転生貴族の異世界生活

shota

使徒と魔族

まさか結界張れてなかったか?

まずありえないがスキルの失敗を疑い、結界を確認する。

ちゃんと張れるな。張れてるけど2枚重なっている。それもどっちの結界からも魔力は感じられない。つまりどちらもスキルの結界という事だ。

あの人もスキルの結界持ちってことか。
一応調べてみるか。

《鑑定》

目の前にステータスが映し出される。
名前はフラウドか。種族は、

「・・・っ!」

眼前に剣が迫ってきた。
俺は転移で剣を躱す。

「お前、鑑定持ちだな?それもステータス隠蔽をすり抜けるランクSの・・・見たな?」

見たな?というのは恐らく種族の事だろう。

「・・・ああ。見たぞ、魔族・・フラウド。」

魔族・・・それは魔物を操ることができ、戦闘に優れた種族。人間でもテイムすれば魔物を操れるが、魔物をテイムすることができる人間はかなり少ない。さらに魔族は度々人間の国を侵略しようとすることがあり、長年人間と対立している。

「そうか・・・。では、始末しないとな。」

「なんで魔族がこんな所にいるかは知らないがこちらに害をあたえるつもりならば討伐しないとな。」


「ふん。たかが人間のガキが魔族に勝てるとでも?」

「そうだな。俺がただの人間の子供なら勝てないだろうな。」


「確かにただのガキじゃないのはお前が放った魔法を見れば分かる。だが、あの程度では俺には勝てんぞ。」

「それはやってみないと分からないな。」

「じゃあお前の今の状況は分かってるのか?周りの人間はどうするんだ?俺が人質にとるかもしれないだろう?そうじゃなくてもこの戦いの巻き添えをくって犠牲がでるかもしれない。守りながら戦うのか?」

「随分と丁寧に教えてくれるんだな。
まあ、その心配はないけどな。」

《スキル結界》

「なるほど。結界で守ったか。」

「ちょっと!ラース!1人で大丈夫なの!?」

「そうです!その人は魔族なのでしょう!?」

「テレス、リリア...。心配してくれてるのか。だけど大丈夫。」

「ふん。いつまで言っていられるかな。」

「よし。お話もこれくらいにして、そろそろ始めようか。」

「そうだな。早くお前を始末しないとな。」

俺はアイテムボックスから刀を取り出し、構える。
フラウドも同じく剣を構える。

「ほう。剣も使えるのか。だがその形はなんだ?細いし、刃も片方しか付いてない。そんなもので戦う気か?」

「ああ、俺はこれがいいんでな。」

こうして、魔法テストから突如魔族と戦うことになったのだった。

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