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最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~

塩分不足

13.今度の方針を決めよう

「最初に言っておくが、このまま街に残るって選択肢は無い」

 サバトがそう言うと、二人も頷き納得している様子だった。ゴブリンの一件以降この街を拠点に活動し、ようやく慣れてきた頃合である。今の所順調に見える彼らだが、ある重要な問題を抱えていた。それは……

「金がない」

 俺達は今、深刻な資金不足に悩まされている。それというのもMLOのお金がこの世界で使えない事が原因だ。MLOでは金貨が資金として出回っていたのだが、この世界では金貨だけでなく銀貨・銅貨も存在していた。価値は金貨の方が高く、銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚の価値がある。同じ金貨なら遣えるのではと思ったけど、確認してみるとデザインと大きさが全く違う。これを市場で使うのは非常に危険だと判断した。
 現在はバルマ公爵が残したお金を使って生活している。ただそれにも限りはあって、三十人を超える集団を養うのには限界が見えてきたのだ。

「そういうわけで、俺達は早急に資金源を手に入れる必要がある。何か良い案は無いか?」

 正直、異世界まで来て普通に労働するのはご免だ。

「はい!」

 最初に手を挙げたのはクロエだった。

「クロエっ」

「製作した魔法を国へ売るというのはどうでしょうか」

「魔法を国へ」

「はい。多くの大国は自国の魔法技術発展と軍事力強化を目的に、魔術師から製作した魔法を買い取っていると聞きました。マスターはたくさん魔法を作られてますし、それを販売すれば資金の問題はなくなると思います」

 サバトは少し考えた。

「う~ん、それは無しかなぁ」

「何故ですか?」

「俺は自分の魔法を世に広めたいとか、そういうのはあんまり考えてないんだ。教えるのが嫌ってわけじゃないぞ? お前達みたいに気に入った奴には喜んで教えるし、頼まれれば使いもする。ただ国に売ればその魔法をいろんなことに利用されるだろ。俺の知らないところで俺の魔法が、良くない用途に使われるかもしれない……。それが嫌なんだよ」

 政治、戦闘、犯罪……魔法が活躍する場はMLOよりも多いだろうと思う。強力な魔法であればあるほど、その使い方には注意が要る。それが解らない奴にまで、自分の魔法が使われるのは我慢できそうになかった。

「そうですか……すいません」

「謝んなくても良いよ。これは俺の我がままみたいなもんだし、方法としては悪くないと思ったよ。最終手段としては考えておくことにする」

 本当にどうしようも無くなった時はそうしよう。

「他に案はあるか?」

「はいはい!!」

 今度はハツネが手を挙げた。

「冒険者になるってどうかな!」

 冒険者!! 

「冒険者かぁ~ どんなことするんだ?」

「いろんなクエストがあるから、それを受けてお金を貰うって聞いたよ」

「なるほどぉ」

 冒険者、いかにもファンタジー世界っぽいじゃないか! この世界のモンスターは倒しても何もドロップしないことにガッカリしてたけど、クエストなら報酬が貰える。討伐系クエストなら俺のステータスがあれば楽勝だろ。

「いいかもしれないな。冒険者」

「ホント? やったぁー」

 ハツネはバンザイをして喜んでいる。クロエはちょっぴり悔しそうだった。

「それで冒険者にはどうやってなるんだ?」

「えっ、ボクは知らないけど」

「えぇ……」

「各国にあるギルドへ加入し、冒険者登録をする必要があります」

「おぉ、さすがクロエ」

 ハツネに変わってクロエが説明した。褒められてドヤ顔している所が可愛く思える。

「そうなるとどこの国を目指すかだな。この地図に載ってる中だと、どれが一番大きいんだ?」

「ここだと思います」

 クロエが指差したのは、マップ中央にある大きなマークだった。

「エクレトニア帝国、総人口・国土・軍事力ともに世界最大の国です」

「うん、じゃあそこにしよう」

 世界最大の国、そこなら俺の知らない事がたくさんわかりそうだ。主目的は冒険者になる事だけど、どうせ行くなら色々知りたいしね。魔法の事とか、この世界の歴史とかまだまだ知らない事が山積みだ。

「それで二人は―――」

「ついて行くよ!」

「ついて行きます」

 二人は口を揃えてそう言った。

「そういうと思ったよ。皆をホールに集めてくれ」

 サバトは屋敷にいる全員をホールに集合させた。そして全員に話しあった事を伝える。

「という訳で、これから俺達三人は帝国に向かう事にする。皆には俺が留守の間、この屋敷の管理と領主の仕事を代わりにやってほしい。住民には後で俺から説明するよ。念のため何かあったらすぐ俺と連絡がとれるアイテムを残しておく。帰りはいつになるかわからないけど、なるべく早く帰ってくるつもりだ。だから……そんな悲しそうな顔するな」

 集められた少女達は、揃って悲しそうな顔をしていた。そんな彼女達に、サバトはこう告げる。

「いいか皆、ここはもう俺の家で俺の帰ってくる場所なんだ。だから必ず帰ってくるよ。お前達は俺が帰ってきたときのために、ちゃんと元気で居てくれ」

「はいっ!」

 少女達は寂しさを飲み込んでそう答えた。
 出発は明日の朝、サバト達は帝都へ向けて旅立つ。

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