最強ゲーマーは異世界で無双する ~魔法でつくる自由な国~
2.異世界にきちゃった
生い茂る木々で覆われた空、ぬかるみ整地されていない地面。視界を遮るほど暗い森が広がる。春人は今、その森の中に居た。
「なっ……なんだよこれ! 何でこんな―――ていうかどこだよここ!」
情報の整理が追いつかず、発する言葉もチグハグになっている。春人は突然見知らぬ地に放り出されてしまった。その理由もわからず慌てふためいている。
お、落ち着け俺……まずは状況を整理しろ。
春人は周囲を再度見渡した。見渡したといっても四方全て木々で覆われていて遠くまでは確認できない。この少ない情報を元に彼は考え出す。
ここは森……だよな。見た感じ木以外は何も無いし、先も見えないって事は相当広いんだろう。それにこの暗さ、おそらく夜だ。周りに俺以外いないのか?
春人は耳を澄ませ周囲から聞える音を辿った。
「駄目だ……風が吹き抜ける音くらいしか聞えない」
―――って事は俺以外には誰もいないのか。大声で叫んでみようかな……いや、そもそもここが日本かどうかもわからないし、言葉が通じなかったら大変な事になりそうだ。さて、次は自分の状態を見るか。
春人は視線を下に向け、自分の首から下の状態を確認した。すると、
「何だよこの服、さっきまで俺が着てた物じゃないぞ」
春人は膝下まである長いロングコートを着ていた。薄暗くて完全には見えないが、雰囲気的には西洋の騎士が着ている様な服装だった。
これって……前にアニメか何かで見たことあるぞ。騎士服か? 俺がさっきまで着てたのは普通のパーカーだ。そもそもコスプレが趣味ってわけでもないし、こんな服は俺の持ち物には無い。だけど何でだ、どことなく見覚えがあるような……
「……駄目だわからん。服装は一先ず保留だな」
とりあえずここでわかる事はこれくらいか。これ以上の事はもう考えようが無いな……となると、
「場所を変えてみるしかないな」
これ以上の事を考えるのなら情報がほしい。そう思った春人は三度周囲を確認し、ある一点を見つける。
おっ! あっちの方が何となく明るいぞ。もしかしてどこかに抜けてるのか。
「よし! 行ってみるか」
その方角に向かって歩き出す。一歩一歩と近づいていくうちに、木々で覆われていた視界が徐々に開けていく。そして閉ざされていた視界が完全に開かれた時、目の前に広がっていたのは、崖上から見た広大な森と満天の星空だった。
「すげぇ」
こんな景色初めて見たぞ! 森も星も空も―――全部綺麗だ。
「こんなのゲームとかでしか見た事ない」
あれ、ちょっと待てよ。ひょっとしてここ……ゲームの中とかじゃ無いよな??
「いやいやいやっ! さすがにそれは無いだろ! アニメとか漫画の世界じゃあるまいし」
でも……そもそもここに来る前って何してたっけ。確かMLOの最終コンテンツを終わらせて……それでパンドラの箱を開け―――
ここで春人は直感で感じ取った。
「もしかしてここ―――MLOの中なのか」
全身が身震いした。現実的に考えれば絶対にありえない事だ。しかしここに至るまでの経緯、現在の状況から推測すると、そのありえない事が一番ありえるように思えた。そのまま思考を巡らせていると、前方から何かが迫ってきている事に気付く。
何だあれ……鳥か? 鳥にしては大きいような……ていうかめちゃめちゃ速くないか。まっすぐこっちに向かってくるぞ。
高速で迫ってくる飛行物体。その全体像が少しずつ見え始める。鋭い牙、強靭な顎を持ち、全身の表皮はゴツゴツしていて硬い。その生物が有する翼は胴体よりも大きく、羽ばたく姿は見るものを圧倒する。それは数多の伝説に登場し、勇者によって打ち倒される存在。その名は―――
「ドラゴン!?」
急接近したドラゴンが春人の上をスレスレで飛び去っていく。その直後に激しい風圧が彼を襲った。
「ホント何なんだよ! 次から次へと―――あっ」
身体を小さく丸めて風圧に耐えていた春人、踏ん張りが利かず身体が宙に浮いてしまう。そして不運にも彼が立っていたのは崖だった。宙に浮いた身体が一気に落ちていく。
「うおああああああああああああああああ」
春人は真っ逆さまに転げ落ちて行った。時間はわずか三秒ほどでバシャンという音を立てながら落下が止まった。
「いってて……あれ、全然痛くない―――へっくしゅん!」
冷たいと思ったら水に落ちてたのか……ん?
春人は水面に映っている人物に目を奪われた。そこには見知らぬ美男子の顔が映っていたのだ。
誰だこいつ……って俺か。いや水面に映ってるんだから俺しかないぞ。俺ってこんな顔だったっけ? いやいや、いくら全然鏡見てなかったって言っても、さすがに自分の顔は忘れないぞ! おい……ていうかこの顔って、
「サバトの顔じゃねぇか……」
間違いない、間違いないぞ! ゲーム画面越しで何度も見て来た……これはサバトの顔だ!
「って事はやっぱり」
春人は全身に電流が走ったように感じた。ここまで半信半疑でしかなかった。それが今、彼の中で確信に変わった。
ここは―――MLOの世界だ。
「なっ……なんだよこれ! 何でこんな―――ていうかどこだよここ!」
情報の整理が追いつかず、発する言葉もチグハグになっている。春人は突然見知らぬ地に放り出されてしまった。その理由もわからず慌てふためいている。
お、落ち着け俺……まずは状況を整理しろ。
春人は周囲を再度見渡した。見渡したといっても四方全て木々で覆われていて遠くまでは確認できない。この少ない情報を元に彼は考え出す。
ここは森……だよな。見た感じ木以外は何も無いし、先も見えないって事は相当広いんだろう。それにこの暗さ、おそらく夜だ。周りに俺以外いないのか?
春人は耳を澄ませ周囲から聞える音を辿った。
「駄目だ……風が吹き抜ける音くらいしか聞えない」
―――って事は俺以外には誰もいないのか。大声で叫んでみようかな……いや、そもそもここが日本かどうかもわからないし、言葉が通じなかったら大変な事になりそうだ。さて、次は自分の状態を見るか。
春人は視線を下に向け、自分の首から下の状態を確認した。すると、
「何だよこの服、さっきまで俺が着てた物じゃないぞ」
春人は膝下まである長いロングコートを着ていた。薄暗くて完全には見えないが、雰囲気的には西洋の騎士が着ている様な服装だった。
これって……前にアニメか何かで見たことあるぞ。騎士服か? 俺がさっきまで着てたのは普通のパーカーだ。そもそもコスプレが趣味ってわけでもないし、こんな服は俺の持ち物には無い。だけど何でだ、どことなく見覚えがあるような……
「……駄目だわからん。服装は一先ず保留だな」
とりあえずここでわかる事はこれくらいか。これ以上の事はもう考えようが無いな……となると、
「場所を変えてみるしかないな」
これ以上の事を考えるのなら情報がほしい。そう思った春人は三度周囲を確認し、ある一点を見つける。
おっ! あっちの方が何となく明るいぞ。もしかしてどこかに抜けてるのか。
「よし! 行ってみるか」
その方角に向かって歩き出す。一歩一歩と近づいていくうちに、木々で覆われていた視界が徐々に開けていく。そして閉ざされていた視界が完全に開かれた時、目の前に広がっていたのは、崖上から見た広大な森と満天の星空だった。
「すげぇ」
こんな景色初めて見たぞ! 森も星も空も―――全部綺麗だ。
「こんなのゲームとかでしか見た事ない」
あれ、ちょっと待てよ。ひょっとしてここ……ゲームの中とかじゃ無いよな??
「いやいやいやっ! さすがにそれは無いだろ! アニメとか漫画の世界じゃあるまいし」
でも……そもそもここに来る前って何してたっけ。確かMLOの最終コンテンツを終わらせて……それでパンドラの箱を開け―――
ここで春人は直感で感じ取った。
「もしかしてここ―――MLOの中なのか」
全身が身震いした。現実的に考えれば絶対にありえない事だ。しかしここに至るまでの経緯、現在の状況から推測すると、そのありえない事が一番ありえるように思えた。そのまま思考を巡らせていると、前方から何かが迫ってきている事に気付く。
何だあれ……鳥か? 鳥にしては大きいような……ていうかめちゃめちゃ速くないか。まっすぐこっちに向かってくるぞ。
高速で迫ってくる飛行物体。その全体像が少しずつ見え始める。鋭い牙、強靭な顎を持ち、全身の表皮はゴツゴツしていて硬い。その生物が有する翼は胴体よりも大きく、羽ばたく姿は見るものを圧倒する。それは数多の伝説に登場し、勇者によって打ち倒される存在。その名は―――
「ドラゴン!?」
急接近したドラゴンが春人の上をスレスレで飛び去っていく。その直後に激しい風圧が彼を襲った。
「ホント何なんだよ! 次から次へと―――あっ」
身体を小さく丸めて風圧に耐えていた春人、踏ん張りが利かず身体が宙に浮いてしまう。そして不運にも彼が立っていたのは崖だった。宙に浮いた身体が一気に落ちていく。
「うおああああああああああああああああ」
春人は真っ逆さまに転げ落ちて行った。時間はわずか三秒ほどでバシャンという音を立てながら落下が止まった。
「いってて……あれ、全然痛くない―――へっくしゅん!」
冷たいと思ったら水に落ちてたのか……ん?
春人は水面に映っている人物に目を奪われた。そこには見知らぬ美男子の顔が映っていたのだ。
誰だこいつ……って俺か。いや水面に映ってるんだから俺しかないぞ。俺ってこんな顔だったっけ? いやいや、いくら全然鏡見てなかったって言っても、さすがに自分の顔は忘れないぞ! おい……ていうかこの顔って、
「サバトの顔じゃねぇか……」
間違いない、間違いないぞ! ゲーム画面越しで何度も見て来た……これはサバトの顔だ!
「って事はやっぱり」
春人は全身に電流が走ったように感じた。ここまで半信半疑でしかなかった。それが今、彼の中で確信に変わった。
ここは―――MLOの世界だ。
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