異世界に貴族として転生しました!〜兄が神な男〜

御隠居村長

4、転生

 あれ?
 凄く豪華なベット。

 もしかして、ここは!
 転生先か……。

 たしか、兄貴は、辺境伯の四男に転生させると言っていたよな。
 普通に金持ちそうだな。

 そんなことを考えている、部屋の前が騒がしくなってきた。

 声が、聞こえる。
 俺、立ち上がり、ドアの方に行く。

 すると……、

「奥様。 落ち着いて下さい。シリウス様は、おそらく大丈夫です。」

「落ち着ける訳が、ないでしょう。医者に聞いたら、死ぬ可能性もあるほどの重症だ、と言っていたのよ! それに寝込んでから、もう3日。」

 まあ、考えるに、シリウスというのは、俺なのか? まあ、なんとなくだが、俺なんだろうなという予感がする。
 あと、奥様というのは、俺の母さんなのかな? 
 奥様と話しているのは、使用人かなんかだろうか?

 シリウスが、俺だとすれば、俺は、今はなんともない。だから、話している二人の方へ行ってみるか。


 そして、思い切って、ドアを開けて、二人に声をかける。

「こんにちは」
 
 こんにちは、が、適切なのかは、かなり不明。まあ、ただ、それ以外に言う事が思い浮かばなかった。

「シリウス!!! 大丈夫なの?」
と、超美女にそう聞かれた。

 今度は、
「シリウス様。大丈夫なのですか?」
と、初老のおじさんに言われた。

「シリウス。私の事覚えている? 私は、メアリー・インブンランドよ。インブンランド家の第二夫人で、貴方の母親よ。」

 やっぱり、母親だったのか……。

 もう一人の初老の方は、誰なのだろうか?

「シリウス様。私は、インブンランド家に使える執事で、執事長を務めております、セバスです。病み上がりで、多少お体が、心配ですが、今日の夕食は、当主様と一緒に食べれますか?」
 
 なるほど。俺の母さんと、執事長ということか……。

 まあ、夕食は、一緒に食べれるな。

「そんなに、ひどい病気でもないから、夕食は、一緒に食べれるよ!」
 
 言葉遣いとかも、あくまでも、子供らしくだな。

「かなりひどい病気だったのですが……。まあ、分かりました。料理人に伝えておきます。」

「はい。では、よろしくお願いします。」

 というか、普通に喋っているけど……。
 これ、日本語だな。なんで、異世界で、日本語なんだろう? 今度、兄貴に聞いておこう。

「じゃあ、シリウス。夕食でね。少し寝ていても、いいわよ。貴方には、一応、専属執事見習いがついているから、その人に起こしてもらいなさい。」
と、母さん。

 専属執事見習いなんて、いるんだ! 普通に嬉しいな。なんかいかにも、貴族というかんじで。

「あ、そういえば……。前にも説明しましたが、その専属執事見習いは、私の孫です。私の長男の次男です。名前は、バトラーです。歳は、十二歳で、シリウス様の7つ上ですね。聞きたいことがあれば、バトラーに聞いて下さいね。」
と、セバスは、いった。

 その後、母さんは、「じゃあ、夕食でねー」といい、セバスは、「では、失礼します。」と、いい、廊下の向こうの方に去っていった。



 とりあえず、部屋に戻るか、と、思った矢先に、
「シリウス!!! 大丈夫なの? 起きたって、母さんから聞いたけど!」
と、前から、美少女が突進してきた。

 いや、誰だよ?

 本当に誰かわからなかったから、思い切って、その少女に聞いてみた。
「あのぅ。誰ですか?」
「シリウス、ひどいわ! 母さんが、シリウスは、重症だって、いっていて、しばらく会えなくて……、心配したのよ!」

 ふぅむ。質問には、答えてくれないらしい。まあ、ただ、かなりの高貴な子供なんだろう。いや、もしかしたら、俺の姉さんとかかな?

 もう一回くらい、聞いておこう。諦めないことが、大切だからな。
「あの、それで誰ですか?」

 すると、俺の後ろから声が、聞こえた。
「あの、エマ様。シリウス様は、病み上がりですので……。」
「なによ! バトラー! 別にいいじゃない。私の弟なのよ!」

 おお。バトラーというのは、俺専属の執事見習いだな。いつから、いたのだろうか。で、この美少女は、俺の姉さんだったんだな。名前は、エマか。

 なんか、けっこう面倒臭そうな人だな。

「あの、姉さん。少し、疲れているので、部屋で休んで良いですか?」

「むぅ。わかったわ。どうせ、夕食で、会えるのだし……。じゃあ、しっかり休みなさいよ、シリウス。」

 おお! 意外と良いお姉さんなのかな……。まあ、病み上がりだったら、誰でも、休ませてくれるか。

 まあ、今回のことは、バトラーに助けられたな。

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