まだ決めてない‪w

莉玖

~プロローグ~

4月9日──私立光学園入学式

青く澄んだ空には、雲一つない。とても綺麗で、入学式にはぴったりだ。新しい制服に、お揃いのスクールバッグ。幼なじみの俺たち5人は、今日、この私立光学園に入学したんだ……!なんか誇らしい。
清月きづき?どしたん?」
月夜つくよに声をかけられて、はっと我に返る。
「なんでもないで」
「そーなん?」
「じゃあ写真撮ろ!5人で!」
蒼雨そうの提案にみんなが賛成する。
「真ん中誰にするー?」
「すずでいいんちゃう?」
すずこと涼風すずかぜは、明日が誕生日。
「えー?いいん?詩花しのはも3日誕生日やったやん?」
「うちはもうみんなに祝ってもろたし、すずが行き!」
「じゃあすずが行くわ。ありがと!」
「うん。うちはすずの隣行くー!」
「清月たちはどーするんー?」
───向かって左から、月夜、清月、涼風、詩花、蒼雨となった。
「撮るでー!月夜もうちょい真ん中寄ってー!蒼雨、顔かたいでー!あんた写真撮る時いっつもそやな。笑顔、笑顔!」
撮ってくれるのは、詩花のお母さんの碧羽あおはだ。
「ハイ、チーズ!」
「ハハハハハ…!」
全員が大爆笑した。
「ちょっとー!あおちゃん、変顔せんといてーや!撮り直そ!」
「えっー!しゃーないなぁ。いくで!ハイ、チーズ!」
パシャ 、、 と音がなる。
平和な日々のワンシーンを切りとった1枚。
高校生になって初めての1枚。
よくある光景。
いつも見ている光景。

──この光景は、毎日ずっと続くものだと、皆が思っていた──。







「完成や……!」
背筋が凍りつきそうな声が、暗い部屋の中を貫く。
「これで、日本を…世界を……!駆逐できる──!」
人影が、パソコンに文字を打ち込む。そして、不気味に笑った。

【to:Japan
4/9 PM.11:40   準備は完了だ。
さぁ、ゲームを始めよう】 ─Enter─



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