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ある日突然、ぼっちだった俺に学校一美少女の主ができました。

ながしょー

プロローグ

「なぜキミはいつもそうなんだ」


俺は今、担任である田村香菜先生(30歳、独身)にこっぴどく怒られている。
なぜ、こうなってしまったかと言うと……


「何が将来の進路がニートだ!ここまで正直に書いた奴は、私が知る限りではお前が初めてだぞ」


「す、すみません。でも、俺は楽な方を選びます」


俺は将来いい奥さんを見つけて、専業主夫(自宅警備員(ニート))になるつもりだ。なろうと思った明確な理由もちゃんとある。
最近、テレビで親の肩書きで出演している二世タレントがたくさんいる。親が大物芸能人だからと言って、何も努力せずに簡単に芸能界デビュー。全国にはどれだけ努力しても芸能界デビューが叶わない人だっているのに。
だから俺はこう思った。
「努力すれば、いつか報われる時がくる」と周りの人は言うが、それはウソだ。そもそも「いつか」という時点で報われないかもしれないという意味も含まれている。こんな残虐な言葉……誰が考えたのだろうか。


「お前……腐った目付きをしてるぞ」


「よく言われます」


田村先生は頭痛でもするのか、こめかみを押さえ、肩をすくめた。


「お前の目を見れば、大体のことは分かった」


「へぇー、先生もしかしてアラサーで……ぐふぁっ!」


「中二病ですか?」と言いかけた時に硬い何かが俺の溝内に突き刺さった。
あまりにも重たくて鈍い痛みに立っていられず、俺はその場で膝を着いてしまった。


「次……年齢に関係することでも言ってみろ。この拳が黙っておらんからな」


田村先生の目が豹変してた。殺気に満ちた目に。
それはそれで体罰にならないのか?とか、先生としてどうなのか?とか疑問に思ったが、ここでさらに逆らえば……本当に命がなくなってしまう。
俺は再び立ち上がり、


「す、すみませんでした……」


「分かればよろしい」


と、元の田村先生に戻ったところでまた、先ほどの話になった。


「お前は要するに、この世界が憎いのだろう?」


「憎いというわけではないですが、この世界はクソだと思っています」

「そうか……」


その言葉を言ったきり、胸の前に腕を組んでしばらく考え込んでしまった。
一体、何をそんなに深く考えてるのだろうか。
俺には全く見当もつかなかった。


「よし、ちょっと付いて来い」


「あ、はい」


やっと喋ったと思ったが、まだ俺の説教は終わりそうにないようだ。
とりあえず、田村先生の後を付いて行くことにした。


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「それにしてもキミが女性の後ろを付いてくると……ストーカーのように見えるな」


「いきなり自分の生徒を犯罪者扱いしないでください」


「おぉ、悪いな」


と、言いながら田村先生は笑っていたが、俺自身……笑えない。
実はというと、俺が犯罪者に見られるのは中学時代から結構ある。
例えば、中学2年の頃。席替えをしてたまたま隣同士になった女子がいたのだが、俺はその頃、「女子と仲良くなりたい!」と思っていた。だから、積極的にその子に話しかけたりしていたが、ある日のことだった。その子の体操服一式が突然無くなったという騒ぎが起きた。その時、疑われたのが、当然の如く俺である。俺は必死にやってないことを弁解したが、世界は理不尽だった。「アイツの目、見ろよ。絶対やってるよ」「毎日、話しかけてたし……好きだから盗ったんじゃない?」と、まるで俺が犯人であるかのようにクラスの連中は決めつけていた。結局、登校中に落としたらしく、落し物として警察官がわざわざ学校まで届けてくれたみたいだが、俺の評判はガタ落ちである。


「なんで俺はア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙いつもこうなんだあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」


気がつけば、廊下の上でのたうちまわっていた。


「いきなりどうした?!」


「い、いえ……なんでもありません」


「どうやら……精神面にも問題があるようだな……ここも治せるといいが……」


何か最後、田村先生はつぶやいていたが音楽室の目の前だったため、上手く聞き取れなかった。

「何ぼーっと突っ立ってる。早く行くぞ」


俺は再び田村先生の後を追った。





「ここですか?」


田村先生が足を止めた場所は図書室の目の前だった。
なぜ、図書室なのかはまだハッキリと分からないが、田村先生が中に入ったので、俺も後に続いた。


「花澤真涼はいるか?」


図書室に入るなり、田村先生は大声で誰かの名前を呼んだ。
そして、その名前の人物であろう1人の美少女がカウンターの奥からやってきた。


「先生、ここは図書室なんですから、お静かにお願いします」


髪は黒でロングヘア。目は二重で化粧もほとんどしていないように見えるが、ダントツで学校一の美少女である。そこら辺の厚化粧をした詐欺師とは違い、本物だ。


「ごめんな。次からは気をつけるよ」


「毎回そう言ってますけど、いつになったら直してくれるんですか?……って、この腐った目をした今にでも私を襲いかかろうとしている人は誰ですか?」


俺の存在に気がついた花澤真涼は自分の体を守るかのように両手で抱きしめるしぐさをした。


「初対面の相手に対して失礼じゃないですか?!」


「黙れ、性犯罪者!」

「違ぇよ!俺は1度も性犯罪を犯したこともないし、ましてや清く正しく生きている人間だ!」


なんなんだこのクソ女は。
いきなり人を犯罪者扱いして……俺って、そんなに腐った目してるかな?!


「まぁまぁ、真涼も落ち着け。この腐った目をしている男は私の生徒だ。こう見えて、犯罪者或いは犯罪者予備軍に見られがちだが、彼の言う通り、今まで犯罪を犯したことは1度もない」


田村先生はフォローのつもりで言っていると思うが、全然フォローになっていない。むしろさらに傷つきました。


「でも、今はそうであっても今後は分からないですよね?」


「あー……」


「なんでそこで言葉詰まるんですか?!」


「わ、悪いな、とりあえずコイツ……中村は刑務所に入るようなことは度胸が無さすぎてできん。だから、そこのところは私が保証してやろう」


その言葉を聞いた花澤真涼は顎に手をやり、ひとまず沈思黙考した。


「……分かりました。それでどのような依頼ですか?この男を犯罪者にしなければいいんですか?」


依頼?それはどういうことだろうか?


「惜しいが、そうではない。コイツ…中村をキミのそばに置いて欲しい。雑用でもなんでもさせていいからお願いできないか?」


「ちょ、ちょっと待ってください!雑用ってなんスか?なんで俺がこんな女の従者みたいな奴にならなければならないんですか?!」


俺は慌てて田村先生に問い詰めた。
いきなりこの花澤真涼っていう得体のしれない女の従者になれと言われても困る。俺はそんなことをしている暇なんてないのだ。日々、専業主夫(自宅警備員(ニート))の修行に打ちひしがれてるのだ。


「そんな暇があるのなら、もっと将来のために役立つようなことをすればいいのに」


花澤真涼は俺の心の中を見透かしたようにそうつぶやいた。


「分かりました。私がこの腐った男をなんとかしてみせます」


「よし、じゃあ頼んだ。それとキミたちまだ自己紹介してなかったな」


「そうですね。正直、このいつ犯罪を犯すか分からない男相手に個人情報は漏らしたくないのですが……仕方ないですね」


「その前に言っとくけど…俺、お前に何かしたか?」


さっきから挑発してくるようなことばっかりいいやがって。一体、俺が何をしたって言うんだ。


「しました。その目で私を……犯しました」


いきなり頬が赤くなったと思ったら、被害妄想かよ。
恥ずかしいなら最初から言うなよ。
俺は何を言っても無駄だと言うことが分かったのでスルーして自己紹介することにした。


「2年G組の中村裕翔だ。部活は何もしてないし、好きな事とか趣味もない。とりあえず、よろしく頼む」


「つまり……あなたの中身は何も無い空っぽってわけね」


「そこまでは言ってねぇーだろ……って、おい」


何やらメモ帳に書き込んでいる。
――もしかして、何も無い犯罪者とか書いてないだろうな…。
そんな心配をよそに花澤真涼は自己紹介を始めた。


「私は、2年S組の花澤真涼よ。部活はしてないけど、図書委員の委員長を務めてるわ。趣味は読書。とりあえず、よろしく頼みたくないわ」


S組と言えば、この学校でめちゃくちゃ頭のいい奴らが集まっているクラスではないか。それに花澤ってどこかで聞いたことがあると思ったが、定期テストで毎回全教科学年1位を取ってるやつじゃねぇーか。
スゴい奴なんだなぁと思いながらも、最後「頼みたくない」と聞こえたが……気のせいだろうか。


「よし!2人とも自己紹介も終わったことだし、後のことは真涼頼んだよ」


そう言い、田村先生は図書室から出て行った。
残った俺と花澤真涼もこの後、特に話すこともなく、下校時間にそれぞれ帰宅したのだった。

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