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最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~

塩分不足

12.わかった事を整理しよう

 屋敷の一室、バルド公爵が使っていた部屋にサバト、ハツネ、クロエの三人が集まっている。

「二人とも集まってもらって悪いな。今から表題にある通り、これからについて話し合いをしたいと思う」

「うん!」

「はい」

 この世界に来てから半月以上が経過し、この世界について色々とわかった事がある。先にその事について整理しておこう。
 まず結論から言うと、この世界はMLOの世界とは違う。この屋敷で見つけた世界地図、そこには俺が知らない地形、地名が記載されていた。存在する国の名前も場所も異なっている。これを見た時点で、俺はこの世界が別世界だと認識した。

 地形以外にも異なる点はたくさんある。一つは、この世界の住人にはレベルの概念はあるが、それを視覚的に確認する事が自力では不可能だという事。俺達はステータス画面を開く事で簡単に確認する事ができる。しかしこの世界の住人はステータス画面を開く事は出来ない。自分のレベルを確認する場合、この街には無い特別な装置を使い紙に写しだす必要があるらしい。ちなみに、出会ったときは5だった二人のレベルも、今は30まで上がっている。このレベル帯は上がりが速い。効率厨の俺にかかればこの通りだ。

 二つ目は、レベルアップ時に獲得するスキルポイントを自分で選択して振り分けることが出来ない。この世界ではMLO同様、モンスターを倒したりすれば経験値が獲得できスキルポイントも手に入る。ただし、俺達のように自分で選ぶ事は出来ず、獲得したスキルポイントはレベルアップ時に行っていた行動、使っていた道具のパラメーターに自動で振り分けられる。例えば剣でモンスターを討伐してレベルアップした場合、スキルポイントは剣のパラメーターに振り分けられる。
 そして獲得したスキルは、自分の技能として身体に刻み込まれる。どういうことかと言うと、例えば料理スキルを獲得した場合、MLOでは料理作成画面から作りたい料理の項目をクリックする事で作成できていた。それはこの世界でも可能で、加えて料理スキルを獲得していると実際の料理も上手くなるのだ。俺は料理経験なんてなかったけど、料理スキルはある程度振っていたので、この世界では料理が出来てしまう。

 三つ目は、俺が一番興味をもっていた魔法に関する事だ。この屋敷にはバルマ公爵が持ち込んだ書物がいくつも置かれている。その中に魔法について記された物があって、俺はそれを読んだ。そして知ってしまった。

「何だこれ、大したこと書いて無いじゃん」

 平たく言えば、この世界の魔法レベルはかなり低い。
 そこにはMLOで初期に習得する基本魔法についての解説や、それと似たような魔法の解説が中途半端に記されていた。魔法陣も書いてはあるのだが、全体ではなく一部分しか記載されていない。一通り読んでみたが、☆3以上の魔法については記載されていなかった。
 魔法の作成方法、習得方法についても特殊で、これはハツネとクロエの二人に聞いた。

「この世界―――じゃなくて、普通の人って魔法をどんな風に作ったりするか知ってる?」

「えっ、紙に書いて作るんじゃないの?」

「そうなの?」

「はい。私達も詳しくはありませんが、魔法を作成する場合は紙に書き込んでいると聞いた事があります」

 要するに手書きで魔法を作っているらしい。MLOでは製作画面を開き、効果別に並べられた文法を組み合わせると勝手に魔法陣へ組み込まれる。この世界ではそれが無いから出来ないのだ。

「じゃあ作れない奴はどうやって習得するんだ?」

「その場合は、魔法陣の記されたスクロールを使用します」

 スクロールか。じゃあ二人に魔法を教える時は、実際に紙に書いて使わせればいいわけだな。正直今の俺にできるのは、俺が作った魔法を二人に伝授するくらい。それも二人のレベルで習得可能なものだけだ。この世界での魔法をもっと知らなくちゃ、大したことは教えられない。師匠としてこれは情けないと感じている。

「スクロールって雑貨屋とかに売ってるの」

「いいえ、スクロールは民間の商業店にはありません。魔法に関する知識や道具は、全て国が管理しています。ここのように辺境の街にはまず出回りません」

「何だそれ、えらく窮屈だな」

「仕方ないよ。魔法ってすっごく強いからね」

 ハツネの言う通り、魔法はとても強力な力だ。使い方次第では簡単に人を殺める事も出来る。剣や弓と違って、魔法は一瞬でたくさんの敵を倒す事もできてしまう。これ程戦いに向いた技術、国が自由にさせるわけもなかった。
 そういう感じの事がわかって、俺は少し萎えてしまった。期待していたよりずっと劣る魔法技術。加えて国による制限まであるときた。でもまぁ、本の中には俺が知らない文法らしきものが載っていたし、国によって魔法技術の発達も違うらしい。その辺りはちょっと期待している。

 これが現在までに知り得た世界の情報の全てである。それによって世界の概要を知ったサバトは、次にどう行動するべきかを考えていた。

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