破壊の創造士
020:戦いの後で
俺が目を覚ますと、真っ白な天井に迎えられた。
どこかの病室?のようだ。隣を見るとミリアが丸椅子に座りながら眠っている。俺は自分の記憶をさかのぼる。
・・・そうだ。俺は創造魔法を打って倒れたのだ。
無事に二人生きているということは、アイツを、メルガンを倒せたということか。
 
 ・・・戻らない命もあるが、、、。
 俺が悲観的になってると、扉の開く音とともに一人の少女が尻尾を振りながら俺の胸に飛び込んできた。
 「リュークさまぁ~。死んじゃったかと思ったよぉ」
そこにいたのは、、、死んだはずの仲間の一人、リュンムであった。
それに遅れて3人の配下達が入ってきた。
「リューク様、、、。生きていてくださってんですね。」
「うぅ~、もうダメかと思いました~。」
「ワシはわかっておったぞ。坊ちゃんがこれしきで死ぬわけがあるまい。」
「んん、、、あ、リューク、、、よかったぁ。」
騒がしくしたせいか、ミリアが目を覚まし、涙を溜めて俺に笑顔を向けた。
・・・凄くうれしい。
まあそれはそれとして、それぞれ俺が生きていたことに安心しているようだが、なんか違和感を感じる。
「いやいや、それはこっちのセリフなんだけど。なんでお前等生きてんの??」
俺が不思議そうに問いかけると
「その言い方はひどいじゃないですか。私たちはご主人様のおかげで、今も元気に生きていますよ!」
「俺の、、、おかげ?」
「そうじゃ、坊ちゃんのおかげですぞ?まさかあんな魔法まで使えるとは、、、。ワシ等は怖いものなしですな。」
俺は全く意味が分からなかった。それではまるで俺が蘇生したみたいではないか。
「多分、リュークは自覚ない。」
そう言うとミリアは説明を始めた。
「リュークの最後の魔法は、『生死転換魔法』。生命の失われたものに生を与え、命あるものの生命を消滅させる。そのおかげで皆生き返った。メルガンも生命を得たけど、媒体がスケルトンだからそのまま崩れていった。致命傷くらいなら失くして蘇生できるけど、死んでから時間がたったスケルトンや、もともとスケルトンとして生まれてきたものは怨念をエネルギーに生きているからそれが生命に変換されたら体を保てなくなる。でも、その気になれば町一つ丸ごと潰せる魔法。使わないほうがいい。」
成程我ながら凄まじい魔法を撃ったものだ。
確かに俺は魔法内容を想像しなかった。ただただメルガンを消滅できればいい。そう思って魔法を展開した。
しかし、その思考の中に失われた仲間への思いも含まれていた。それが魔法に影響を及ぼしたのかもしれない。
・・・あの魔法は当分撃てないだろうな。
 というのも、俺が魔法を創造したのは普段道理の想像によるものではなく、あふれ出る感情を乗せたものであったからだ。
あんな気持ちの高ぶり、そうそう起こるものではない。
「ところで俺ってどのくらい眠ってた?」
「大体の5日。みんなでローテーションして看病してた。」
「ミリア様はずっと付きっきりでしたけどね。」
 ラルファの言葉にミリアが顔を赤くする。なるへそ、俺は幸せ者か、、、。
「ありがとミリア。それにお前らにも心配をかけたな。すまなかった。」
「、、、貸し1つね。」
そう言うミリアだったが口元が微笑んでいた。・・・あら可愛い
「遅くなり申し訳ございません。」
メイド長のカミラを先頭にメイド組が入ってきた。
「リューク様の終古の契による存在が大きくなったのを感じて屋敷から飛んでやった来ましたが、無事お目覚めくださり安心しました。ところで、ご主人様宛に手紙がございます。」
 俺は彼女から手紙を受け取り、封を切って内容に目を通した。
・・・まあそうなるわな、、、。
俺は配下達の反対を押し切って、プリンタ商会へ向かった。
   ★            ★              ★
「・・・というわけで、すまないが君との契約はここで打ち切らせてもらう。」
 目の前の男、プリンタ商会会長が言いにくそうにそう口にした。
「起こってしまったことは仕方ありません。商会のことを考えたらそうするのが当然でしょう。私も飲みますよ。」
「そう言ってもらえると有難い。我が商会にとって君は大きな利益そのものだ。手放したくはない。だけど背に腹は代えられない。命あっての商売だからね。」
「、、、魔人がこういうことをするのは良くあることなんですか?」
 どうせだから有益な情報はいただいていく。
「いや、魔王が討伐されてから3か月ほどはよくあったが最近はめっきりだったな。その言い方だと君の故郷は魔人の影響を受けていないのか?どこもひどいやられようだと聞いた。」
「受けたよな、受けなかったような、、、。」
 俺はごまかしてなんとかやりきった。
「そう言えば最近不審な情報を手に入れたんだ。聞くかい?」
 ・・・ほうほう気になる。俺はお願いすると、
「どうも元勇者は魔王を取り逃がしていたみたいだ。」
「もっと聞かせてください。」
 俺はミリアのこともあって、魔王についての情報は聞いておきたかった。
「勇者が魔王討伐に向かったときにかなりの国の兵士を連れて行ったんだ。潰す対象が国一つだったからな。勇者一同だけが魔王城に入っていき、兵士たちは城下町の制圧をしていたんだが、その何人かが魔王が町外へ逃げていったのを見たというんだ。目撃者はその後ずっと行方不明なんだが、、、不思議だろ?」
「その兵士たちは魔王の面識があったんですか?」
「ああ。魔王の容姿は有名だったからな。」
 魔王についての話を区切り、そのあと様々な情報を聞き出した。
 病室へ戻ると全員がそこにいた。
「リューク様、お体は大丈夫ですか?」
「ありがとうフレイア、全く問題ない。」
 そして俺は全員から等しい位置に立ち、咳払いを一つして全員の視線を集め、意を決めて言った。
「俺はこの町を出ようと思う。」
 それに続く言葉はなかった。
どこかの病室?のようだ。隣を見るとミリアが丸椅子に座りながら眠っている。俺は自分の記憶をさかのぼる。
・・・そうだ。俺は創造魔法を打って倒れたのだ。
無事に二人生きているということは、アイツを、メルガンを倒せたということか。
 
 ・・・戻らない命もあるが、、、。
 俺が悲観的になってると、扉の開く音とともに一人の少女が尻尾を振りながら俺の胸に飛び込んできた。
 「リュークさまぁ~。死んじゃったかと思ったよぉ」
そこにいたのは、、、死んだはずの仲間の一人、リュンムであった。
それに遅れて3人の配下達が入ってきた。
「リューク様、、、。生きていてくださってんですね。」
「うぅ~、もうダメかと思いました~。」
「ワシはわかっておったぞ。坊ちゃんがこれしきで死ぬわけがあるまい。」
「んん、、、あ、リューク、、、よかったぁ。」
騒がしくしたせいか、ミリアが目を覚まし、涙を溜めて俺に笑顔を向けた。
・・・凄くうれしい。
まあそれはそれとして、それぞれ俺が生きていたことに安心しているようだが、なんか違和感を感じる。
「いやいや、それはこっちのセリフなんだけど。なんでお前等生きてんの??」
俺が不思議そうに問いかけると
「その言い方はひどいじゃないですか。私たちはご主人様のおかげで、今も元気に生きていますよ!」
「俺の、、、おかげ?」
「そうじゃ、坊ちゃんのおかげですぞ?まさかあんな魔法まで使えるとは、、、。ワシ等は怖いものなしですな。」
俺は全く意味が分からなかった。それではまるで俺が蘇生したみたいではないか。
「多分、リュークは自覚ない。」
そう言うとミリアは説明を始めた。
「リュークの最後の魔法は、『生死転換魔法』。生命の失われたものに生を与え、命あるものの生命を消滅させる。そのおかげで皆生き返った。メルガンも生命を得たけど、媒体がスケルトンだからそのまま崩れていった。致命傷くらいなら失くして蘇生できるけど、死んでから時間がたったスケルトンや、もともとスケルトンとして生まれてきたものは怨念をエネルギーに生きているからそれが生命に変換されたら体を保てなくなる。でも、その気になれば町一つ丸ごと潰せる魔法。使わないほうがいい。」
成程我ながら凄まじい魔法を撃ったものだ。
確かに俺は魔法内容を想像しなかった。ただただメルガンを消滅できればいい。そう思って魔法を展開した。
しかし、その思考の中に失われた仲間への思いも含まれていた。それが魔法に影響を及ぼしたのかもしれない。
・・・あの魔法は当分撃てないだろうな。
 というのも、俺が魔法を創造したのは普段道理の想像によるものではなく、あふれ出る感情を乗せたものであったからだ。
あんな気持ちの高ぶり、そうそう起こるものではない。
「ところで俺ってどのくらい眠ってた?」
「大体の5日。みんなでローテーションして看病してた。」
「ミリア様はずっと付きっきりでしたけどね。」
 ラルファの言葉にミリアが顔を赤くする。なるへそ、俺は幸せ者か、、、。
「ありがとミリア。それにお前らにも心配をかけたな。すまなかった。」
「、、、貸し1つね。」
そう言うミリアだったが口元が微笑んでいた。・・・あら可愛い
「遅くなり申し訳ございません。」
メイド長のカミラを先頭にメイド組が入ってきた。
「リューク様の終古の契による存在が大きくなったのを感じて屋敷から飛んでやった来ましたが、無事お目覚めくださり安心しました。ところで、ご主人様宛に手紙がございます。」
 俺は彼女から手紙を受け取り、封を切って内容に目を通した。
・・・まあそうなるわな、、、。
俺は配下達の反対を押し切って、プリンタ商会へ向かった。
   ★            ★              ★
「・・・というわけで、すまないが君との契約はここで打ち切らせてもらう。」
 目の前の男、プリンタ商会会長が言いにくそうにそう口にした。
「起こってしまったことは仕方ありません。商会のことを考えたらそうするのが当然でしょう。私も飲みますよ。」
「そう言ってもらえると有難い。我が商会にとって君は大きな利益そのものだ。手放したくはない。だけど背に腹は代えられない。命あっての商売だからね。」
「、、、魔人がこういうことをするのは良くあることなんですか?」
 どうせだから有益な情報はいただいていく。
「いや、魔王が討伐されてから3か月ほどはよくあったが最近はめっきりだったな。その言い方だと君の故郷は魔人の影響を受けていないのか?どこもひどいやられようだと聞いた。」
「受けたよな、受けなかったような、、、。」
 俺はごまかしてなんとかやりきった。
「そう言えば最近不審な情報を手に入れたんだ。聞くかい?」
 ・・・ほうほう気になる。俺はお願いすると、
「どうも元勇者は魔王を取り逃がしていたみたいだ。」
「もっと聞かせてください。」
 俺はミリアのこともあって、魔王についての情報は聞いておきたかった。
「勇者が魔王討伐に向かったときにかなりの国の兵士を連れて行ったんだ。潰す対象が国一つだったからな。勇者一同だけが魔王城に入っていき、兵士たちは城下町の制圧をしていたんだが、その何人かが魔王が町外へ逃げていったのを見たというんだ。目撃者はその後ずっと行方不明なんだが、、、不思議だろ?」
「その兵士たちは魔王の面識があったんですか?」
「ああ。魔王の容姿は有名だったからな。」
 魔王についての話を区切り、そのあと様々な情報を聞き出した。
 病室へ戻ると全員がそこにいた。
「リューク様、お体は大丈夫ですか?」
「ありがとうフレイア、全く問題ない。」
 そして俺は全員から等しい位置に立ち、咳払いを一つして全員の視線を集め、意を決めて言った。
「俺はこの町を出ようと思う。」
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