな父さんを見て思わず苦笑いをする。
しかし、次の瞬間!
父さんたちの影に隠れていた赤い髪の女の人とカリナ姉さんに、父さんは路地裏に連行されていった。そして数秒後、その2人と共に一緒に帰ってきた父さんは、ボロ雑巾のようにそれはもうボロボロになっていた。
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