異世界に貴族として転生しました!〜兄が神な男〜

御隠居村長

13、剣の訓練、断固反対

「皆、先日のパーティーも無事に乗り越えた。お疲れ様だ。それでなぁ。シリウスには、剣の訓練をうけてもらうぞ!」
と、パーティーという超面倒な行事が、昨日やっと終わったというのに、また変な物を持ってきた父さん。朝食時に変な話持ってくるなよ。

「あら〜。シリウス。そんな露骨に嫌そうな顔をしてはいけません。貴方は、貴族ですが、四男。剣が扱えれば、騎士団なんかにも入れるかもしれませんよ。」 
と、母さんに言われる。

 そんなに嫌そうな顔をしていたのだろうか? いやでもまあ、剣の訓練は、嫌だな。

「あのー。何も剣である必要は、なくないですか? 魔法でもよろしいのでは?」
と、俺の完璧な提案。

 俺は、おそらく魔力が滅茶苦茶多いはずだ。それなのに、わざわざ、剣の訓練なんてしなくても、魔法だけでも良いだろう。

「それは、だめだ。理由は、大きく分けると2つある。一つ目、この家は、代々剣の家系。その現れの一つとして、インブンランド家は、紋章が剣を2つクロスにさせたもの。インブンランド家の人間は、剣の訓練をやらなくては、いけないのだ。これは、先祖代々のものだからな。2つ目。魔法だと、魔法無効化の魔道具なんかにかけられたときに対応ができない。剣であれば、何かの時に対応ができる。シリウスにだって、何かの時が来ないとは限らないんだぞ!」
と、父さん。

 先祖代々とかどーでも良いけどさぁ、変なフラグたてんなよ、父さん。

「いや、でも、」
「でも、ではない。これは、決定事項だ。お前の為に冒険者を呼んだ。家(うち)の私兵にやらせても良かったのだが……。そうすると、サボられるかもしれないからな。」


 冒険者かぁ……。何か危険なイメージだよなぁ。俺の異世界での人生計画では、貴族の義務である学園を終えたら、即座に田舎に引きこもるのだ。だから、俺が冒険者になるつもりはないんだよな。

「あ、そうそう。冒険者の方々に色々な話を聞いておけ。」

 え? 何で?

「え? 何でですか?」

「ああ。学園の卒業試験の時に、冒険者ランクがEになっていないと卒業できないんだ。それは、貴族であっても同じ。まあ、金を払ったり、圧力をかければなんとかなるけどな……。私がそんな卑怯な事をするはずがない。」

 は?

「では、取り敢えず、冒険者登録をしないといけないのですか? 学園を卒業するには。」

「うむ。そういうことだ。今回来る冒険者の二人には、シリウスを取り敢えず冒険者の試験に受かるように訓練してもらうんだ。」

 ん?! 試験?

「冒険者になるには、試験があるのですか?」

「ああ。とはいっても、簡単なものだ。まあ、5歳になったら、冒険者になるための試験を受けれる。受かれば、初めは、Gランクからスタートだ。」

 冒険者になるのも簡単ではないんだなぁ。冒険者って、ゲームとかだと誰でもなれるイメージだけど……。そんなことなかったんだな。

「ということで、朝食を食べ終わって少しすると、取り敢えず剣の訓練に冒険者夫婦が来る。そして、午後は魔法の訓練に男女でやっている冒険者が、来る。」

 夫婦? 男女二人っきりでやっている? リア充かぁ……。く、くそ! いやでも俺だって貴族。黙っていれば、縁談が来るか……! だが、跡継ぎではないから、縁談が来ないのか……? あーあ。俺も可愛い彼女が欲s////、いやなんでもない。

 というか、午前に剣。午後に魔法って……。

「午前に剣、午後に魔法。少し、おかしくないですか?」

「うむ、確かに甘すぎたか……。朝食前と夕食後にも訓練を入れるべきかな?」

 いや、なんでそうなるんだよ。父さん、けっこう脳筋なのか……。だとしたら、何言っても無駄だな。

「やっぱり、大丈夫です。」

「そうか。じゃあ、今日の午前からがんばれよ! 取り敢えず、剣の訓練だからな。」

「はい、分かりました。」

 その後、他愛もない話をしながらご飯を食べる。食べ終わり、俺は一人で部屋から退出した。

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