最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~
15.いきなりラスボス戦
サバトが二人の状態を確認する。エクレールは軽症だが、隣にいるロシェルはそれなりにダメージを受けていた。HPゲージも半分をきっている。
「ヒールスフィア」
淡い緑色に光る球体が出現し、エクレールの手元に落ちる。
「これは」
「しばらくそれ持ってろ。その傷も癒える」
ヒールスフィア、サバトが作成した☆3の回復魔法。光球を装備させる事で装備者とその周囲に癒しの効果を与える魔法である。効果時間は一分間と比較的長い。
「ある程度回復したらすぐに逃げろ。俺はあれの相手をする」
サバトが飛翔する。悪魔の前を通り過ぎそのまま上昇すると、悪魔もその後を追って上昇した。悪魔が下から咆哮を放つ。サバトはそれを躱し距離をとって互いに向かい合って停止する。
「よぉ、お前の相手は俺だ」
「ヴヴヴヴゥゥゥゥ」
悪魔の後方に大量の魔法陣が展開される。魔法陣の種類は咆哮を放った時と同じ、その矛先は全てサバトに向いている。
数が多い―――防御は無理だ。
「なら―――」
サバトも自身の後方に大量の魔法陣を展開する。その数は悪魔と同じ、方向もすべて悪魔に向いている。
「ヴヴアァァァァッ!!」
「マテリアルバレットォォ!!」
両者の魔法陣からエネルギー弾が放たれる。互いの攻撃を攻撃で相殺し合っている。
マテリアルバレットは魔力エネルギーをビームのように放つ魔法。彼が作成した☆3だが、本来はこんな使い方は出来ない。スキルクールタイムが存在しないこの世界だから可能な使い方である。
「すごい……」
エクレールがそう呟いた。彼女だけではない。両者の戦いを目撃した全員がそう感じるだろう。
ただ、激しい撃ち合いを続ける当の本人は心の中で嘆いていた。
くっそぉ、何でこんな事になるんだよ。せっかく二週間もかけて帝国に到着したと思ったら、なんか襲撃されているし、空はモンスターで埋め尽くされてるし……。しょうがないから二人にモンスター避けのお守りとポーション持たせて住民の避難誘導任せた後、俺は騒ぎの中心っぽい所に向かったら、
「ヴヴヴゥゥゥゥ」
こいつが居るんだもんなぁ。ほんと勘弁してくれよぉ。身の丈よりもデカイ悪魔の羽、全身真っ黒の光沢を帯びた肉体、人型で四本の腕を持つ悪魔。まだ記憶に新しい……こいつの名前は邪神ボルス、MLOのラスボスだ。
【邪神ボルス】、MLO最終マップにある空中神殿に構えるラスボスである。レベル200、複数の強力な魔法を使用し、人型の悪魔を僕として使役する。この邪神を倒す事が最終コンテンツである『パンドラの箱』解放条件の一つだった。
それが何でこうも序盤で登場しちゃうかなぁ。どう考えても早過ぎるだろ絶対。しかもMLOじゃ無かった攻撃初っ端からかまして来るし。それに―――
未だ激しい撃ち合いを続けるサバトと邪神。邪神の魔力ゲージを見ると、ほとんど変化していない事がわかる。
こいつ、これだけ撃ちあってるのに全然魔力が減らないぞ。まさか回復してるのか? いや、いくらなんでも早過ぎるだろっ! こんなのどう考えてもゲームバランスおかしいぞ。運営に批判が殺到するレベルだ。こっちの魔力だって無限じゃない、このまま続けたら先に尽きるのは俺だ。
サバトの額から汗が流れる。表情も険しく焦りがうかがえる。サバトの魔力は普通のプレイヤーに比べると多い。ただ多いとはいっても限度はある。現在も撃ち合いの最中にマナポーションを消費する事で耐えていた。ここでさらに一本マナポーションを使う。
「くそっ、これで八本目っ」
残りはフルマナポーション(全回復)が34個、ハーフマナポーション(50%回復)が102個、マナポーション(30%回復)が327個。これだけあれば普通十分すぎるくらいだけど、また一分も経ってないのにマナポーションを八本も使わされた。いくら多いって言ってもこっちは有限、無限相手に持久戦で勝算なんて無い。アイテムが底をつく前に何か突破口を―――ん?
サバトが視線を下に下げる。そこには騎士達が集まってきていた。
あいつらぁ……
サバトは撃ち合いを継続しながら別の魔法陣を口元に展開させる。そこから大きく息を吸って、
「全員よく聞け!」
サバトの声が帝都中に響く。
「なっなんだ!?」
「この邪神は俺が倒す。下手な手出しはするな! それより街を襲ってる小型の悪魔を止めてくれ! あれはこの邪神が生み出した悪魔達だ。こいつを倒せば全部消えるが、それには時間がかかる。それまで何とか持ちこたえてくれ!」
サバトの叫びを聞いた騎士達は、互いに顔を見合わせ頷き街の方へ移動して行った。
よし、小型悪魔のレベルは80だけど騎士達のレベルも60前後だった。あれなら住人を守るくらいはできる。それにしても、まさかネタで作ったこの魔法が役に立つとはな。
ブラスビート、音を振動させる事で増幅する魔法である。ただ音を増幅するだけなので攻撃には使えない。MLO内ではネタ魔法として扱われていた。サバトは再度邪神と向き合う。
「そんで今のでわかったぜ。こいつの倒し方が!」
「ヒールスフィア」
淡い緑色に光る球体が出現し、エクレールの手元に落ちる。
「これは」
「しばらくそれ持ってろ。その傷も癒える」
ヒールスフィア、サバトが作成した☆3の回復魔法。光球を装備させる事で装備者とその周囲に癒しの効果を与える魔法である。効果時間は一分間と比較的長い。
「ある程度回復したらすぐに逃げろ。俺はあれの相手をする」
サバトが飛翔する。悪魔の前を通り過ぎそのまま上昇すると、悪魔もその後を追って上昇した。悪魔が下から咆哮を放つ。サバトはそれを躱し距離をとって互いに向かい合って停止する。
「よぉ、お前の相手は俺だ」
「ヴヴヴヴゥゥゥゥ」
悪魔の後方に大量の魔法陣が展開される。魔法陣の種類は咆哮を放った時と同じ、その矛先は全てサバトに向いている。
数が多い―――防御は無理だ。
「なら―――」
サバトも自身の後方に大量の魔法陣を展開する。その数は悪魔と同じ、方向もすべて悪魔に向いている。
「ヴヴアァァァァッ!!」
「マテリアルバレットォォ!!」
両者の魔法陣からエネルギー弾が放たれる。互いの攻撃を攻撃で相殺し合っている。
マテリアルバレットは魔力エネルギーをビームのように放つ魔法。彼が作成した☆3だが、本来はこんな使い方は出来ない。スキルクールタイムが存在しないこの世界だから可能な使い方である。
「すごい……」
エクレールがそう呟いた。彼女だけではない。両者の戦いを目撃した全員がそう感じるだろう。
ただ、激しい撃ち合いを続ける当の本人は心の中で嘆いていた。
くっそぉ、何でこんな事になるんだよ。せっかく二週間もかけて帝国に到着したと思ったら、なんか襲撃されているし、空はモンスターで埋め尽くされてるし……。しょうがないから二人にモンスター避けのお守りとポーション持たせて住民の避難誘導任せた後、俺は騒ぎの中心っぽい所に向かったら、
「ヴヴヴゥゥゥゥ」
こいつが居るんだもんなぁ。ほんと勘弁してくれよぉ。身の丈よりもデカイ悪魔の羽、全身真っ黒の光沢を帯びた肉体、人型で四本の腕を持つ悪魔。まだ記憶に新しい……こいつの名前は邪神ボルス、MLOのラスボスだ。
【邪神ボルス】、MLO最終マップにある空中神殿に構えるラスボスである。レベル200、複数の強力な魔法を使用し、人型の悪魔を僕として使役する。この邪神を倒す事が最終コンテンツである『パンドラの箱』解放条件の一つだった。
それが何でこうも序盤で登場しちゃうかなぁ。どう考えても早過ぎるだろ絶対。しかもMLOじゃ無かった攻撃初っ端からかまして来るし。それに―――
未だ激しい撃ち合いを続けるサバトと邪神。邪神の魔力ゲージを見ると、ほとんど変化していない事がわかる。
こいつ、これだけ撃ちあってるのに全然魔力が減らないぞ。まさか回復してるのか? いや、いくらなんでも早過ぎるだろっ! こんなのどう考えてもゲームバランスおかしいぞ。運営に批判が殺到するレベルだ。こっちの魔力だって無限じゃない、このまま続けたら先に尽きるのは俺だ。
サバトの額から汗が流れる。表情も険しく焦りがうかがえる。サバトの魔力は普通のプレイヤーに比べると多い。ただ多いとはいっても限度はある。現在も撃ち合いの最中にマナポーションを消費する事で耐えていた。ここでさらに一本マナポーションを使う。
「くそっ、これで八本目っ」
残りはフルマナポーション(全回復)が34個、ハーフマナポーション(50%回復)が102個、マナポーション(30%回復)が327個。これだけあれば普通十分すぎるくらいだけど、また一分も経ってないのにマナポーションを八本も使わされた。いくら多いって言ってもこっちは有限、無限相手に持久戦で勝算なんて無い。アイテムが底をつく前に何か突破口を―――ん?
サバトが視線を下に下げる。そこには騎士達が集まってきていた。
あいつらぁ……
サバトは撃ち合いを継続しながら別の魔法陣を口元に展開させる。そこから大きく息を吸って、
「全員よく聞け!」
サバトの声が帝都中に響く。
「なっなんだ!?」
「この邪神は俺が倒す。下手な手出しはするな! それより街を襲ってる小型の悪魔を止めてくれ! あれはこの邪神が生み出した悪魔達だ。こいつを倒せば全部消えるが、それには時間がかかる。それまで何とか持ちこたえてくれ!」
サバトの叫びを聞いた騎士達は、互いに顔を見合わせ頷き街の方へ移動して行った。
よし、小型悪魔のレベルは80だけど騎士達のレベルも60前後だった。あれなら住人を守るくらいはできる。それにしても、まさかネタで作ったこの魔法が役に立つとはな。
ブラスビート、音を振動させる事で増幅する魔法である。ただ音を増幅するだけなので攻撃には使えない。MLO内ではネタ魔法として扱われていた。サバトは再度邪神と向き合う。
「そんで今のでわかったぜ。こいつの倒し方が!」
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