男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。真の決意。

「レイン君、今日は王城に来て下さいませんか」

ラーラは俺にそう言った。
ギルドには後で行けば良いだろうから特に用事は無い。

俺とラーラはローラとルーラ、アイを迎えに行きその後、王城へと向かった。
王城へは王女三姉妹の馬車で向かう。
大した距離では無いのだが、王女ともなると歩いていくというのは中々マズイ。


「おお、レイン、アイも来たか」

「いらっしゃい、ゆっくりして行ってね」

王様と女王様は俺とアイにそう挨拶をして会議用の大きな部屋へ行くように促した。
普通は平民何かが入れる場所じゃないんだけどなぁ…。
というのも、王都で俺は既に有名人であった。
冒険者としては神速のレインと呼ばれる様にもなった。
学園ではもう以前の様にGクラスだからといって馬鹿にする様な人もいない。
何度か貴族になれと王様から言われたりもしたが俺に地位はいらない。
断固拒否している。
その代わり他国の情勢などを詳しく聞かせてもらっている。
勿論、姉さんの手がかりを集める為だ。
見つからない事は分かっている。
でも、何かしていないととても苦しい。
そんな気がするのだ。

会議用の部屋へと入るとそこには2人の人物が既に大きなテーブルの前に座っていた。

「よぉ、レイン、アイちゃん、久し振りだな」
「こんにちはー!元気でしたかー?」

元気良く出迎えてくれたのは、グレンさんと重宝暗殺部隊隊長キールさんだ。

「お久しぶりです、元気です」
「ん、元気」

軽く挨拶を済ませた後、そこからは最近の魔物、魔族等の動向などの話になった。
基本的には大した話では無かった。
だが、魔族はどうやら発見されていないらしい。
というのも、俺が魔王ユウトとしての名前で書いた手紙がしっかりと役割を果たしてくれているのかもしれない。
気になるのは姉さんの行方だが関連していそうな話は無い。

「レイン、サンの事は気の毒に思う、だが、もう少し肩の荷を下ろせ。このままじゃ、お前がダメになるぞ」

グレンさんはそう言う。
知ってる。
もうダメになりかけている。
1日の殆どを姉さんのことを考えている。
そして夜は眠れず、体調が悪くなっていく。
それをしっかりと感じる。
神ちゃんは外部からの俺に対する害などの対処はできるが、俺自身の気持ちなどから来る害には対処できない。
毎日が暗く重く辛い。
俺は苦笑いでグレンさんを流すとグレンさんは心配そうな顔を浮かべていた。

暫くして、王様、女王様、王女三姉妹、グレンさん、キールさん、アイ、俺が集まった所で王様が話を切り出した。

「さて、そろそろ集まったな」

皆の視線は王様へと向けられる。
何について話すのだろうか。

「今日の議論は……というか議論じゃないな。改めて、今日、ここに集まった人達は……」

議論じゃないならパーティか何かだろうか。
なら、アイを連れてきて正解だったな。

「レインの姉、サン奪還作戦の参加者だ!」

ん??
姉さんの奪還作戦??
居場所が分かったのか!?

「お、王様!場所が分かったんですか!!?」

「いや、分からん。」

分からんのかい!!

「まぁ、レイン、話を聞け。お前はな1人で抱え込み過ぎだ。確かに気持ちは分かる。でもなぁ、ちょっと違うだろ。」

違う……とは。
何のことなのだろうか。

「お前が沈んでるせいで周りも沈んでるんだ。いい加減気づけ、今まではラーラは城に帰ってきたら直ぐにお前の話をし始めるのに、数ヶ月前から何も話さなくなっちまって、暗い顔をしてるから何かおかしいと思えば、原因はレインがまともに話してくれないからだと」

う……。
確かに言われてみると、姉さんの事をずっと考えているせいで端的に会話を終わらせたりしたかなぁ……。

「そうだぞレイン?やっと口を開いたかと思えば、全部、魔物だとか魔族だとかそういう話ばっかりだ。毎回毎回その話しかしないからいつも変化が無いとしか言えないんだよ、心配しなくても何かあったらお前には直ぐに言うよ、私より強いんだし」

グレンさんは困った顔をしながらそういった。

う……確かに毎回毎回同じ話ばかりされたら少しイラッとくるかも……。

「げ、元気の無いレイン君は嫌ですわっ!ラです」
「そうですわね、レイン君は元気が1番ですの。ロです」
「うふふ、言われたい放題ですわね。ルです」
「笑顔、無い」
「元気にいきましょーよー」
「私達はいつでも貴方の味方なのですよ」

王女三姉妹、アイ、キールさん、女王様は次々と言葉を言う。

何か嬉しいのだけれど袋叩きにされてる気分だなぁ。
すると

『レイン様がサン様を助けたいという気持ちは良く分かります。ですが助ける過程で誰かを不幸にしてしまえば、前世と同じ過ちを繰り返すだけなのではないのですか?私はレイン様には今、他にもっと出来ることがあると思います。きっとサン様もそれを望む事でしょう』

俺が…今、出来る事…?

『仕方が無いですね、二度とこんな事言わせないで下さいね。今いる仲間を大切にする事です』

仲間を大切にする事…。

『要するに、サン様の事ばかりになって周りに気が配れていないという事です。勿論、気持ちは分かります。ですが、レイン様が助けるべきは1人ではありません。その中に優先順位があるのは当然かもしれませんが、今のままでは誰も幸せにする事も無ければ、手掛かりが見つからないサン様を助ける事もできません。レイン様は今、レイン様を支えてくれている仲間を大切にするべきです。心に温かさを与えてくれる皆様から今までレイン様がその人達に与えて来た心の温かさを自ら奪い取ってはいけません。』

……でもどうしたら…

『今ここに皆様が集まっているのがその答えだと思いますよ』

答え…

「レイン君、もっと私達を頼って下さい!」

ラーラは俺の手を取ってそう言った。

「ラーラ…」

「れ、レイン君の苦しみは、わ、私の物でもあるんですから…」

……少し道を踏み外しかけてたのかな。
俺は想われている。
今まで助けて来た人は俺を想っている。
そんな人達を次は自分が想わなければならない。
想っていく必要がある。
簡単な事ができないもんなんだなぁ…。

「ラーラ、顔赤いよ」

俺は顔を真っ赤にして俯くラーラに言ってやった。

「そ、そんな事ないわよ!」

否定したが赤いぞ。

そうだ。
俺は決めたんだ。
本当の意味で人を助ける。
本当の意味でだ。


これは、俺の絶対に叶えるべき夢なんだ。
次は必ず助けてみせる。
皆で。

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