男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。前世の俺の面影。

チュンチュンチュン…

『レイン様、起きて下さい。朝ですよ』

「ん、大丈夫、寝れてないから」

正直言うと冒険者ではあるが、今まで神速のお陰でどんな場所にも走り続ければ1日の内に到着するため野宿なんて殆どしたことない。
そして、ゴツゴツした石の上に草を掻き集めただけの布団もどきには正直言って落胆した。
草がチクチクして痒いのだ。
王女三姉妹もどうやらそうであったらしい。
だが、他の、冒険者をやっている生徒はなんら問題が無かったらしい。
女の子が嫌がらないのに男が嫌がるっていうのは中々ヤバい…というのは前世での話。
今世ではその逆でした。

「レイン君、私達、顔を洗ってきますわ」

王女三姉妹はそう言ってフラフラと寝不足の余りハッキリとしない様子で川の方へと向かっていった。

そして、

「それにしても、よく寝れるなぁこの2人」

アーニャとイビルは未だに寝ている。
グッスリ寝過ぎてて少し心配になる。
ウェザー村以外、余り人の家にお邪魔した事は無い為、ハッキリはしないが平民の暮らしというのは相当よく無いのでは…?
昨日のバトルビーと言い…。

どごおおおおんっ!!!

「あ、王女三姉妹、戦ってる」

検索魔法に王女三姉妹が魔物と戦っている反応が出た。
魔物は小さいから大丈夫であろう。

「うう……何ですか、今の音は…?」

イビルはアクビをしながらそう言った、まだ未覚醒状態だ。
そして、彼は目を擦りすぐ側へと視線を移す。

「……」

その視線の先には先程の爆音も物ともせずグッスリと寝ているアーニャ。
少しヨダレが垂れかけているが、可愛いから許す。
イビルは黙ったまま。
うーん、何か妄想してるな?こいつ。

「イビル、アーニャを起こしてやってくれ、そろそろ散策を始めないと朝食が食べれなくなる」

「……え!?あ!うん、分かったよ」

そして、イビルは少し震える手でアーニャの肩をそっと揺らす。
何だろうか、見てはいけない物を見ているような気分になるな。
触り方がソフト過ぎて少し変なんだよ。

「ん……レイン君……」

「え?」

「……レイ……い、イビル君!?」

「あ、え、えっと!その!あ、朝だよ!」

何だろうか、浮気相手がいる事が判明したものの頭が追いつかず、誤魔化しているかのようなこの感じ。
え?俺は何も悪く無いからね?

「れ、レイン君……おはよう……その……私、変な事言ってなかった?」

いやいやいや、不自然だろ。
そこはイビルと話してやれよ。
段々、可哀想になってくるよ。
まぁ前世では俺はイビル側だったかもだが。
前世の俺を救うような気持ちで助けてやろう。

「アーニャ、イビルに挨拶ね。大丈夫、変な事は何も言ってなかったよ」

「あ、おはようイビル君、……れ、レイン君、その、一緒に狩りに……」

イビル空気じゃねえか。
俺、喋らない方が良いかな?
いや、多分アーニャの目の前から消えればイビルを頼る筈だ。
イビルは少し悔しそうな顔をしている。
分かる。
その気持ちは重々分かる。

「あ!やべっ!王女三姉妹が危険だ!俺、行ってくるよ!2人とも皆をまとめておいてね、よろしく!」

そう言って俺は瞬足で王女三姉妹の方へと向かった。
勿論、危険など何も無いのだが。


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