話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

破壊の創造士

ノンレム睡眠

024:新しい土地



家(洞窟)へ戻ってきた。かなり速いペースで帰ってきたため俺は肩で息をしていた。

「それにしてもどうしたんだ?お前があんなに焦るのってかなり珍しくないか?」

 ミリアの焦った場面といえば、以前、俺が湯舟につかっている間に、誤って風呂場に入ってしまったときくらいだ。

「あそこに、あの下にいたの。魔人の配下が、、、。それもメルガンに劣らないくらいの。」

 やはりそうか。俺も敵を見て、前戦の相手と一致するところがいくつかあるとは思っていた。種族や見た目、オーラなどがそれにあたる。五階層までのダンジョンの敵は取るに足らなかった。。あんな魔物が急に出てくること自体おかしいのだ。まさか六階層から急激に魔物が強くなるということはないだろう。人為的なものとみるのが自然である。
 ミリア曰く、俺が戦っている間に千里眼を飛ばし、例の配下の情報を覗いたらしい。ステータス自体は俺のたった2倍程度だがスキルは阻害されて見れなかったらしい。
 突っ込みどころが満載である。まずミリアにそんなスキルがあったということだ。俺の正体がばれているかもしれないと少々焦ったが、なにせ俺の場合、名前とスキルはわからないようだ。多分俺が異世界人であることが関係している。
 次に『たった俺の二倍』という発言だ。俺のステータスはレベル30とはいえ4人のSSランクの配下達のステータスが加算されているのだ。その二倍の敵も恐ろしいのだが、ミリアさん。あなた何者だよ。

「ところでリューク様。その手に入れた魔石は黒色をしていますが中身はご確認なさいましたか?」

 俺の手元に黒色の魔石が置かれている。

「確かにまだ見ていないな。黒だから最低100万は入っていると思うが。」

  透世眼で魔素量を覗いてみる。

  
 ダンジョン主の魔石   黒     含有魔素500,000,000Mq

・・・はい?

 俺は何度も数値を数え直した。

「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん、せんまん、いちおく、、、、5億!?」

 俺は驚きに声を上げた。

「 5億ってことは、金銭にすると25億、、、。それにダンジョン主の魔石ってなんだ?」

「 ダンジョン主の魔石はそのまんまの意味でダンジョン主が落とす魔石ですよ。ダンジョンは、ダンジョン自身が、ダンジョンの主を決めるって聞いたことがありませんか?多分あのスケルトンがダンジョンで一番強かった魔物だったからダンジョン主が変更されたのではないかと。そしてその魔石にはダンジョンのすべてが詰まっています。ダンジョンの歴史が深ければ深いほど多くの魔素を含みます。結構前からあるダンジョンだったのかもしれませんね。」

 人民の人民による人民のためのアレみたいな印象だが成程だ。ミリアやその魔人の配下は、種族として「人」に含まれるからダンジョン主に選ばれることはない。あくま選ばれるのは魔物ということか。


「それにしても魔石一つで魔素量5億など耳にしたこともない数字です。一体ダンジョンでどんな死闘をなされたのですか?」

 何も知らないメイド組にもこの話を伝えた。


 

「はっきり言って、魔素は1億Mq集まれば十分だと思っていた。後3か月ほど滞在する予定だったが今日中に出発しよう。例の魔人の配下が近くにいるのであれば尚更だ。」

「わかりました。早急に支度に入らせていただきます。」

「いや、物は持っていく必要はない。俺が処分しよう。」

 俺は物質創造したものをすべて焼き払った。少しもったいないような気もするが、また作れるものなので問題はない。逆に残しておいたらいずれ劣化して洞窟内は劣悪な環境になるだろう。特に誰も来ない洞窟ではあるが立つ鳥跡を濁さずだ。

「大体二時間ほど歩けば洞窟の反対側に出られるみたいだ。特に危険は無いと思うが気を緩ませないように。」

 これはフラグではない。ただ俺たちが魔人にマークされいているのは一目瞭然だ。いつどこで遭遇してもおかしくない。そのまま俺たちは警戒を怠らず歩き続けた。



 丁度2時間が経った頃、目の前に明かりが差し込んでいるのが見えた。

「ほう、ほう、ようやく着いたようですな。老体にはちときつい距離じゃったな。」

「もう、ジークお爺ちゃん。冗談を言ってないで早く行こうよ!」

「冗談ではないんじゃが、、、。」

 俺たちは外に出た。

「うわぁ」

 全員が感嘆を漏らした。

 そこに広がっていたのは地平線まで続く広大な草原であった。茂る草ぐさは日の光に照らされ金色に輝いている。風が吹くたびに草が揺れる。揺れる草が金の露を振りぬぐい、青々とした健壮な姿を露にした。この草原の中心に、例えば神殿があったとしても誰も違和感を感じないだろう。そんな神秘的な風景に俺たちは言葉を失った。
 そんな俺の目の前に、一人の少女が楽しそうに草原を駆けていた。その少女は俺のほうを向くと、ニッコリと白い歯を見せた。
 ・・・舞!?
 俺は彼女に向かって駆け出そうとしたがそれは叶わなかった。

「リューク、どうかしたの?凄く悲しそう。」

 俺は心配そうな顔をするミリアに腕をつかまれ我に還った。もう一度草原を見ると、そこには誰もいなかった。

「それにしても、いい場所ですな。今すぐにでも寝ころびたい気分だわい。」

「リュンムもジークお爺ちゃんとー緒に寝るー!」
 
 俺の配下達は皆楽しそうだ。

「どうかしましたか?リューク様がそんな顔なさるなんて珍しいではないですか。ここが私たちの新しい出発点です。元気を出してください。」

「そう。フレイアの言う通り。リュークが元気じゃないと皆不安。元気出して?」

 俺は二人に励まされ、先のことを一度忘れることにした。






「それじゃあ今から材料集めを開始する。必要なものは 石 木材 の二つだ。気になったものがあれば落ち帰ってきてくれ。分担して集めるぞ。」

 小一時間休憩を挟んだのち、家や生活環境を整えるための材料集めを始めた。一応5時間を目安としてできるだけ多く集めることにした。
 力のあるミリアとリュンム以外の戦闘組3人は石材担当。あとは俺率いる木材組だ。ただの材料集めといっても、もちろん魔物に遭遇しないわけではない。

『グギャャャャ』

 今もリュンムが間違えて、木型の魔物に斧を食い込ませた。

 ウッドスピリット   Lv78

 HP       550

 MP       380

 AP       280

 IP       385

 GP       185

 SP       200

スキル:

自己再生Lv4    精霊Lv5    攻撃耐性Lv2





 それもここ周囲の魔物、結構強いのだ。多分ランクはBなのだろうがレベルが高い。早く魔素でレベルを上げたほうがよさそうだ。

 
 
 あっという間にみじん切りにされるウッドスピリット。こちらが仕掛けたのに。少し可愛そうだな。

「こらリュンム。さっきから気をつけろと言ってるだろ?」

「ごめんなさい。でも魔物を見えるとウズウズしちゃうの。」

 意図的にやっていたのか。成程この子は所謂戦闘狂なるものなのだろう。

「別に悪いことではないが、ここの魔物は弱い。お前を満足させるやつはいないだろう。戦うだけ無駄だよ。」

「そうなんだ、、、。」

 というのはウソである。ここの魔物は強い。リュンムよりステータスが高い魔物は何度か見た。だが戦闘狂の性格として、強い魔物がいれば戦いたくなるというのは知っている。だから敢えてそういうことにした。

「さて、そろそろ5時間経つが、、、ちょっとやりすぎたな。」

 時間内にできるだけ沢山集めるのが目標だったのだが、ぼこぼこと木を殴り倒しているうちに気づいたら周りに木がほとんどなくなっていた。ちなみに前に俺は空間魔法を使えないことに不満を持ったが、物質創造でそれを可能とするバッグを創ることに成功した。俺のMPがすっからかんになるほどの魔力が必要であったが、実用性が高すぎる。創ってよかった。

「戻るぞ。」

 これ以上は完全に環境破壊なので、ここでストップだ。





 俺たちが集合場所に着くと、いや、着く前から遠目に見えるアレにいやな予感しかしなかったが、 そこにあったのは大きな山だった。

「坊ちゃん、どうじゃこの岩の山は。向こうにあった岩山を破壊してバラバラになったものを運んできて積み上げたのじゃ。これで立派な城が創れるのぅ。」

 ・・・それ地形変更してないか、、、。

「ご主人様、私たち頑張りましたわ。皆々のスキルを総動員した努力の結晶です。フレイアちゃんの竜神化も初めて見れましたし、私は大満足です。さあ、早くお城を創りましょう!」

・・・いや、努力の結晶というものは岩の山なんかではなく、もっと綺麗な宝石であるべきだ。

 それにしてもこいつらは馬鹿なのか?俺たちも相当な量の木材を集めたが、森一つをさら地にしてきたわけではない。それに初手から城を創ると思っているのか、、、。
 一番困るのはこの輝く瞳から送られる視線。こいつらはいったい俺に何を期待しているんだ。、、、やはり城か。いくら国を創ろうといっても、安定するまで普通の家を創って住まおうと考えていた。だが彼らを見るとかなり疲労している。ダンジョンで3時間行動を続けても疲労を感じない奴らだ。相当無理をしたのだろう。現に岩山を一つ破壊している。俺の『メテオ・アジュール』3発でも不可能な量だ。ここで俺が拒否すれば配下の努力を受け入れない無慈悲な主人というレッテルが張られるかもしれない、、、。かといって城という巨大なものを想像して創造するのもかなり骨だ。、、、難しい選択だな。
 
 熟考に熟考を重ね俺の出した解決案は、少しずつ組み立てていくというものだ。これなら配下達の努力も汲み取れるし、俺の脳味噌も安全だ。
 
 そうして城が完成したのは、俺の凝り性が発動してしまったこともあり1か月もかかってしまった。それまでは考えていた通り、普通の家を創って生活した。
 

「破壊の創造士」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く