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最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~

塩分不足

3.魔法を使ってみよう

 身に纏った装備、黒髪で赤く光る瞳……これがMLO最強の魔術師サバトの姿だ。それを再確認するように全身を見回し、周囲の景色を眺める。

 やっぱりこれはサバトの身体だ。どういうわけか知らないけど、俺はサバトの身体でMLOの世界に入り込んだみたいだ。ってことはもしかして、

「魔法も使えたりするのか?」

 春人は期待に胸を膨らませた。そして自分の胸に手を当てがい、奥底を探るように瞑想した。

 感じる……俺の中にあるこの膨大な力。これが魔力か。魔力があるならやっぱり魔法が遣えるってことだよな? だけどどうやるんだろう……ゲーム時代ならショートカットに登録して特定のキーを押すか、メニュー画面から直接選んで使ってたけど、

「さすがにメニュー画面は無いよな……ん」

 そう言いながら両腕を組んだ時、左手首に違和感を感じ取った。袖を捲って確認すると、左手首の中央に青いひし形の宝石が埋め込まれていた。

「なんか埋め込まれてる……これ取れるのかな」

 春人がその宝石に指を触れた瞬間、宝石からホログラムのウィンドウが出現した。そこに映し出されていたのは、彼が何度も見てきた画面だった。

「これ、ステータス画面だ! よくわからんけど開けたぞ!」

 数分しか経ってないのに懐かしいな。これどうやって操作するんだ。指だと……透けるのか。だったら意識を集中して念じれば―――おっ! やった動いたぞ!

 今表示されているのは彼のステータスだ。一番上にサバトの名前、その下からレベル、物理攻撃力、魔法攻撃力……と続いている。MLOのレベル上限は150、彼のレベルも当然150である。ステータス画面は各タブを切り替えることで、インベントリ画面、装備画面などを閲覧する事もできる。この辺りはゲームと同じだった。一通りの確認が終わった所で、開かれたステータス画面を閉じる。閉じる時はもう一度触れるか、操作した時と同じように念じれば良いようだ。

「さて、とりあえずステータス画面は開けた……ってそうだ! 魔法使えるか試すの忘れて―――」

 ぐぅぅ~

 春人の腹から大きな音が聞えてくる。

「その前に腹減ったなぁ……そういえばゲームに夢中で何も食べてなかった気が……」

 ぐぅぅ~

「くそっ、何か食べ物無かったか」

 再びステータス画面を開く。タブをインベントリに切り替え自分の所持しているアイテムを確認する。
 
 アイテムはたくさんあるけど、どれが食べられる物なんだ。素材系のアイテムなら食べられそうだけど……さすがにモンスターの肉とかは勘弁だな。そうだ! 確か昔のイベントで貰った携帯食料ってアイテムが大量に残ってた気が―――あった! これを選択して、

「おっ、出てきた!」

 携帯食料が春人の手元に出現する。外見はウエハースのようだ。

 これなら食べられるよな。どれ……うん、食べられるな。食べられるけど……あんまり美味しくない。この味……何て表現したらいいんだろう。ああ、鹿せんべいと似てる味だな。まぁ食べられるだけましか。これで空腹が満たされればいいけど……。そもそもゲーム時代には食料の概念なんて無かったな。空腹の状態異常も無かったし、そう考えるとこの世界はMLOと完全に同じってわけじゃなさそうだ。

 春人は他に食べられそうな物が無いか探した。

 食べる事で付与効果が得られる料理……リンゴとかの素材アイテム、それからポーション作成用に持ってた大量の水。意外とあったな。これだけあれば飢え死にする事は無さそうだ。料理群に関してはちょっと勿体無い気もするけど、この際仕方が無い。背に腹は変えられないからな。

「さて、それじゃ今度こそ―――」

 魔法を使ってみよう!

 まず最初に魔法がちゃんとあるのか確認しないとな。えーっと、ステータス画面を開いてから魔法のタブに切り替えて……出来た! おおっ、ちゃんと表示されているぞ!

 魔法欄には二百近い魔法が記されている。さらに画面の左上には、【魔法作成】というボタンがある。そこを押すように念じると、

「おおー! ちゃんと作成ウィンドウも表示されるのか!」

 これが出るって事はつまり、今からでも新しい魔法は作れるってことだな。なんか急にテンション上がってきたぞ! あーでも今はまだお預けだな。先に使えるのかどうか確認しないと! さぁてどれにしようかな~ これでいいか。

 春人が選択したのは【ショックボルト】という魔法だった。この魔法は彼が作成したものではなく、ゲームを始めた時から使用可能な魔法の一つ。所謂初期装備と同じものだ。そこまで強力な魔法ではなく、効果範囲も狭く詠唱も必要ない。試すにはもってこいだと判断した。

「あれ……発動しない」

 念じてるのに全然反応しないぞ? こうやって前に腕をかざせば―――駄目か。

「嘘だろ……」

 ここまできて魔法は使えないってのか。これじゃせっかくMLOの世界に入れても……いや、もしかして!

 春人はステータス画面を閉じた。それから先程と同じように右腕を前に突き出す。次に瞑想し身体の中にある魔力を感じる。そして―――

「―――ショックボルト」

 右手の先に魔法陣が出現。そこから稲妻が駆け抜ける。それを見た瞬間、身震いするような興奮が全身を駆け巡った。

「出来た! 魔法使えるぞっ!!」

 思ったとおりだ。ゲーム時代みたいに選択するのは無理だけど、今みたいに魔力を感じながら唱えればちゃんと発動する。今ので魔力を使う感じもわかった。これなら他の魔法もいけるぞ!

 春人は魔法を獲得した。

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