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破壊の創造士

ノンレム睡眠

019:怒りの破壊魔法

俺はミリアへ放たれた斬撃を押し返し、メルガンと向かい合っている。相手はスケルトンというだけあって、近くで見ると結構怖い。


「さて、勇士あるお前にの行動は賛美なものだが、覚悟はできているんだな?」


 メルガンの目の空洞の向こうが怪しく光る。


「あんたも、こんな美人を手にかけようとするなんて流石は肝が座っていらっしゃる。」


 そういうと、メルガン目の奥の光が止んだ。・・・まずい、怒らせたか。しかし唇のない口を僅かに上げ、奴は言った。


「フフフ、ハハハハハ! お前、私がこんなに殺気を飛ばしているにもかかわらずそんな冗談を言うか!面白い。いい戦いを期待しているぞ。」


 成程、さっきから感じるこの寒気が殺気か。ミリアのものと比べたら犬の挑発以下だ。


 メルガンはまがまがしい鎌を構えた。俺も剣を両手で掴み、先を相手へと向けた。


「いくぞ!」


 その瞬間、俺の眼前からメルガンの姿が消えた。
何か来ると察知した俺は反射の勢いで後ろへ飛んだ。そのコンマ遅れで俺のもともといた地面がはぜた。そこには地面に鎌を深々と突き刺したメルガの姿があった。
・・・早くて見えない。
途端、相手の目が青白く光った。俺の目の前で魔方陣が展開される。まずい。


『デーモンスピア』


『パーフェクトガード』


 紫色の槍の雨が俺の前から降り注ぐ。俺はパーフェクトガードによりダメ―ジは受けないものの、その一本一本が重く、一度当たるごとに後方へ飛ばされていた。
 その魔法は最近創造できるようになったもので、すべての攻撃をはじくことができるのだが、全く万能とは言えない。
 まず、想像を続けなければ効果が持続しない。一度発動したからといって常に魔法が働くわけではないのだ。
 次に、想像を続けるのがかなり負担。想像内容的に難しい。なので魔法の持続が長くはできない。
 最後に、想像を続けなければならないこういった系統の魔法は、思考の殆どを想像に奪われるため,その他に思考を回せなくなるのだ。即ち、隙ができる。
 攻撃がやむとともに、俺も想像を止め、魔法を解除した。かなり頭が痛い。長い時間想像しすぎてしまったようだ。目の前が鼓動に合わせて赤くなる。俺は体勢を整えるよう相手から距離を取ろうとバックステップをしたが・・・遅かった。
 奴の拳が俺の腹に食い込む。ベキベキと骨の折れる音が体の内から鳴り響いた。そのまま吹き飛ばされ、防壁に凹みを作ってそのまま前のめりに倒れる。


「リューク様!!」


俺はまだ意識を保っていた。配下達が駆け寄ってきた。俺を抱きかかえているもの、泣きそうになっているもの。その全員がなにか決意を固め俺のほうを見た。


「坊ちゃん。わしらも戦おうと思う。」


初めに口を開いたのはジークルスだった。。


「な、、、なにを、、。」


嫌な予感を感じた俺のこわばった口からは、それしか漏れなかった。


「リューク様。私たちも戦います。主人であるあなた様の命が危険にさらされているなか、なにもせず見ているなどもはや家臣ではありません。それに私たちは、リューク様をここまで痛めつけたあれを許せません。」


フレイアがの顔は決意に満ち溢れていた。


「無理だ、、、。お前らじゃあ、あいつは、、、。」


「はい。倒すことはできないでしょうね。ですが。」


ラルファがすがすがしい顔でそう言うと、


「私たちを信じてください。」


その言葉を最後に、配下達が俺に背を向け武器を構える。


「良い主従関係だ。それに敬意を払って、苦しまないように殺してやる。」


「リューク様のため、奴に一矢でも報いるぞ!」


ジークルスが仲間の士気を高めると、彼を先頭に相手に向かっていった










「儚い。実に儚い。」


 あれから1分がたっただろうか。奴の足元には4人の亡骸が横たわっていた。


「絆とはまさに儚い物よ。」


「黙れ、、、。」


「しかし彼らの行動は間違いではなかった。命をささげた主に危害を与えるものを排除する。家臣として当然の務めだ。故に、、」


「だから黙れと言っているだろう!!」


俺は動かない体に鞭を打って立ち上がった。


「ほう、その体でまだ立つか。だがお前はもう戦えない。立っているのが限界のはずだ。」


「許さねえ、、、。」


 俺は配下達が好きだった。信頼していた。俺に尽くしてくれるし、今も俺のために命を捨てて、勝てないとわかっている敵に向かっていった。
まだ関わって一日も経たない仲ではあったが、これからの親交に期待し、共に助け合う冒険の日々を何度も夢に見てきた。
 その俺の大切な配下の命を、アイツは意とも簡単に散らせた。俺の希望を砕いたのだ。


「家臣の命一つ一つを気にかけているようでは、到底主人にはなり得ないというものだ。配下が死んでよかったではないか。それを乗り越えるのは早いうちが良い。まあ、今から同じ所へ連れて行ってやるからあまり関係のないことなのだがな。」


 奴の言葉に、俺の中の何かが切れた


「消えてなくなりやがれぇー!!」


俺は怒りに身を任せて魔法創造を開始した。魔法のビジョンなどどうでもいい。ただ奴を消失させられる、消失させられる、藻屑となしえる。それだけが可能ならなんでもかまわない。この煮えたぎる怒りを、悲しみを、その全てを乗せて魔法を発動する。


「リタリエイション!!」


 俺の目の前に巨大な柱が走ったのが分かった。それっきり何もわからなくなってしまった。



















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