最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~
4.間違ったかも
魔法が使えることを知った春人は、他の魔法もいくつか試してみる事にした。魔法には様々な種類がある。今までゲームの画面上のエフェクトでしかなかったそれが、実際に使うとどう発現するのか。それを確かめずにはいられなかった。
「マテリアルバレット!」
かざした右手の先に魔法陣、そこから紫色のビームが発射される。その後呼吸を整えて、試し撃ちも一段落した様子だ。
「ふぅ~ 一旦休憩」
一先ず試せる魔法は大体試した。が、周りへの被害を考えると☆3辺りまで限度か。
魔法には様々な種類が存在しており、炎・水・風といった属性分類、対人・対物・対地といった効果対象など、その分類も様々である。そしてそれらを総合的に捉えて分類したのが☆による五段階の分類だ。
☆ :初級魔法、誰でも使える基本的な魔法
☆☆ :中級魔法、初級魔法より高威力
☆☆☆ :上級魔法、複数の敵を相手にするのに有効な魔法
☆☆☆☆ :特級魔法、規模が一気に跳ね上がる。会得に特別なアイテムが必要
☆☆☆☆☆:極大魔法、最も強力な魔法。消費魔力も桁違いに多い
初期からある魔法を含め、プレイヤーによって作成された魔法も全てこの分類に当てはめられる。各段階によって習得に必要な最低条件があり、魔法によってさらに細かく条件が異なる。今試したのは☆3までの魔法だけ、それ以上は威力も範囲も桁違い。ここで使用すれば周囲に大きな被害が生じるだろう。魔法の中でも最高位に存在する☆5の極大魔法に関しては、想像を絶する被害になるに違いない。ちなみに☆5の魔法はMLOで一三種類しか存在しておらず、使用できるプレイヤーもトップレベルの猛者ばかり。そして一三個のうち六つを作成したのは春人である。
魔法の作成方法や作成者としての特典、魔法習得に必要な条件に関してはまたの機会に説明しよう。
「とにかく魔法は使える! 装備も素材も色々揃ってる! あと気になるのはやっぱり―――」
春人は空を見上げた。
「ここが何処なのかって事なんだよなぁ~」
ここがMLOの世界だとするなら、今いるのはマップ上のどの辺りなんだろう。さっき落ちる前に見た景色は一面森だった。森林系のフィールドなんてたくさんあるし、どれかを絞るのは難しいか。そういえばさっきドラゴンも飛んでたな。森林のフィールドで飛竜系のモンスターが出現する場所なんてあったか? あの手のモンスターは大抵渓谷とかにいた筈だけど。あとはボス戦とかで出るくらいか。少なくとも俺が知る限り森ではなかったな。う~ん……
「あっ! ステータスが見れるなら全体マップも見れるんじゃないか」
そう言ってステータス画面を開く。そこからタブを探していくと、
「あった」
タブの中にマップと記されたものがある。春人はそこを選択するように念じる。すると画面が切り替わり、長方形の全体マップが表示された。
やった開けたぞ! 何度も見たMLO世界のマップだ。さぁーてどの辺だ? あれ……おかしいな。アイコンが何処にも見当たらないぞ。ゲームの頃ならマップ上で自分が居る地点にアイコンが表示されてたんだけど……
「無いな」
もう三度見くらいしたけど無いぞ。これじゃ自分が今どこに居るのかわからないじゃないか。これもゲームとは違うって事なのかな―――ん、なんかもう一個マップがある。こっちを開いてみるか。
全体マップを切り替えた。
「何だよこれ……ほとんど真っ暗じゃん」
あっ、いや、良く見たら右下の方にちっちゃく表があるぞ。しかもアイコンもある。つまり俺は今この辺りに居るって事か。めちゃくちゃ端っこだな。それにマップのほぼ全部が真っ暗ってことは、まだ開拓してないって事だろ? つまりこれって、
「MLOのマップとは完全に別物って事か!?」
もしくはそもそもMLOの世界じゃないとか。魔法もアイテムも同じなのに? もしかしてあの報酬……パンドラの箱の中身が新マップだったとか?? あーもうわけがわからん!
「駄目だ! ここで考えてても答えは出ない! 実際に見て確かめるしかないな!」
そういって瞑想した。そして、
「グラスルーラ!」
春人は空を飛んだ。グラスルーラは☆2の飛行魔法。魔力が続く限り連続飛行が可能なため、遠方への移動や高所への移動に適した魔法である。
「よし! 飛べた!」
これが空を飛ぶ感覚―――思ってたよりも恐くない。むしろ爽快な気分だ! さてどっちに行こうか。
マップを再度開く。
今がマップの右下、方向的にはあっちが中央か。何となく中央を目指せば誰かに会えそうだけど、
「まずはマップの端まで行ってみるか」
そう言い中央から逆方向へ移動を開始する。
ゲーム時代だと、マップの端には見えない壁があっていけなかった。あれはサーバーの限界という事だったけど、この世界だとどうなんだろう。現実世界みたいに反対側と繋がってるのか。それともゲーム同様見えない壁に覆われてるのか。
移動を開始してから約十五分、次第に森が減っていき、マップ上での限界地点に到着する。そこで一旦停止し、上空から森の切れ目を確認した。そして、その先に広がっていた光景に彼は衝撃を受けることになる。
「これは……」
黒く枯れた木々、恵みを感じられない乾いた大地……そこから立ち昇る黒い瘴気。その光景はまさに、不浄な大地と呼ぶに相応しいものだった。さらに近づいて観察する。
こんなフィールド……ゲーム時代には無かった。見えない壁は……無いみたいだ。ってことはこの先も進めるのか。
春人はごくりと息を飲んだ。
「行ってみるか」
そして森が終わったギリギリの地点に降り立ち、恐る恐る一歩を踏み出した。その瞬間、マップの限界ラインを超えた部分に激しい痛みが襲う。
「っ―――!!」
咄嗟に踏み出した足を戻した。
いっ……今のはダメージか? この先に進むと無条件でダメージを受けるのかよ! これじゃ先に進めない。この先にも世界は広がってて、見えない壁もないのに!
瘴気の立ち昇る大地を眺めながら、春人は思った。
ここはMLOの世界だと思っていた……だけど、その考えは間違っていたかもしれない。
「マテリアルバレット!」
かざした右手の先に魔法陣、そこから紫色のビームが発射される。その後呼吸を整えて、試し撃ちも一段落した様子だ。
「ふぅ~ 一旦休憩」
一先ず試せる魔法は大体試した。が、周りへの被害を考えると☆3辺りまで限度か。
魔法には様々な種類が存在しており、炎・水・風といった属性分類、対人・対物・対地といった効果対象など、その分類も様々である。そしてそれらを総合的に捉えて分類したのが☆による五段階の分類だ。
☆ :初級魔法、誰でも使える基本的な魔法
☆☆ :中級魔法、初級魔法より高威力
☆☆☆ :上級魔法、複数の敵を相手にするのに有効な魔法
☆☆☆☆ :特級魔法、規模が一気に跳ね上がる。会得に特別なアイテムが必要
☆☆☆☆☆:極大魔法、最も強力な魔法。消費魔力も桁違いに多い
初期からある魔法を含め、プレイヤーによって作成された魔法も全てこの分類に当てはめられる。各段階によって習得に必要な最低条件があり、魔法によってさらに細かく条件が異なる。今試したのは☆3までの魔法だけ、それ以上は威力も範囲も桁違い。ここで使用すれば周囲に大きな被害が生じるだろう。魔法の中でも最高位に存在する☆5の極大魔法に関しては、想像を絶する被害になるに違いない。ちなみに☆5の魔法はMLOで一三種類しか存在しておらず、使用できるプレイヤーもトップレベルの猛者ばかり。そして一三個のうち六つを作成したのは春人である。
魔法の作成方法や作成者としての特典、魔法習得に必要な条件に関してはまたの機会に説明しよう。
「とにかく魔法は使える! 装備も素材も色々揃ってる! あと気になるのはやっぱり―――」
春人は空を見上げた。
「ここが何処なのかって事なんだよなぁ~」
ここがMLOの世界だとするなら、今いるのはマップ上のどの辺りなんだろう。さっき落ちる前に見た景色は一面森だった。森林系のフィールドなんてたくさんあるし、どれかを絞るのは難しいか。そういえばさっきドラゴンも飛んでたな。森林のフィールドで飛竜系のモンスターが出現する場所なんてあったか? あの手のモンスターは大抵渓谷とかにいた筈だけど。あとはボス戦とかで出るくらいか。少なくとも俺が知る限り森ではなかったな。う~ん……
「あっ! ステータスが見れるなら全体マップも見れるんじゃないか」
そう言ってステータス画面を開く。そこからタブを探していくと、
「あった」
タブの中にマップと記されたものがある。春人はそこを選択するように念じる。すると画面が切り替わり、長方形の全体マップが表示された。
やった開けたぞ! 何度も見たMLO世界のマップだ。さぁーてどの辺だ? あれ……おかしいな。アイコンが何処にも見当たらないぞ。ゲームの頃ならマップ上で自分が居る地点にアイコンが表示されてたんだけど……
「無いな」
もう三度見くらいしたけど無いぞ。これじゃ自分が今どこに居るのかわからないじゃないか。これもゲームとは違うって事なのかな―――ん、なんかもう一個マップがある。こっちを開いてみるか。
全体マップを切り替えた。
「何だよこれ……ほとんど真っ暗じゃん」
あっ、いや、良く見たら右下の方にちっちゃく表があるぞ。しかもアイコンもある。つまり俺は今この辺りに居るって事か。めちゃくちゃ端っこだな。それにマップのほぼ全部が真っ暗ってことは、まだ開拓してないって事だろ? つまりこれって、
「MLOのマップとは完全に別物って事か!?」
もしくはそもそもMLOの世界じゃないとか。魔法もアイテムも同じなのに? もしかしてあの報酬……パンドラの箱の中身が新マップだったとか?? あーもうわけがわからん!
「駄目だ! ここで考えてても答えは出ない! 実際に見て確かめるしかないな!」
そういって瞑想した。そして、
「グラスルーラ!」
春人は空を飛んだ。グラスルーラは☆2の飛行魔法。魔力が続く限り連続飛行が可能なため、遠方への移動や高所への移動に適した魔法である。
「よし! 飛べた!」
これが空を飛ぶ感覚―――思ってたよりも恐くない。むしろ爽快な気分だ! さてどっちに行こうか。
マップを再度開く。
今がマップの右下、方向的にはあっちが中央か。何となく中央を目指せば誰かに会えそうだけど、
「まずはマップの端まで行ってみるか」
そう言い中央から逆方向へ移動を開始する。
ゲーム時代だと、マップの端には見えない壁があっていけなかった。あれはサーバーの限界という事だったけど、この世界だとどうなんだろう。現実世界みたいに反対側と繋がってるのか。それともゲーム同様見えない壁に覆われてるのか。
移動を開始してから約十五分、次第に森が減っていき、マップ上での限界地点に到着する。そこで一旦停止し、上空から森の切れ目を確認した。そして、その先に広がっていた光景に彼は衝撃を受けることになる。
「これは……」
黒く枯れた木々、恵みを感じられない乾いた大地……そこから立ち昇る黒い瘴気。その光景はまさに、不浄な大地と呼ぶに相応しいものだった。さらに近づいて観察する。
こんなフィールド……ゲーム時代には無かった。見えない壁は……無いみたいだ。ってことはこの先も進めるのか。
春人はごくりと息を飲んだ。
「行ってみるか」
そして森が終わったギリギリの地点に降り立ち、恐る恐る一歩を踏み出した。その瞬間、マップの限界ラインを超えた部分に激しい痛みが襲う。
「っ―――!!」
咄嗟に踏み出した足を戻した。
いっ……今のはダメージか? この先に進むと無条件でダメージを受けるのかよ! これじゃ先に進めない。この先にも世界は広がってて、見えない壁もないのに!
瘴気の立ち昇る大地を眺めながら、春人は思った。
ここはMLOの世界だと思っていた……だけど、その考えは間違っていたかもしれない。
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