男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。遠足は沢山歩くのだ。

「お兄ちゃん、起きて」
『レイン様』

「……んん、もう少し…」

「…ん」


十分後。


「お兄ちゃん」
『レイン様』

「…もう少し」

「……ん」

二十分後。

「お兄ちゃん」
『レイン様』

「……起きる。だから、あと少し」

「………ん」

一時間後。

「ふぁー、よく寝たー」

「……遅刻」

「え?」

「遅刻」

「………うわっ!やべっ!!」

完全に寝てしまった。
今までよく寝れていなかったから、つい…。
きっと姉さんの事で疲れが溜まっていたのだろう。
だが、少し荷が下りた事で気が抜けてしまった。

「お腹空いた」

いやいや、遅刻してるのに食事を要求するとは中々だな。
でも、寝坊したのは俺だ。
それに、どうせ遅刻なんだから、いつ学校に行っても遅刻に変わりない。
とか言う言い訳をしながら俺は朝食を作り始めた。

「アイ、自分でご飯作っても良いんだぞ?3秒クッキングできるだろ?」

「お兄ちゃん、良い」

うん、よく出来た妹だ。
兄の作る食事はそんなに美味しいか。

俺は3秒でオーク肉のステーキを作り上げ、甘辛いソースをかけて、それをパンに挟んでやる。

「ほい、火傷するなよ」

「ん」

アイは勢い良くかぶりつく。
良い食べっぷりだ。
そして、顔は笑顔。
うん、百点満点!

俺はパンだけを食べる。
朝から肉はごめんだ。
くど過ぎる。

「アイ、行くぞ」

「ん」

食事をすぐ様終えて、俺はアイを背中に担ぐ。
そして、外に出て、

「瞬足」

ひゅん!

「よし、ついた」

ここは女子寮の前。
いつも通りアイを預ける。
俺は女子寮の扉を開けて同時にしゃべる。
扉を開けた先にはミーシャさんがいるのは知ってる。
これは今までの経験と検索魔法によるものだ。

「ミーシャさん、遅れてすみません、アイをよろしくお願いします」

「はーい、遅刻なんて珍しいわね、行ってらっしゃい、気をつけてねー」

「はい、じゃあな、アイ」

「ん」

そうして、アイは俺に小さな手を振る。
可愛い。
俺はそんな事を考えながらすぐ様、女子寮の屋根へと飛び移り、瞬足で走り出す。

約一時間の遅刻。
いや、ここまで来たら約は誤差かもしれない。
今は丁度一限終わりの休み時間だ。

「ラグナ先生!遅れました!すみません!」

「あ!もう!何で今日みたいな日に遅れてくるかなー!」

ラグナ先生は腰に手を当ててプンプンとした様子。
今日みたいな日とは何のことだろうか。

「今日、何かありましたっけ?」

「むむむ、昨日言いましたよねぇ…遠足の説明会があると」

「……?」

あ、これ絶対俺が聞いてなかったやつだ。
姉さんの事で一杯で、ここ最近ぼーっとしてたもんな。

「あ、じゃあ、今から説明を…」

「もう…わかったわ。授業も特にすること無いし、いいわ」

うん、問題発言。
まぁ、そんな事は置いておこう。
遠足か。
楽しみ…とまではいかないが懐かしい響きだ。
高校では遠足何て無かったからなぁ。


そこから俺は遠足の説明を受けた。
一週間後、場所はポコ領の山。
うん、察しのいい人はわかると思うけど、ウェザー村のある山だね。
遠足が故郷というのは何ともまぁ不思議な感覚だ。
嬉しいような、残念なような。
学園に入ってからウェザー村の山の中を散策した事は余り無い。
せいぜい、父さんに角クマの角を渡しに行く為に通るくらいだ。
以前、魔物を狩る為に山の中を走り回ったが全ては周り切れていない。
そりゃそうだ。
あの山は高くて、なだらかだから、距離にしたら恐ろしい。
改めて、アンダンテ王国が大きい事を示している。
まぁ。同じくらい大きい国もあるのだが。
今回は多分、俺が行ったことのない場所へと訪れるらしい。
そして、遠足の目的。
これは、楽しむという俺の予想とは外れた。
山の中での行動を学ぶ。
というものだった。
騎士になった際に山で一夜過ごしたりする事も恐らくあるだろう。
その為の演習だそうだ。
だから、三日間、遠足として山の中を歩き回る。
勿論、魔物は出る。
俺が保証してやる。
あの、山はキングザリガニーさんや角クマさんがわんさかいる。
一年生に倒すのは難しいだろう。
Sクラスの人なら倒せそうだけどね。
まぁ、角クマは今、角以外を狩ることを禁止されてるから状態異常魔法で眠らせるなりするんだろうけども。
そして、肝心の持ち物。
お菓子は無かった。
この世界自体、お菓子は余り普及してないしね。
言われたのは、三日間生きるのに必要な物を持ってこいだった。
ただし、食べ物は魔物を狩って食べるから持ってこなくて良いとの事だ。
水は勿論、必須。
まぁ、俺の場合、時間停止付き収納魔法があるから何を持って行っても困らないんだけどね。

これが大体の説明だ。
大体の。

1つおかしな事を言われた。

「レインはCランク冒険者の神速のレインとして有名だからな。一年生の皆を纏める係に入ってもらった。あ、勿論、お前1人じゃないから安心しろ。Sクラスから5人とレインの合計6人だ。頼んだぞ、今日の放課後、その6人で交流するから」

あー、何て勝手な事を。
まぁ、Gクラスだからと言って馬鹿にする奴はいなくなったから、面倒事にはならないだろうから良いけども。
Sクラスから5人って誰だ?
王女三姉妹は多分、確定だけど残り2人は?
うーん、話した事のある人だと良いなぁ…。

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