ある日突然、ぼっちだった俺に学校一美少女の主ができました。
第4話
俺は今、デートをしている。
恋愛とは程遠い俺からしてみれば、非常にありえないイベントだ。
しかもデートの相手があの花澤真涼。
俺にだけ毒舌というか態度が酷い女が今日は可愛らしい女の子になっている。
フリフリの付いたピンクのワンピースを着て、化粧までして。
道を歩けば、通りすがる度に人々は彼女に目を奪われ、振り向いてしまう。
それと同時に振り向いた人々は俺の存在に気づくと、「なんであんなパッとしねぇ奴と」「リア充死ね!」というような目で睨んでくる。
――HAHAHA。まったく……俺に対して失礼だろ。
「何をそんなにしかめっ面してるの?」
「いや、なんでもない。目がシパシパしただけだ」
何気ない普通の会話をしているだけでも、嫉妬にはらんだ目線が俺に飛び交う。
なぜ、こうなってしまったのか。
どこでフラグが立ってしまったのか。
話は数日前に遡る。
◆❖◇◇❖◆
真涼とデートをする数日前のこと。
俺はいつも通り(ぼっちなのでいつも寝たフリ)の昼休みを過ごしていた。
そして、ここ最近毎日のように真涼も俺のクラスに顔を出してきた。
「中村裕翔いるかしら?」
相変わらずの美少女だ。
後ろには金魚のフンかストーカーか知らないが、複数の男子生徒が付いてきている。
――なんか……真涼が番長に見えてきた。
「あ?見れば分かるだろ」
毎度のように俺を名指しして呼び出すが、その必要あるのか?
だって、俺の席って、教室の扉の目の前だぞ?わざわざ名指しする必要もないというか、来たらすぐに分かるだろ。
――いや、コイツわざとしてるな。俺の名前を呼んだ瞬間、クラス中の男子が一斉に俺を睨みつけることを楽しんでやがるな?
「お前……俺をさらに孤立させたいのか?」
俺は机に突っ伏していた顔を上げ、真涼を睨んだ。
睨まれた真涼は怯むことなく……というか、不敵な笑みを浮かべ淡々と言ってのけた。
「ええ。その方が社会的にも安全安心かと思って」
「俺の社会的安全安心はどうなるんだよ……」
ダメだ。これ以上言っても無駄だ。
俺は大人なのでこれ以上はせず、ここに来た目的を聞いた。
「で、今日は何しに来たんだ?もしかして今のではないよな?」
「今のも含まれてるわ」
――なら、この先一生俺のところに来るなッ!
「来るわよ。地獄の果まで追いかけるわ」
「お前の方こそ犯罪者予備軍じゃないんですかね?!」
田村先生は俺の腐った心を治すために真涼に依頼したが、その依頼主もこの状態じゃ――確実に治らない……というか悪化するね!
真涼は「そんなことよりあなたにお願いがあるの」と言い、やっと本題に入った。
「珍しいな……犯罪のことでなければ協力しないでもしないが」
「そこは安心して。あなたが犯罪を犯したところで私は罪に問われないから」
うん!まったく安心できないね!(笑)
「って、そんなことはいいから早く言えよ」
「その……」
真涼の顔がみるみるうちに赤くなっていく。
いつにも増して、手をモジモジさせ、目もあっちこっちに泳ぎまくっている。
――なんだよ急に……そんなに頼みづらいことなのか?
「わ、私と……デート……してほしいんだけど……」
「は?」
一瞬聞き間違いかと思ったが、真涼の表情を見る限りではどうも聞き間違いではないらしい。
では、なぜ俺が真涼とデートしなければならないのだろうか。
「わ、ワケはちゃんとあるの!……で、でも……今は話せない……」
なんで話せないのだろうかと思い、真涼が見ている方向に目をやると――ああ、なるほど。クラス中の男子が拳をポキポキ鳴らしてるね!誰と大乱闘スマッシュブラザーズをするのかな?
(キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪)
とりあえず、詳しい日程を話す前に5限目が始まる予鈴がなってしまった。この話の続きは放課後になりそうだ。
◆❖◇◇❖◆
そして放課後。
俺と真涼は一緒に帰りながら、デートの日程などを話し合っていた。
大体のことはすぐに決まったので、昼休みの時に疑問に思ったことを聞いた。
「そういえば、なんであの時ワケを話してくれなかったんだ?それとワケって何?」
真涼は「あー、あの時ね」と言いながら、途中コンビニで買ったゴリゴリ君の袋を開けた。
「あの時はただ人がいたから言えなかっただけよ。あなたと私の関係って、一応彼氏彼女だけど、それは私のための偽物カップルでしょ」
「まぁそうだけど……でも、そこでワケを話してくれてもバレることはないんじゃないか?」
「それはそうだけど……」
そう言って、真涼はゴリゴリ君がついていた棒を再びレジ袋の中にしまった。
「とりあえず、ワケはデートの時に話すから」
そして、家の中に姿を消してしまった。
恋愛とは程遠い俺からしてみれば、非常にありえないイベントだ。
しかもデートの相手があの花澤真涼。
俺にだけ毒舌というか態度が酷い女が今日は可愛らしい女の子になっている。
フリフリの付いたピンクのワンピースを着て、化粧までして。
道を歩けば、通りすがる度に人々は彼女に目を奪われ、振り向いてしまう。
それと同時に振り向いた人々は俺の存在に気づくと、「なんであんなパッとしねぇ奴と」「リア充死ね!」というような目で睨んでくる。
――HAHAHA。まったく……俺に対して失礼だろ。
「何をそんなにしかめっ面してるの?」
「いや、なんでもない。目がシパシパしただけだ」
何気ない普通の会話をしているだけでも、嫉妬にはらんだ目線が俺に飛び交う。
なぜ、こうなってしまったのか。
どこでフラグが立ってしまったのか。
話は数日前に遡る。
◆❖◇◇❖◆
真涼とデートをする数日前のこと。
俺はいつも通り(ぼっちなのでいつも寝たフリ)の昼休みを過ごしていた。
そして、ここ最近毎日のように真涼も俺のクラスに顔を出してきた。
「中村裕翔いるかしら?」
相変わらずの美少女だ。
後ろには金魚のフンかストーカーか知らないが、複数の男子生徒が付いてきている。
――なんか……真涼が番長に見えてきた。
「あ?見れば分かるだろ」
毎度のように俺を名指しして呼び出すが、その必要あるのか?
だって、俺の席って、教室の扉の目の前だぞ?わざわざ名指しする必要もないというか、来たらすぐに分かるだろ。
――いや、コイツわざとしてるな。俺の名前を呼んだ瞬間、クラス中の男子が一斉に俺を睨みつけることを楽しんでやがるな?
「お前……俺をさらに孤立させたいのか?」
俺は机に突っ伏していた顔を上げ、真涼を睨んだ。
睨まれた真涼は怯むことなく……というか、不敵な笑みを浮かべ淡々と言ってのけた。
「ええ。その方が社会的にも安全安心かと思って」
「俺の社会的安全安心はどうなるんだよ……」
ダメだ。これ以上言っても無駄だ。
俺は大人なのでこれ以上はせず、ここに来た目的を聞いた。
「で、今日は何しに来たんだ?もしかして今のではないよな?」
「今のも含まれてるわ」
――なら、この先一生俺のところに来るなッ!
「来るわよ。地獄の果まで追いかけるわ」
「お前の方こそ犯罪者予備軍じゃないんですかね?!」
田村先生は俺の腐った心を治すために真涼に依頼したが、その依頼主もこの状態じゃ――確実に治らない……というか悪化するね!
真涼は「そんなことよりあなたにお願いがあるの」と言い、やっと本題に入った。
「珍しいな……犯罪のことでなければ協力しないでもしないが」
「そこは安心して。あなたが犯罪を犯したところで私は罪に問われないから」
うん!まったく安心できないね!(笑)
「って、そんなことはいいから早く言えよ」
「その……」
真涼の顔がみるみるうちに赤くなっていく。
いつにも増して、手をモジモジさせ、目もあっちこっちに泳ぎまくっている。
――なんだよ急に……そんなに頼みづらいことなのか?
「わ、私と……デート……してほしいんだけど……」
「は?」
一瞬聞き間違いかと思ったが、真涼の表情を見る限りではどうも聞き間違いではないらしい。
では、なぜ俺が真涼とデートしなければならないのだろうか。
「わ、ワケはちゃんとあるの!……で、でも……今は話せない……」
なんで話せないのだろうかと思い、真涼が見ている方向に目をやると――ああ、なるほど。クラス中の男子が拳をポキポキ鳴らしてるね!誰と大乱闘スマッシュブラザーズをするのかな?
(キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪)
とりあえず、詳しい日程を話す前に5限目が始まる予鈴がなってしまった。この話の続きは放課後になりそうだ。
◆❖◇◇❖◆
そして放課後。
俺と真涼は一緒に帰りながら、デートの日程などを話し合っていた。
大体のことはすぐに決まったので、昼休みの時に疑問に思ったことを聞いた。
「そういえば、なんであの時ワケを話してくれなかったんだ?それとワケって何?」
真涼は「あー、あの時ね」と言いながら、途中コンビニで買ったゴリゴリ君の袋を開けた。
「あの時はただ人がいたから言えなかっただけよ。あなたと私の関係って、一応彼氏彼女だけど、それは私のための偽物カップルでしょ」
「まぁそうだけど……でも、そこでワケを話してくれてもバレることはないんじゃないか?」
「それはそうだけど……」
そう言って、真涼はゴリゴリ君がついていた棒を再びレジ袋の中にしまった。
「とりあえず、ワケはデートの時に話すから」
そして、家の中に姿を消してしまった。
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