本気の恋
初めての共同作業
 最悪のHRから数日後、初めての体育の時間がやってきた。龍は何度かサボろうかと考えたが体育は好きなので葛藤の末、サボらず授業に出ることにした。
(体育がある度にこの葛藤が訪れるのかよ。めんどくせー。)
 さらに今日はスポーツテストのため、1限目に体育のある龍のA組と隣のクラスのB組の体育委員はグラウンドと体育感で色々と準備があるらしく朝早くに集合させられた。
「よし、お前らちゃんと遅れずに来たな。じゃあさっさと準備終わらせるぞ。」
 なぜこんな朝からそんなバカでかい声が出るのか、龍は体育の先生の声を聞いて呆れていた。
「A組の体育委員はグラウンドの準備で、B組は体育館の準備とする。西野は去年も体育委員だったからやり方は分かるな?」
「はい、大丈夫です。」
 熱血教師とは正反対の落ち着いた声で西野は返事をした。こうも真逆のものを見るのも珍しい。
「じゃあグラウンドは任せた。俺はB組の2人について行ってやり方を教えてくれる。行くぞ2人とも。」
 熱血迷彩教師の後を嫌々B組の体育委員2人がついて行き、グラウンドには龍と唯花だけとなった。
(よし!あの先生が傍にいないなら適当にやっても大丈夫じゃん。西野に感謝だな。)
 龍が唯花に礼を言おうと唯花に目を向けると、いつの間にか体育倉庫の方へ歩き出していた。小走りで唯花に追い付いた龍。だが、妙に話しかけづらくなったので黙ったまま歩くことにした。
 体育倉庫の前に着いた2人。唯花はそそくさと扉を開け作業に取り掛かろうとする。
「西野。俺何やったらいいか分かんねーから教えてくんない?」
 まさか何も言わず作業を開始しようとるとは思ってなかった龍は慌てて唯花に話しかけた。
「あ、ごめん。説明するの忘れてた。とりあえず準備に必要な物を外に出そ。」
 意地悪でもなんでもなく本当に忘れていたということは唯花の表情から龍は悟った。
「了解。どれ運び出せばいい?(西野ってもっとしっかり者かと思ってたけど、意外と抜けてるとこあるんだな。)」
 唯花の指示に従い、次々と物を運び出す龍。そんな龍を唯花はじっと見つめていた。龍はすぐさまその視線に気付き反応した。
「どうした。俺の顔に何か付いてる?」
「いや、別に何も付いてはないけど。ただ不思議に思っただけ。」
「え、何が。」
 龍にとっては急に理解できないことを言われたので、頭の中が混乱してしまった。
「八雲ってめんどくさがり屋そうだから今日の準備来ないと思ってたのに。実際はちゃんと来て働いてるから不思議に思った。」
「あーそういうことね。ほんとは来るかどうか迷ったんだけど、体育は好きだから来たって感じ。どーせ来たならさっさと準備終わらせた方がいいだろ?」
 
「私の仕事が増えて迷惑がかかるから来たとかって理由じゃないんだ?」
 表情1つ変えずに鋭い質問を飛ばしてくる唯花に龍は少し意表を突かれてしまった。
「も、もちろん。それも来た理由に含まれてるに決まってんじゃん。」
 誰がどう見ても嘘だと分かる顔で嘘をついてしまった龍。そんな龍を見た唯花は
「嘘つき。」
 と、当たり前な反応を起こした。
「すいません。」
 龍は自分のことが情けないと思いつつ素直に謝罪し頭を垂れた。
「まぁいいけどね。結局来てくれて働いてくれてるから。さっさと終わらせよ。」
 その後は唯花の指示でせっせと準備を完了させ、初めての体育委員の仕事は無事終えることとなった。
(西野って恐いのか恐くないのか分からん· · ·。)
(体育がある度にこの葛藤が訪れるのかよ。めんどくせー。)
 さらに今日はスポーツテストのため、1限目に体育のある龍のA組と隣のクラスのB組の体育委員はグラウンドと体育感で色々と準備があるらしく朝早くに集合させられた。
「よし、お前らちゃんと遅れずに来たな。じゃあさっさと準備終わらせるぞ。」
 なぜこんな朝からそんなバカでかい声が出るのか、龍は体育の先生の声を聞いて呆れていた。
「A組の体育委員はグラウンドの準備で、B組は体育館の準備とする。西野は去年も体育委員だったからやり方は分かるな?」
「はい、大丈夫です。」
 熱血教師とは正反対の落ち着いた声で西野は返事をした。こうも真逆のものを見るのも珍しい。
「じゃあグラウンドは任せた。俺はB組の2人について行ってやり方を教えてくれる。行くぞ2人とも。」
 熱血迷彩教師の後を嫌々B組の体育委員2人がついて行き、グラウンドには龍と唯花だけとなった。
(よし!あの先生が傍にいないなら適当にやっても大丈夫じゃん。西野に感謝だな。)
 龍が唯花に礼を言おうと唯花に目を向けると、いつの間にか体育倉庫の方へ歩き出していた。小走りで唯花に追い付いた龍。だが、妙に話しかけづらくなったので黙ったまま歩くことにした。
 体育倉庫の前に着いた2人。唯花はそそくさと扉を開け作業に取り掛かろうとする。
「西野。俺何やったらいいか分かんねーから教えてくんない?」
 まさか何も言わず作業を開始しようとるとは思ってなかった龍は慌てて唯花に話しかけた。
「あ、ごめん。説明するの忘れてた。とりあえず準備に必要な物を外に出そ。」
 意地悪でもなんでもなく本当に忘れていたということは唯花の表情から龍は悟った。
「了解。どれ運び出せばいい?(西野ってもっとしっかり者かと思ってたけど、意外と抜けてるとこあるんだな。)」
 唯花の指示に従い、次々と物を運び出す龍。そんな龍を唯花はじっと見つめていた。龍はすぐさまその視線に気付き反応した。
「どうした。俺の顔に何か付いてる?」
「いや、別に何も付いてはないけど。ただ不思議に思っただけ。」
「え、何が。」
 龍にとっては急に理解できないことを言われたので、頭の中が混乱してしまった。
「八雲ってめんどくさがり屋そうだから今日の準備来ないと思ってたのに。実際はちゃんと来て働いてるから不思議に思った。」
「あーそういうことね。ほんとは来るかどうか迷ったんだけど、体育は好きだから来たって感じ。どーせ来たならさっさと準備終わらせた方がいいだろ?」
 
「私の仕事が増えて迷惑がかかるから来たとかって理由じゃないんだ?」
 表情1つ変えずに鋭い質問を飛ばしてくる唯花に龍は少し意表を突かれてしまった。
「も、もちろん。それも来た理由に含まれてるに決まってんじゃん。」
 誰がどう見ても嘘だと分かる顔で嘘をついてしまった龍。そんな龍を見た唯花は
「嘘つき。」
 と、当たり前な反応を起こした。
「すいません。」
 龍は自分のことが情けないと思いつつ素直に謝罪し頭を垂れた。
「まぁいいけどね。結局来てくれて働いてくれてるから。さっさと終わらせよ。」
 その後は唯花の指示でせっせと準備を完了させ、初めての体育委員の仕事は無事終えることとなった。
(西野って恐いのか恐くないのか分からん· · ·。)
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