最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~
16.これが最強の戦い方
絶え間ない砲撃は今も続いている。そんな中サバトは意外な所から突破口を見つけた。
いける……これならたぶんいける。今のでピンと来たぜ。このチート級ラスボスの攻略法が―――
「そうとわかれば―――っ!?」
一瞬気を抜いてしまった。その一瞬を見逃す事無く邪神が急接近する。
「しまっ」
邪神が大降りの拳を振るう。咄嗟に防御したサバトだったが、完全には間に合わず吹き飛ばされ王城の一角に叩きつけられてしまう。
「ウウゥゥ」
邪神が追撃のために視線を下ろす。サバトは額から血を流しつつもすぐに立ち上がり、すかさず魔法を繰り出す。
「テンライ!」
空に雷雨が出現し、そこから雷が邪神に降る。邪神は叫び声を上げた。その隙に上空へ飛び出し元の位置まで戻る。
「ちっ、やっぱりこれじゃ駄目だよな」
雷の直撃を受けた邪神だが、体力ゲージは全く減っていない。
テンライは☆4の魔法、上位の魔法としては範囲が狭い分その威力は☆5に届く程である。これもサバトが作った魔法。その魔法も邪神には効果が無い様子だ。
「ヴオオオオォォォォオオ」
邪神は再度砲門を展開する。サバトも魔法陣を展開し、両者は再び砲撃戦を開始した。その最中に準備を整えつつ思考を巡らせる。
今の一撃でハッキリした。こいつの魔法耐性は異常だ。だけどそれはMLOでもそうだった。もしこいつの魔法耐性の値がMLO時代と同じなら、☆5の……極大魔法一発でも足りない。最低でも三発は重ねなきゃダメージにならない。俺の魔力量でも極大魔法は四発までが限界だ。だが、
サバトは右手に持ったポーションに目を向けた。それから視線を邪神へ戻す。
この世界はMLOとは違う。言葉ではそう言ってても理解できてなかった。それが今ようやくわかったんだ。あいつは俺の知らない戦い方をしてくる。MLOじゃ出来なかった事を平気でやってくる。でもそれは俺だって同じだ。この世界はMLOじゃない、だからこそ出来る戦い方がある。
「見せてやるぜ」
サバトが行動を開始する。対処的に撃ち続けていた砲撃を今度は同時に放つ。そうすることで邪神の砲撃は一瞬すべて無効化される。その一瞬を生み出しサバトが次の魔法を使う。
「今だ―――フロストゲート!」
邪神の足元に巨大な魔法陣が展開される。魔法陣から上空へ向かって青白い光の柱が立つ。光に包まれた邪神は瞬く間に全身氷付けとなった。
フロストゲート、魔法陣の上にある対象物を瞬時に凍らせる魔法。効果時間は十秒間、凍っている間は継続ダメージを受ける。これもサバトが作成した☆4の魔法である。
よし凍った! だけどたぶん十秒も保たない。
邪神を覆う氷に小さな亀裂が入る。まだ発動してから一秒も経過していない。どうやら魔法の効果時間もMLOとは異なるらしい。それを瞬時に見抜いたサバトは畳み掛けるように魔法を繰り出す。
「天足通」
サバトが邪神の懐へ瞬間移動する。そのまま右手を凍った邪神に当てる。
「からのぉ―――天手縛」
邪神の身体が視界から移動する。移動した先は更に上空、見上げた先に凍ったままの邪神が居た。
天足通、天手縛ともに☆4の魔法。前者が視界内のどこへでも瞬間移動を可能にし、後者は自分以外を触れる事で範囲内のポイントへ瞬間移動することが出来る。サバトがマップ間移動用に配布される魔法、テレポートをヒントに考案した。
上空へ転移させられた邪神、その身体を覆う氷は徐々に砕け始めていた。サバトも既に同じ高さまで瞬間移動している。そこで邪神に向けて右腕を突き出し、左手で肘を掴んで力を込める。
「いくぜ」
邪神を囲むように魔法陣を展開する。展開された魔法陣は全部で六つ、前後左右に上下の六面に配置される。さらにそれによって生まれて八つの頂点に魔法陣を追加展開した。
この世界はMLOと違って、魔法にクールタイムが存在しない。だから魔力が続く限りこうやって連発が出来る。足りない分の魔力はポーションで補えばいい。
邪神の氷が亀裂を広げ、遂に呪縛から解放された。その直後、外側前後上下左右の六面に同じ魔法陣を追加する。
「ウオオオォォォォォオ」
邪神は凍らされた怒りを発露するように叫ぶ。その視界を覆うように魔法陣が取り囲んでいた。
「三発なんて生易しいもんじゃねぇ……合計二十発。喰らいやがれ―――ハイパーノヴァ!!」
魔法陣の中心に大爆発が起こる。爆発は球体状に収束し邪神を覆い隠した。
ハイパーノヴァ、MLO最上位の魔法の一つである。その威力は言わずもがな。それをサバトは二十発同時に発動させた。ハイポーションを五つ使用し重ねたのだ。
その威力は凄まじく、周囲の空気が一気に乾燥していくほど熱を持っている。彼が最初に邪神を上空へ移動させたのは、あの位置では城に被害がでると判断したからだった。
魔法陣が消滅し爆発が収まっていく。その中からは全身丸焦げになりボロボロになった邪心が浮かんでいた。
「ウ……ウゥ……」
邪神は力のない声を上げている。そのまま意識を失い落下していく。落下する最中体は霧状となって消えていった。そして大地に到達する十数メートル手前で、その身体は完全に消滅したのだった。
「これが、この世界における魔術師の戦い方だ」
最強の魔術師は、異世界でも最強だった。
いける……これならたぶんいける。今のでピンと来たぜ。このチート級ラスボスの攻略法が―――
「そうとわかれば―――っ!?」
一瞬気を抜いてしまった。その一瞬を見逃す事無く邪神が急接近する。
「しまっ」
邪神が大降りの拳を振るう。咄嗟に防御したサバトだったが、完全には間に合わず吹き飛ばされ王城の一角に叩きつけられてしまう。
「ウウゥゥ」
邪神が追撃のために視線を下ろす。サバトは額から血を流しつつもすぐに立ち上がり、すかさず魔法を繰り出す。
「テンライ!」
空に雷雨が出現し、そこから雷が邪神に降る。邪神は叫び声を上げた。その隙に上空へ飛び出し元の位置まで戻る。
「ちっ、やっぱりこれじゃ駄目だよな」
雷の直撃を受けた邪神だが、体力ゲージは全く減っていない。
テンライは☆4の魔法、上位の魔法としては範囲が狭い分その威力は☆5に届く程である。これもサバトが作った魔法。その魔法も邪神には効果が無い様子だ。
「ヴオオオオォォォォオオ」
邪神は再度砲門を展開する。サバトも魔法陣を展開し、両者は再び砲撃戦を開始した。その最中に準備を整えつつ思考を巡らせる。
今の一撃でハッキリした。こいつの魔法耐性は異常だ。だけどそれはMLOでもそうだった。もしこいつの魔法耐性の値がMLO時代と同じなら、☆5の……極大魔法一発でも足りない。最低でも三発は重ねなきゃダメージにならない。俺の魔力量でも極大魔法は四発までが限界だ。だが、
サバトは右手に持ったポーションに目を向けた。それから視線を邪神へ戻す。
この世界はMLOとは違う。言葉ではそう言ってても理解できてなかった。それが今ようやくわかったんだ。あいつは俺の知らない戦い方をしてくる。MLOじゃ出来なかった事を平気でやってくる。でもそれは俺だって同じだ。この世界はMLOじゃない、だからこそ出来る戦い方がある。
「見せてやるぜ」
サバトが行動を開始する。対処的に撃ち続けていた砲撃を今度は同時に放つ。そうすることで邪神の砲撃は一瞬すべて無効化される。その一瞬を生み出しサバトが次の魔法を使う。
「今だ―――フロストゲート!」
邪神の足元に巨大な魔法陣が展開される。魔法陣から上空へ向かって青白い光の柱が立つ。光に包まれた邪神は瞬く間に全身氷付けとなった。
フロストゲート、魔法陣の上にある対象物を瞬時に凍らせる魔法。効果時間は十秒間、凍っている間は継続ダメージを受ける。これもサバトが作成した☆4の魔法である。
よし凍った! だけどたぶん十秒も保たない。
邪神を覆う氷に小さな亀裂が入る。まだ発動してから一秒も経過していない。どうやら魔法の効果時間もMLOとは異なるらしい。それを瞬時に見抜いたサバトは畳み掛けるように魔法を繰り出す。
「天足通」
サバトが邪神の懐へ瞬間移動する。そのまま右手を凍った邪神に当てる。
「からのぉ―――天手縛」
邪神の身体が視界から移動する。移動した先は更に上空、見上げた先に凍ったままの邪神が居た。
天足通、天手縛ともに☆4の魔法。前者が視界内のどこへでも瞬間移動を可能にし、後者は自分以外を触れる事で範囲内のポイントへ瞬間移動することが出来る。サバトがマップ間移動用に配布される魔法、テレポートをヒントに考案した。
上空へ転移させられた邪神、その身体を覆う氷は徐々に砕け始めていた。サバトも既に同じ高さまで瞬間移動している。そこで邪神に向けて右腕を突き出し、左手で肘を掴んで力を込める。
「いくぜ」
邪神を囲むように魔法陣を展開する。展開された魔法陣は全部で六つ、前後左右に上下の六面に配置される。さらにそれによって生まれて八つの頂点に魔法陣を追加展開した。
この世界はMLOと違って、魔法にクールタイムが存在しない。だから魔力が続く限りこうやって連発が出来る。足りない分の魔力はポーションで補えばいい。
邪神の氷が亀裂を広げ、遂に呪縛から解放された。その直後、外側前後上下左右の六面に同じ魔法陣を追加する。
「ウオオオォォォォォオ」
邪神は凍らされた怒りを発露するように叫ぶ。その視界を覆うように魔法陣が取り囲んでいた。
「三発なんて生易しいもんじゃねぇ……合計二十発。喰らいやがれ―――ハイパーノヴァ!!」
魔法陣の中心に大爆発が起こる。爆発は球体状に収束し邪神を覆い隠した。
ハイパーノヴァ、MLO最上位の魔法の一つである。その威力は言わずもがな。それをサバトは二十発同時に発動させた。ハイポーションを五つ使用し重ねたのだ。
その威力は凄まじく、周囲の空気が一気に乾燥していくほど熱を持っている。彼が最初に邪神を上空へ移動させたのは、あの位置では城に被害がでると判断したからだった。
魔法陣が消滅し爆発が収まっていく。その中からは全身丸焦げになりボロボロになった邪心が浮かんでいた。
「ウ……ウゥ……」
邪神は力のない声を上げている。そのまま意識を失い落下していく。落下する最中体は霧状となって消えていった。そして大地に到達する十数メートル手前で、その身体は完全に消滅したのだった。
「これが、この世界における魔術師の戦い方だ」
最強の魔術師は、異世界でも最強だった。
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