破壊の創造士
004:謎の少女
 俺は夢をみた。広がる荒地で二つの大軍が向かい合っている。鋭い殺気と緊張感から、その二つの軍隊の合間に空間の歪みを幻視させた。西の大軍の最前列。そのちょうど中心の前方にたたずむ俺と、その隣には少女が立っている。そしてその後ろには、俺に従事するように三人少女が笑顔で立っていた。
東の大軍。その最前列に一人、15歳ほどの日本人の容姿をした少女が立っている。その後ろには、少女と同様、三人の黒髪、黒目の男が立っていた。
 笛が鳴った。開戦の合図だ。それと同時に両軍、雄たけびをあげて武器を片手に走り出した。
 
 目を覚ますとそこにはフードを深く被った少女が火を焚いて座っていた。当たりを見回すと、森だった周りの風景はまるで変って静かな洞窟となっていた。
「ようやく起きたのね。」
少女は無表情で俺に問いかけた。
「俺を助けてくれたのか?」
「森で寝ていたのを引っ張ってきただけ。」
抑揚の少ない小さな声のまま続けた。
「それより、さっきの魔法はあなたが打ったの?」
「ああ、初めて打った魔法でな、成功したと思ったら気を失っちまったみたいだ。」
そうか、と答える少女だが何か考えているようだ。
その間に俺は彼女のステータスを透世眼で覗いておいた。
 ラミル・クート・シラキス Lv?? ???
  HP    ???
  MP    ???
  AP    ???
  IP    ???
  GP    ???
  SP    ???
固有スキル:???
呈上スキル:???
・・・とりあえず分かったことは、少なくとも俺よりは実力が高いことと名前くらいだ。
少女が尋ねる。
「ところであなたの名前は?」
「神や、、、いや、リューク・デ・エルファだ。君は?」
きっとこの世界は勇者のこともあって日本人系の名前は好まれないだろうと、俺は瞬時に思い出した名前を口にした。
、、、確かPCゲームでよく使っていたユーザーネームだ。由来は忘れてしまった。
「私は、、、ミリア、とでも呼ぶといいわ。」
 ・・・こいつもか、、、。
 俺は彼女が、何か隠していることに気が付いた。
 しばらくして、会話をしているうちに彼女は付いてくることになった。別に俺が口説いたわけじゃない。事情があって俺みたいな最東国の辺境で暮らしていたもの知らずについていく必要があるようだ。 (そういう設定にした。)
彼女によると、この洞窟を抜けて真っすぐいったところに町があるようなのだが、
「おい、まったく森を抜けないぞ。」
「この森は深いからしょうがない。たぶん、、、あってる。」
「たぶんってなんだよ、たぶんって、、、。」
俺らはかれこれ体感時間にして二時間ほど走っているのだ。それなのに、いくらたっても森の出口に行きつけない。
「リューク、左から来てる。」
「またか、、、。」
左から出てきたのは額から一本角を生やした熊だった。
洞窟から出たものの、俺たちは何度もこのような魔物に遭遇している。
つい先ほども、牙が鋭いうさぎに襲われたし、巨大なナメクジに出会ったときは嘔吐しそうになった。ナメクジくらえ、、、。
「あーめんどくさいなぁ、バーニングキャノン!」
熊もどきに魔法をあぶせる。ちなみにこれは最初に創造した魔法で、やはりかなりの威力がある。
何度か想像を繰り返したおかげで慣れたのか、ぶっ倒れたりはしないものの、十発目になる今の魔法で少し頭が熱くなってきた。名前?かっこいいからいいんだ。ちなみに創造した剣では歯もたたなかった。・・・ミリアはある事情で戦闘には参加できないらしい。大人の事情と言っていたがどう見ても俺のほうが年上である。代わりに彼女は魔物の落とした魔石やアイテムを拾っていた。
「ふぅー、ちょっと頭が熱いな。」
「グッジョブよ、グッジョブ。」
「はぁ、いいご身分だな。」
そんな無駄口をたたきながら走っていると、とうとう森の出口が見えた。
「長かったなー。あそこに見える光って町のか?」
俺がミリアの方に向かって問いかけると、彼女は少し深くフードを被り直したようにして、
「うん、そう。」とだけ。
 彼女の目をよく見ると黄色と紫のオッドアイを持っており、それが少し寂しげに見えた。
東の大軍。その最前列に一人、15歳ほどの日本人の容姿をした少女が立っている。その後ろには、少女と同様、三人の黒髪、黒目の男が立っていた。
 笛が鳴った。開戦の合図だ。それと同時に両軍、雄たけびをあげて武器を片手に走り出した。
 
 目を覚ますとそこにはフードを深く被った少女が火を焚いて座っていた。当たりを見回すと、森だった周りの風景はまるで変って静かな洞窟となっていた。
「ようやく起きたのね。」
少女は無表情で俺に問いかけた。
「俺を助けてくれたのか?」
「森で寝ていたのを引っ張ってきただけ。」
抑揚の少ない小さな声のまま続けた。
「それより、さっきの魔法はあなたが打ったの?」
「ああ、初めて打った魔法でな、成功したと思ったら気を失っちまったみたいだ。」
そうか、と答える少女だが何か考えているようだ。
その間に俺は彼女のステータスを透世眼で覗いておいた。
 ラミル・クート・シラキス Lv?? ???
  HP    ???
  MP    ???
  AP    ???
  IP    ???
  GP    ???
  SP    ???
固有スキル:???
呈上スキル:???
・・・とりあえず分かったことは、少なくとも俺よりは実力が高いことと名前くらいだ。
少女が尋ねる。
「ところであなたの名前は?」
「神や、、、いや、リューク・デ・エルファだ。君は?」
きっとこの世界は勇者のこともあって日本人系の名前は好まれないだろうと、俺は瞬時に思い出した名前を口にした。
、、、確かPCゲームでよく使っていたユーザーネームだ。由来は忘れてしまった。
「私は、、、ミリア、とでも呼ぶといいわ。」
 ・・・こいつもか、、、。
 俺は彼女が、何か隠していることに気が付いた。
 しばらくして、会話をしているうちに彼女は付いてくることになった。別に俺が口説いたわけじゃない。事情があって俺みたいな最東国の辺境で暮らしていたもの知らずについていく必要があるようだ。 (そういう設定にした。)
彼女によると、この洞窟を抜けて真っすぐいったところに町があるようなのだが、
「おい、まったく森を抜けないぞ。」
「この森は深いからしょうがない。たぶん、、、あってる。」
「たぶんってなんだよ、たぶんって、、、。」
俺らはかれこれ体感時間にして二時間ほど走っているのだ。それなのに、いくらたっても森の出口に行きつけない。
「リューク、左から来てる。」
「またか、、、。」
左から出てきたのは額から一本角を生やした熊だった。
洞窟から出たものの、俺たちは何度もこのような魔物に遭遇している。
つい先ほども、牙が鋭いうさぎに襲われたし、巨大なナメクジに出会ったときは嘔吐しそうになった。ナメクジくらえ、、、。
「あーめんどくさいなぁ、バーニングキャノン!」
熊もどきに魔法をあぶせる。ちなみにこれは最初に創造した魔法で、やはりかなりの威力がある。
何度か想像を繰り返したおかげで慣れたのか、ぶっ倒れたりはしないものの、十発目になる今の魔法で少し頭が熱くなってきた。名前?かっこいいからいいんだ。ちなみに創造した剣では歯もたたなかった。・・・ミリアはある事情で戦闘には参加できないらしい。大人の事情と言っていたがどう見ても俺のほうが年上である。代わりに彼女は魔物の落とした魔石やアイテムを拾っていた。
「ふぅー、ちょっと頭が熱いな。」
「グッジョブよ、グッジョブ。」
「はぁ、いいご身分だな。」
そんな無駄口をたたきながら走っていると、とうとう森の出口が見えた。
「長かったなー。あそこに見える光って町のか?」
俺がミリアの方に向かって問いかけると、彼女は少し深くフードを被り直したようにして、
「うん、そう。」とだけ。
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